日本を出発する国際線の液体物ルールは、「100ml以下の容器」「1L以下の袋」「1人1袋」の3点だけです。この3点さえ守れば、迷うことはありません。この記事では、勘違いしやすいポイントから例外的に持ち込めるもの、国内線や海外空港との違いまで順番に解説します。
結論:覚えるのは「100ml・1L・1袋」の3つだけ
国際線の保安検査は、100ml以下の容器・1L以下のジッパー袋・1人1枚という3条件を押さえれば通過できます。日本を出発するすべての国際線に、このルールが適用されます。
- 容器:1つ100ml以下。表示された容量で判断する
- 袋:容量1リットル以下の無色透明なジッパー付きプラスチック袋
- 個数:袋は1人1枚まで。家族分をまとめることはできない
液体物には「液体」に加えて、ジェル類とエアゾール(スプレー)も含まれます。容器に入れないと形を保てない半液体状のものも対象です。
一方で、この制限がかかるのは客室内に持ち込む手荷物だけです。カウンターで預ける受託手荷物には適用されません。迷ったら預ける、が最も確実な対処になります。
では、この3条件のどこで人はつまずくのでしょうか。誤解しやすい4つのポイントを見ていきます。
出典: 国土交通省「国際線の航空機客室内への液体物持込制限について」/確認日 2026-08-11
よくある勘違い4つ
「合計1L以下ならOK」「容器の中身が少なければOK」といった思い込みは、いずれも誤りです。空港や航空会社が示す条件は細かく決まっており、勘違いしたまま検査場に行くと荷物を諦めることになりかねません。実際のルールとの違いを、表で確認しましょう。
| 勘違い | 実際のルール |
|---|---|
| 100mlの容器が10個で合計1L以下ならOK | 条件は「袋の容量が1L以下」であること。個数は関係ない |
| 120ml容器に半分しか入っていないからOK | 容器の表示が100mlを超えていれば、中身の量に関わらず不可 |
| 透明な袋に入れなくてもOK | 成田空港では透明プラスチック袋に入れないと、100ml以下の容器でも持ち込めない |
| マチ付きの丈夫な袋でもOK | 成田空港ではマチ付きの袋は使用できない |
| 「90g」と書いてあるから対象外 | 1g=1mlと読み替える。90gは90ml扱いで対象 |
袋のサイズは、国土交通省の案内ではタテとヨコの合計が40cm以内が目安です。成田空港はより具体的に、縦20cm以下×横20cm以下と示しています。形は正方形でも長方形でもかまいません。
詰めるときは余裕を持たせてください。ジッパーがきちんと閉じられない場合、一部を放棄することになります。袋は乗客自身で用意するもので、コンビニやホームセンターで販売されています。
ここまでが「入れ方」の話です。次は、そもそも何が液体物に分類されるのかを見ていきます。
出典: 成田国際空港「国際線での液体物の持ち込み制限について」/確認日 2026-08-11
意外と引っかかる液体物リスト

引っかかるのは化粧品より、むしろ食品と歯磨き粉です。国土交通省のリストは、ヨーグルトや味噌、ハミガキまで液体物に分類しています。
| 分類 | 制限対象になる代表例 |
|---|---|
| 飲み物 | 果汁飲料、清涼飲料、牛乳・豆乳、酒類 |
| 調味料・食用油 | 醤油、味噌、食酢、ソース、ケチャップ、マヨネーズ、練りわさび、ごま油 |
| 半固形の食品 | プリン、ゼリー、ヨーグルト、あんこ、はちみつ、豆腐、こんにゃく、キムチ、漬け物 |
| レトルト・缶詰 | カレー、シチュー、おかゆ、ポタージュスープ、果実缶 |
| 洗面まわり | ハミガキ(歯磨き粉)、マウスウォッシュ、シャンプー、リンス、液体せっけん、洗顔フォーム、メイク落とし |
| 化粧品 | 化粧水、乳液、ハンドクリーム、液状ファンデーション、液体マスカラ、マニキュア、除光液、香水 |
| 整髪・制汗 | 整髪ジェル、制汗ジェル、ヘアスプレー、シェービングフォーム |
逆に、対象から外れるものもあります。乾燥した香辛料(唐辛子・胡椒・カレー粉)、コンソメなど固形・顆粒のスープの素、干し梅のように液体をほとんど含まないものです。
預け入れもできないスプレーがある
スプレー類は、持ち込みの可否より「預けられるかどうか」で分かれます。
- 持ち込みも預け入れも不可:塗料スプレー、模型用スプレー、パンク修理スプレー、催涙スプレー、酸素スプレー、エアダスター
- 持ち込み不可・預け入れは可能:防水スプレー、静電気防止スプレー、滑り止めスプレー、衣服用スプレーのり(量の制限あり)
なお、ドライアイスは液体物の制限対象外です。ただし容器が密閉されていない状態で、2.5kgを超えないことが条件になります。
ここまでは制限される側の話でした。次は、量を超えても持ち込める例外を確認しておきましょう。
出典: 国土交通省「国際線の航空機客室内への液体物持込制限について」/確認日 2026-08-11
例外として持ち込めるもの(医薬品・ベビーミルク・免税店購入品)
医薬品やベビー用ミルクなどは、量の制限を超えても持ち込みが認められる場合があります。ただしいずれも、検査員への申し出や確認が前提になります。診断書や薬の説明書きなど、追加の書類提示を求められることもあります。対象になるものは、次の4つです。
- 医薬品:糖尿病など医療上必要な液体は免除対象。薬袋や診断書の提示を求められる場合がある
- コンタクトレンズの保存液・洗浄液:医薬品扱いで、検査員に申し出れば機内で必要な量に限り持ち込み可能
- ベビー用ミルク・ジェル状フード:免除対象
- 免税店購入品:保安検査後のクリーンエリアで購入したものは持ち込み可能
ただし免税店で購入した液体物は、海外で別の便に乗り継ぐ場合、再検査で没収される可能性があります。事前に航空会社へ確認しておくと安心です。成田空港は、乗り継ぎ客が免税店で100ml超の液体物を買えるよう保安検査済み袋(STEBs)を導入しています。続いて、国内線や預け荷物、海外の空港との違いを整理します。
出典: 成田国際空港「国際線での液体物の持ち込み制限について」/確認日 2026-08-11
国内線・預け荷物・海外の空港との違い

100mlルールが適用されるのは国際線の手荷物のみで、国内線や預け荷物、海外の一部空港では扱いが異なります。保安検査は各航空会社が実施しており、独自の制限を設けている場合もあります。利用する航空会社のルールも、事前に確認しておくと安心です。まずは表で全体像を確認しましょう。
出典: 成田国際空港「国際線での液体物の持ち込み制限について」/確認日 2026-08-11
| 区分 | 液体物のルール |
|---|---|
| 国際線(手荷物) | 100ml以下の容器を1L以下の袋に、1人1袋 |
| 国内線 | 液体物制限は行われない(通常の保安検査のみ実施) |
| 受託手荷物(預け荷物) | 液体物制限は適用されない |
| ダブリン空港(海外の例) | 2リットルまでの容器を、袋に入れずに持ち込み可能 |
ダブリン空港のように、液体物の制限が緩和されている海外空港もあります。ただしこれは、日本発の国際線には適用されません。日本を出発する便は、引き続き100mlルールに従う必要があります。最後に、疑問に思いやすい点を質問の形で整理します。
出典: Dublin Airport “Airport Security”/確認日 2026-08-11
よくある質問
Q1. 100mlを超える液体物を持って行きたい場合は?
A. スーツケースに入れてチェックインカウンターで預ければ、100mlを超える液体物も持ち込めます。受託手荷物には、液体物の持ち込み制限が適用されないためです。保安検査場で放棄することになる前に、あらかじめ荷物を仕分けておくと安心です。
Q2. 保冷剤は持ち込める?
A. 100ml(100g)以下の容器なら、1Lの袋に入れて持ち込みが可能です。医療用の保冷剤は、薬と一緒に医薬品として検査員に申し出れば、別枠で持ち込むことができます。氏名や薬の説明書きなどの確認を求められる場合があります。
Q3. ジッパー袋は空港で買える?
A. 透明プラスチック袋は乗客自身で用意する必要があります。コンビニやホームセンターなどで販売されています。成田空港での目安は縦20cm以下×横20cm以下で、マチ付きの袋は使用できません。忘れた場合は、出発前に立ち寄れる店で早めに準備しておきましょう。
Q4. 酒類はどのくらい持ち込める?
A. 100ml以下の容器なら1Lの袋で持ち込めますが、そうした容器は少ないため預け入れが現実的です。ただし預ける場合も制限があります。アルコール度数70%超は持ち込みも預け入れも不可で、酒の総量が5リットルを超える場合も同様です。お土産用のお酒を買うときは、この条件を思い出してください。
Q5. 最終的な判断は誰がする?
A. 保安検査場の検査員が最終的な判断を行います。基準を満たしていても、状況によって持ち込みを断られる場合があるため、不安な液体物は預け荷物にまわしておくと安心です。判断に迷う液体物があれば、出発前に航空会社へ問い合わせておくと、当日慌てずに済みます。
まとめ
日本発の国際線では「100ml以下の容器」「1L以下の袋」「1人1袋」という3つの基本を守ることが大切です。迷ったときは無理に持ち込まず、預け荷物にまわすのが安心です。医薬品やベビー用ミルクなど例外もあるため、不安な場合は事前に航空会社や空港に確認しておきましょう。荷造りの段階で液体物を一箇所にまとめておけば、当日の検査もスムーズに進みます。