
多民族・多文化国家として知られ、クアラルンプールやペナンなど人気の観光地を抱えるマレーシア。外務省は2024年の犯罪届出件数が58,255件(前年比+5,811件)にのぼると明記しており、サバ州東部の一部島嶼には危険情報も発出されています。この記事は、外務省の一次情報だけを根拠に、マレーシアの治安の「今」を整理したものです(記事内容の確認日: 2026年7月21日)。
この記事でわかること
- サバ州東部に出ている危険情報レベルと2026年6月の引き下げの理由
- クアラルンプールで多発する「お金見せて詐欺」など具体的な手口
- 麻薬・銃器がらみの厳罰と、保存しておきたい緊急連絡先
外務省の危険情報(2026年6月15日発出・引下げ)
| レベル2 不要不急の渡航中止 |
サバ州東側における、バンジ島・バラムバンガン島等を除く島嶼(引下げ) |
|---|---|
| レベル1 十分注意 |
サバ州東側のバンジ島・バラムバンガン島等およびクダットからタワウまでの沿岸(引下げ) |
| 発出なし | クアラルンプール、ペナン、マレー半島部など上記以外の地域(確認日時点) |
外務省は、サバ州東側島嶼で2014年頃多発していた身代金目的の誘拐事件が2020年1月以降発生しておらず治安が回復しているとして、両地域のレベルを引き下げました。ただし「テロ・誘拐のリスクは予断できない」として、最新情報の入手を呼びかけています。
出典: 外務省 海外安全ホームページ「マレーシア」危険情報(2026年6月15日発出・2026年7月21日確認)
犯罪の実情 ― 強盗は日本の約12倍
2024年の犯罪届出件数58,255件のうち、クアラルンプール市内の凶悪犯罪の約56%を強盗事件が占めています。主な凶悪犯罪の届出件数(2024年・前年比)は次のとおりです。
殺人(日本とほぼ同水準)
強盗(日本の約12倍)
強制性交等(日本の約2倍)
クアラルンプール市内で、中東系や白人男性から「日本円を見せてほしい」と声をかけられ、財布から現金を抜き取られる被害が多数報告されています。ホテル内やツインタワー周辺、チャイナタウン付近での事例が確認されており、声をかけられたら相手にせずその場を離れるよう外務省は呼びかけています。
バス車内や駅、大規模商業施設など人が密集する場所で、複数人が被害者を取り囲み気づかれないうちに財布を抜き取る手口が多発。ホテルの朝食ビュッフェで荷物や携帯電話を置いたまま席を外し盗まれる事例も多数報告されています。
大型の山刀「パラン刀」を用いた路上強盗が発生。抵抗すると躊躇なく切りつけられるため、深夜までの飲酒や単独での夜間外出は避け、遭遇した場合は抵抗せず身の安全を最優先にするよう外務省は注意喚起しています。
出典: 外務省「マレーシア」安全対策基礎データ・犯罪発生状況(2025年12月24日更新)
防犯の基本
外務省は「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用しないことを基本としています。過去10年間で詐欺被害は20万件以上、被害総額は約90億リンギットにのぼり、2024年の被害件数は10年前の約5.6倍(35,368件)と過去最高を記録しました。銀行や警察を騙る電話詐欺、eコマース詐欺、投資詐欺が中心で、インターネット上でしか面識のない相手に金品を送付しないよう警戒が呼びかけられています。強盗に遭った場合は抵抗せず金品を渡し、速やかに現場を離れて二次被害を避けることが重要です。
出典: 外務省「マレーシア」安全対策基礎データ・防犯対策(2025年12月24日更新)
知らないと危ないタブー・法律
出典: 外務省「マレーシア」安全対策基礎データ・滞在時の留意事項(2025年12月24日更新)
緊急時の連絡先 ― このページを保存しておいてください
スマホからは番号をタップするとそのまま発信できます。
| 在マレーシア日本国大使館 | (市外局番03)2177-2600(国外からは国番号60) |
|---|---|
| 在ペナン日本国総領事館 | (市外局番04)226-3030 |
| 在コタキナバル領事事務所 | (市外局番088)254-169 |
出典: 外務省「マレーシア」安全対策基礎データ・緊急時の連絡先(2025年12月24日更新)
まとめ ― 覚えるのは3つだけ
- サバ州東部の島嶼・沿岸は危険情報を確認: クアラルンプールやペナンなど主要観光地には危険情報は出ていません
- 「日本円を見せて」に応じない: 中東系・欧米系を名乗る人物からの声かけの多くは詐欺の入口です
- 999(警察・救急)を保存: 強盗に遭ったら抵抗せず、速やかにその場を離れてください
2024年の強盗届出件数は人口あたり日本の約12倍。「多民族・多文化の魅力的な国」というイメージの一方で、外務省は具体的な手口と数字を挙げて注意を呼びかけています。基本的な防犯意識を持ち、麻薬・銃器がらみの厳罰にも注意して旅行を楽しんでください。
本記事の内容はすべて各節に示した外務省の公開情報(2026年7月21日確認)に基づいています。危険情報は随時更新されるため、渡航前に必ず外務省 海外安全ホームページで最新情報をご確認ください。