結論から先に述べます。外務省はベトナム全土に危険情報を発出しておらず、ダナンも対象外です。ただし、スリやひったくりなどの被害は実際に発生しています。治安の実態から危険地点、手口、交通、レンタルバイク、出発前の準備まで一次情報で確認します。
ダナンの治安:外務省の危険情報はゼロ
外務省の海外安全ホームページでは、ベトナム全土に危険情報が出ていません。ダナンを含む全地域が対象外です。感染症危険情報やスポット情報も、現時点では発出されていません。
とはいえ、危険情報がないことは犯罪が起きていないことを意味しません。ベトナム公安省の発表によると、2025年中の犯罪件数は次の通りです。
- 犯罪発生件数:47,713件(被逮捕者74,426人)
- 経済犯罪:3,658件
- 薬物犯罪:21,998件(被逮捕者44,354人)
- 薬物押収量:ヘロイン276キロ、マリファナ約1.3トン、合成麻薬4.4トンなど
外務省は、ベトナム国内の治安状況について「総じて安定している」としています。一方で2024年6月にはホーチミン市内で邦人男性が刺殺される事件も起きました。住宅への侵入やひったくり、スリ、置き引きも報告されています。
では、外務省がダナン市内で名指ししている危険な場所はどこでしょうか。
出典: ベトナム 危険・スポット・広域情報/確認日 2026-08-10
出典: ベトナム 安全対策基礎データ/確認日 2026-08-10
外務省がダナンで名指しする唯一の危険地点
外務省がダナン市内で犯罪多発地域として名指ししているのは、ドラゴン橋周辺のスリ被害だけです。ハノイやホーチミンと比べると、指定される場所の数はごくわずかです。
ドラゴン橋周辺は、ファイヤーショーの開催時に人が密集し、スリの被害が発生しやすいとされています。混雑する時間帯は特にバッグや貴重品の管理に注意が必要です。

| 都市 | 外務省が名指しする危険地点 |
|---|---|
| ダナン | ドラゴン橋周辺(スリ、ファイヤーショー開催時)の1か所のみ |
| ハノイ | ホアンキエム湖周辺、旧市街、ドンスアン市場、ハンガイ通り、統一公園周辺など多数 |
| ホーチミン | グエン・フエ通り、ドン・コイ通り、ベン・タイン市場周辺など多数 |
名指しされた地点が少ないことは、ダナンの治安が比較的落ち着いていることを示しています。ただし、これはあくまで外務省が把握している代表例にすぎません。都市部で夜間に路地裏へ入るのは避けるべきとされています。
では、旅行者が実際にどんな手口で狙われるのか、具体的に見ていきます。
出典: ベトナム 安全対策基礎データ/確認日 2026-08-10
旅行者が狙われる手口
ベトナム旅行で日本人が巻き込まれやすい被害は、複数の手口に分かれます。外務省はそれぞれの具体的な状況を注意喚起しています。
- ひったくり:後方からバイクで近づき、追い越しざまに携帯電話やバッグを奪う。夜間の屋外での携帯電話使用は特に注意
- スリ:混雑した市場や路上、ショッピングモール、長距離バス車内でバッグのジッパーを開けられ財布を盗まれる
- 置き引き:ホテルや空港のロビー、レストランで荷物から目を離した隙に被害に遭う
- 昏睡強盗:ホテルなどに連れ込まれ飲食後に意識を失い、所持金を奪われる
- イカサマ賭博:路上で「必ず勝てる」と誘われ、賭博で掛け金を全て失う
- お金を見せて詐欺:日本円を見せてほしいと声を掛けられ、提示した紙幣を盗まれる
機内の収納棚から現金やカードが盗まれる被害の報告も増えています。また、闇バイトで特殊詐欺の「かけ子」にされたり、知らないうちに違法薬物の運び屋にされたりする事案も発生しています。
スリの被害でカードを不正利用される二次被害も報告されています。被害に気づいたら、速やかにカード会社へ連絡することが重要です。
犯罪の手口を押さえたところで、次はダナンで実際に発生件数が多いリスクを見ていきます。
出典: ベトナム 安全対策基礎データ/確認日 2026-08-10
ダナンで本当に怖いのは犯罪より交通
外務省のデータを見る限り、ダナン旅行で最も注意すべきは犯罪より交通事故です。2025年中のベトナム国内の交通事故は、死者数だけで1万人を超えています。

| 項目 | 2025年 | 2024年 |
|---|---|---|
| 発生件数 | 18,371件 | 23,484件 |
| 死者数 | 10,337人 | 10,944人 |
| 負傷者数 | 12,197人 | 17,342人 |
外務省は、日本とベトナムでは交通事故の統計システムが異なる点にも注意を促しています。交通マナー教育が徹底されておらず、通行区分を無視する車両も少なくありません。
タクシー利用時の注意
空港周辺の客引きタクシーには、メーターを不正操作したり高額請求したりする悪質な運転手がいます。ホテルやレストランでの配車依頼か、追跡可能な配車サービスの利用が推奨されています。
過去には道路横断中にオートバイに跳ねられて死亡した日本人旅行者もいます。信号や横断歩道がある場所でも、油断せず周囲を確認する必要があります。
この交通事情を踏まえると、旅行者がバイクを自分で運転する選択肢はどう評価すべきでしょうか。
出典: ベトナム 安全対策基礎データ/確認日 2026-08-10
レンタルバイクを借りてはいけない理由
ダナンでレンタルバイクを借りることは、法律面でも安全面でもリスクが高い選択です。ベトナムは国際運転免許に関する条約を批准していません。
日本の運転免許証をベトナム当局発行の免許証に切り替えないまま運転すると、無免許運転になります。ベトナム刑法では、3年以上10年以下の懲役刑が科される場合があります。
無免許運転は懲役刑の対象になり得ます。安易な気持ちでのレンタルバイク利用は避けましょう。
保険の面でも不安が残ります。車両の強制保険はあるものの十分な補償額とは言えず、任意保険もあまり普及していません。事故の際、相手に賠償能力がないケースも多く報告されています。
実際に、日本人旅行者がレンタルバイクの運転中に通行人と接触し、相手を負傷させ自身もけがを負った事故が起きています。
交通と法律のリスクを確認したところで、最後に出発前に済ませておくべき準備を見ていきます。
出典: ベトナム 安全対策基礎データ/確認日 2026-08-10
健康と手続き:出発前に済ませること
ダナン旅行では、健康面の備えと入国手続きの確認を出発前に済ませておく必要があります。順に確認します。
健康面の注意
都市部でも衛生状態は十分ではなく、屋台の衛生状態は特に劣悪です。生野菜を使う料理も多く、消化器感染症のリスクに注意が必要です。
- デング熱:雨期に流行。南部で患者数が多く、治療薬はなく重症化する危険がある
- 狂犬病:つながれていない犬が多く、2025年は73人が死亡。発病後の致死率はほぼ100パーセント
- 結核:罹患率は日本の10倍
- 大気汚染:ハノイやホーチミンなど都市部で深刻
犬に咬まれたり、なめられたり引っ掻かれたりした場合も感染の可能性があります。接触したら直ちに病院を受診してください。
医療レベルは全体として高いとは言えず、入院や手術が必要な場合は日本や近隣国への移送も検討されます。高額な費用に備え、海外旅行保険への加入が強く勧められています。
入国・滞在の手続き
- ビザ:45日以内の滞在ならビザ免除。旅券の残存有効期間6か月以上などの条件がある
- 電子たばこ・加熱式たばこ:国内で使用すると罰金の対象になり得る
- 外貨申告:現金5,000米ドル相当を超える所持は空港での申告が必要
- 不法滞在:15日未満でも50万〜200万ドンの罰金対象になる
3か月未満の短期渡航でも、外務省は「たびレジ」への登録を推奨しています。緊急連絡先は事前に控えておくと安心です。
- 警察:113
- 消防署:114
- 救急車:115
- 在ダナン日本国総領事館:0236-3555-535
出典: ベトナム 安全対策基礎データ/確認日 2026-08-10
ここまでの内容を、出発前に見返せる一枚の表に整理します。
ダナン旅行の安全ポイント早見表
判断に迷ったときの確認用として、要点を5行にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 外務省の危険情報 | ベトナム全土で発出なし(ダナン含む) |
| 名指しされた危険地点 | ドラゴン橋周辺(スリ)のみ |
| 主なリスク | スリやひったくりより交通事故の被害が深刻 |
| ビザ | 45日以内はビザ免除 |
| 緊急連絡先 | 在ダナン日本国総領事館 0236-3555-535 |
表の内容を踏まえたうえで、よく寄せられる疑問も確認しておきましょう。
よくある質問
Q. ダナンは一人旅でも安全ですか?
外務省の危険情報は出ていませんが、スリやひったくりの被害はあります。夜間の一人歩きや路地裏への立ち入りは避けましょう。
Q. レンタルバイクはやめたほうがいいですか?
国際免許が通用せず、無免許運転として懲役刑の対象になり得ます。保険も十分ではないため、避けるのが無難です。
Q. タクシーは安全に利用できますか?
不当請求をする悪質な運転手も報告されています。ホテル手配か、大手の配車サービスを利用しましょう。
Q. ビザは必要ですか?
45日以内の滞在ならビザは免除されます。ただし旅券の有効期間など条件を満たす必要があります。
最後に、この記事の要点を整理します。
まとめ
- 危険情報はゼロ:ベトナム全土に危険情報は出ておらず、ダナンも対象外
- 要注意はドラゴン橋周辺:外務省が名指しする危険地点はここのスリだけ
- 最大のリスクは交通:犯罪よりも交通事故の被害の方が深刻
- レンタルバイクは避ける:法律・保険の両面でリスクが高い
- 出発前の準備:海外旅行保険とビザ条件の確認を済ませておく
