結論から言うと、タイでは水道水をそのまま飲むのは避けるのが基本です。歯磨きで水に触れる程度なら量はごく少量ですが、公的機関の推奨も踏まえて考える必要があります。この記事では、飲用と歯磨きの違い、外食での注意点、予防接種、用途別の早見表まで順番に見ていきます。
タイの水道水は飲んでよいのか
結論として、タイでは水道水をそのまま飲むのは避けるべきとされています。厚生労働省検疫所FORTHとアメリカCDCが、揃って旅行者に注意を呼びかけているためです。両者とも渡航前に確認しておきたい基本情報として案内しており、初めてタイを訪れる人ほど知っておきたい内容です。
FORTHはタイのページで「水道水をそのまま飲むことは避け、外食の際も衛生管理の行き届いたお店を選びましょう」と案内しています。CDCの「イエローブック」2026年版も、旅行者は水道水を飲まないことと明記し、ボトル水や浄水は広く手に入るとしています。では、歯磨きに使う程度の水道水はどう考えればよいのでしょうか。
- 厚労省検疫所FORTH:水道水をそのまま飲むことは避けるよう案内
- 米国CDC:水道水は飲まず、密封容器の飲み物と氷を避けるよう推奨
- バンコクMWA:供給区域の水質はWHO基準を満たすとするが、直接飲用は推奨せず
出典: 厚生労働省検疫所FORTH タイ(平成24年6月5日更新)/確認日 2026-08-13
出典: CDC Yellow Book タイの章/確認日 2026-08-13
歯磨きの水は水道水のままでよいか
結論として、歯磨き程度の水道水は多くの旅行者にとって大きな問題にならないと考えられます。ただし絶対に安全と言い切れる公的な情報はなく、最終的な判断は旅行者自身に委ねられています。判断材料を整理し、ご自身の旅のスタイルに合わせて選べるようにしておきましょう。
歯磨きでは水を口に含んでもすぐに吐き出すため、体に入る量はごく少量です。うがい後にしっかり吐き出せば、飲み込む水の量はさらに減らせると考えられます。一方でFORTHとCDCは水道水を飲むこと自体を避けるよう案内し、CDCは密封容器の飲み物以外を避け、氷も避けるよう求めています。この推奨に歯磨き専用の例外は書かれていません。
心配な人・お腹が弱い人はどうするか
歯磨き程度なら気にしないという考え方もあれば、念のため避けたいという考え方もあります。体調に不安がある人、お腹の弱い人、小さな子どもを連れている場合は、歯磨きの水もボトル水に切り替えるのが現実的な対応です。次は、屋台や外食での注意点を見ていきます。
- 気にしない派:歯磨き程度の接触量なら水道水のままで済ませる
- 用心派:歯磨きもボトル水やうがい用の水を別に用意する
- 子ども連れ:体調管理を優先し、歯磨きもボトル水に統一する
出典: CDC Yellow Book タイの章/確認日 2026-08-13
屋台や外食で気をつけたいポイント

結論として、外食では加熱が十分なものを温かいうちに食べるのが基本です。生ものや加熱不十分な料理は避けたいところです。バンコクやプーケットの屋台でも考え方は同じです。理由を公的機関の情報から確認していきましょう。
FORTHによると、タイで患者数がもっとも多い病気は急性下痢症で、食中毒や消化器感染症が発生しています。外食時は衛生管理の行き届いた店を選ぶことが大切だとされています。旅程の初日から意識しておきたいポイントであり、屋台選びの参考にもなります。
CDCが挙げる具体的な工夫
CDCのイエローブックは、屋外の飲食店では清潔な流水がないため、手指や調理の衛生が保ちにくいと指摘しています。これが旅行者下痢症の一因になりうるとしたうえで、旅行者向けに具体的な工夫を挙げています。次は、出発前に検討したい予防接種を確認しておきましょう。
- 注文後に調理する店を選ぶ:作り置きより出来立てを選ぶ
- 生や加熱不十分なものは避ける:肉や魚介は特に注意する
- 熱々を使い捨て食器で:できたてを温かいうちに食べる
- 生の薬味・生野菜は避ける:洗浄状態が分からないため
- 果物は自分で皮をむく:切り売りの果物は避けるのが無難
出典: 厚生労働省検疫所FORTH タイ/CDC Yellow Book/確認日 2026-08-13
出発前に検討したい予防接種
結論として、A型肝炎や腸チフスなど、水や食べ物を介して感染しうる病気に備えたワクチンの検討が推奨されています。出発前の準備の一つとして、旅程を組む段階から余裕をもって押さえておきましょう。持病がある人は、かかりつけ医への相談もあわせて検討してください。
FORTHは、タイで受けておきたい予防接種として、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、腸チフスを挙げています。米国CDCのイエローブックも、A型肝炎、B型肝炎、腸チフスのワクチン接種を強く推奨しています。渡航前には医療機関で相談し、日程に余裕をもって準備しておきましょう。続いて、バンコクの水道インフラの実情も確認しておきましょう。
- A型肝炎:汚染された水や食べ物から感染しうる
- B型肝炎:血液や体液を介して感染しうる
- 破傷風:けがをした際の感染リスクに備える
- 腸チフス:汚染された水や食べ物から感染しうる
出典: 厚生労働省検疫所FORTH タイ(平成24年6月5日更新)/確認日 2026-08-13
バンコクの水道インフラの実情

結論として、水源の水質基準を満たしていても、配管や建物の貯水タンクの状態までは保証されません。そのため現地でも直接飲用は勧められていません。水源と蛇口の間で、何が起きているのかを一つずつ整理していきましょう。建物ごとに設備の状態は異なり、一律に安全とは言えません。
バンコクの水道を管理する首都圏水道公社MWAは、供給区域の水道水はWHOの飲料水基準を満たしているとしています。一方で、市内の広大な配管網の状態や建物側の貯水タンクによる汚染リスクがあるため、蛇口までの経路には不確定要素が残ります。この理由から、現地でも直接飲むことは勧められていません。ここまでの情報を、次の章で用途別の早見表に整理します。
出典: IWA Publishing バンコク水道水質に関する研究/確認日 2026-08-13
用途別・水道水チェック早見表
飲む・歯磨き・うがい・シャワー・氷・生野菜など、場面ごとの考え方を一覧にしました。迷ったときの目安としてお使いください。表を見れば、飲用以外の場面も含めて全体像がひと目で分かります。旅の準備段階や現地到着後にも、一度目を通しておくと安心です。
| 用途 | 水道水を使ってよいか | 公的機関の推奨 |
|---|---|---|
| 飲む | 避ける | FORTH・CDCともに水道水を飲まないよう案内 |
| 氷 | 避ける | CDCが氷を避けるよう明記 |
| 生野菜・薬味 | 避ける | CDCが生の付け合わせを避けるよう案内 |
| 歯磨き | 判断が分かれる | 飲用回避の推奨はあるが、歯磨きに限った言及はなし |
| うがい | 判断が分かれる | 歯磨きと同様、飲み込まなければ量はごく少量 |
| シャワー・洗顔 | 口に入れなければ通常どおり | 今回参照した公的情報に入浴・洗顔の制限は見当たらない |
表はあくまで目安です。体調やお腹の強さには個人差があるため、迷う場面ではボトル水を選ぶ方が安心です。体調管理も旅の計画の一部と考えておきましょう。では最後に、よくある疑問をまとめて確認しておきましょう。
出典: 厚生労働省検疫所FORTH タイ/CDC Yellow Book/確認日 2026-08-13
よくある質問
タイのホテルの水道水で歯を磨いても大丈夫ですか
飲み込まなければ体内に入る量はごく少量です。ただし公的機関は水道水の飲用自体を避けるよう案内しているため、絶対に安全とは言い切れません。心配な人や体調に不安がある人は、旅行中だけ歯磨きの水もボトル水にすると安心です。判断に迷ったら、まずは無理をしない方を選びましょう。
氷入りの飲み物は大丈夫ですか
CDCは氷を避けるよう明記しています。氷の製造や保管の状態が旅行者からは分かりにくいことが理由です。カフェやホテル、屋台などでも同様に考え、氷なしの飲み物を選ぶのが無難です。慣れるまでは注文時に一声かけると、確認しやすく安心です。市販のボトル飲料を選ぶのも一つの方法です。
お腹が弱い人や子どもは何に気をつければよいですか
飲用はもちろん、歯磨きやうがいの水もボトル水に切り替えるのが現実的な対応です。生野菜や氷も避けると、体調を崩すリスクをさらに減らして旅行を続けられます。外食では加熱十分な料理を選ぶことも合わせて意識しておきましょう。無理をせず、体調最優先で予定を組むのがおすすめです。
ミネラルウォーターならどこでも安心ですか
CDCはボトル水や浄水は広く手に入るとしています。購入時は封が開いていないかを必ず確認し、開封済みのものは避けるようにしましょう。コンビニなど信頼できる店で買うとより安心です。値段が極端に安いものにも注意しておきましょう。最後に、この記事の内容を簡単に振り返っておきます。
まとめ
タイでは水道水をそのまま飲むのは避けるのが基本です。歯磨き程度の接触量は少ないものの、心配な人やお腹の弱い人、子どもはボトル水を使うと安心です。外食では加熱十分なものを温かいうちに食べ、氷や生野菜は避けるといった工夫も有効です。出発前には予防接種の検討も忘れずに行い、余裕のある準備で旅行に臨みましょう。