「ドバイって治安がいいの、悪いの?」と気になっている方は多いはずです。結論から言うと、犯罪面の治安自体は比較的落ち着いているとされています。
一方で外務省は2026年6月時点で、アラブ首長国連邦(UAE)全土に危険レベル2(不要不急の渡航は止めてください)を発出中です。
さらにUAEには日本にはない独自の法律が多く、治安以上に「知らずに法を犯すリスク」への備えが欠かせません。
この記事では、①外務省の危険レベル → ②実際に起きているトラブル → ③知らずに違反しがちな法律 → ④女性一人旅のリアル、の順に確認していきます。
外務省の危険レベルと客観的な治安水準
結論は、2026年6月25日に危険レベル2へ引き下げられたものの、渡航には引き続き注意が必要ということです。
外務省 海外安全ホームページによると、UAE全土の危険情報は2026年6月25日付で「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」に引き下げられました。これは同年6月18日(日本時間)の米国・イラン間の戦闘終結等に関する覚書署名及びその後の情勢を踏まえた措置です。
外務省は「今後も不測の事態が発生する可能性は排除されない」として、複数の情報源から最新情報を入手し、特別な注意を払うよう呼びかけています。
渡航時に求められる行動
軍事施設等に近づかないこと、軍事施設等の写真・動画は遠くからであっても撮影しないことなど、慎重な行動が求められています。
治安統計についての注意
外務省の「安全対策基礎データ」では、UAEの治安状況は比較的安定していると言われているとされています。ただし一般犯罪に関する明確な統計は公表されていません。犯罪の少なさを保証する公式データがあるわけではない点は押さえておく必要があります。
出典: 外務省 海外安全ホームページ「アラブ首長国連邦」危険・スポット・広域情報/確認日 2026-08-10
数字の上での治安は落ち着いています。では、実際に日本人が巻き込まれているトラブルはどんなものなのでしょうか。
実際に起きているトラブル
ドバイで報告されている主なトラブルは、凶悪犯罪・SNS詐欺・金銭トラブル・タクシー交通トラブルの4種類です。
凶悪犯罪・スリ・薬物
外務省の基礎データでは、報道ベースの情報として次のような凶悪犯罪の発生も見られるとされています。
- わいせつ事件:女性や子供を対象としたもの
- 強盗事件:犯罪集団によるもの
- 強盗殺人事件:高級住宅地の戸建て家屋を狙ったもの
また観光客が多く訪れる場所ではスリが多発しているほか、薬物の密輸事案や所持・使用に関する摘発例も発生しています。
SNS経由の詐欺・金銭トラブル
特に目立つのがSNS等を通じた詐欺被害です。SNSやインターネットの交流サイトで知り合った相手が、恋愛感情を利用して送金を持ちかける手口が典型です。
具体的には、ドバイ国際空港での税関トラブル費用や日本への渡航費用の借用を申し出るケースです。国際送金サービスで送金させたあと連絡が取れなくなる、いわゆる国際ロマンス詐欺の被害が多く報告されています。
加えて、不動産投資や仮想通貨取引、外貨両替等をめぐる日本人同士の金銭トラブルも目立ってきているとのことです。
タクシー・交通のトラブル

タクシーはメーター制で料金も明確なため、一般的に利用上の問題は少ないとされています。ただし次のような事例が報告されています。
- 性的嫌がらせ:助手席に座った客に対するもの
- 乗車拒否:近距離利用客に対するもの
- 乱暴運転:一部ドライバーによるもの
道路事情としても、スピード違反や急な車線変更、無理な追い越しなど交通規則を無視した運転による事故が多発しています。
ここまでは、どの国にもある一般的な犯罪です。ドバイで本当に気をつけるべきなのは、この先の「法律」のほうです。
治安より怖い「法律」——日本人が知らずに違反しがちなルール
UAEには日本にはない独自の法律が多数あります。特に注意すべきは飲酒・薬物・撮影・SNS投稿に関するルールです。
外務省の基礎データでは、日本では必ずしも犯罪とされていない次のような行為が、UAEでは犯罪として規定されていると明記されています。
- 政治的結社・王族批判
- 債務不履行
- 婚姻関係にない男女の性的関係
- 同性愛関係
- 女装
- 無許可の募金活動
- 相手の承諾を得ない写真(動画)撮影等
飲酒のルール
自宅やレストラン・バー等の指定された場所以外での飲酒・酩酊は違法です。酒類購入時、ドバイでは短期滞在者は旅券の提示、在住者は許可証(リカー・パーミット)が必要とされます。
アブダビ等一部首長国では購入許可証が不要な場合もありますが、シャルジャ首長国では外国人を含め飲酒自体が禁止されています。
薬物のルール
麻薬や覚醒剤等の所持・販売・使用は違法行為で、違反者には死刑が科される場合もあるとされています。個人の常備薬でも規制対象品であれば没収されることがあるため、事前に駐日UAE大使館へ確認するよう案内されています。
撮影・SNS投稿のルール
写真撮影も、次のような場所では許可のない撮影が禁止されており、違反者は身柄を拘束される可能性があります。
- 軍事施設
- 経済インフラ施設
- 橋梁
- 政府関連の建物
- 外交団施設
- 空港内外
- イスラム教礼拝所内部
- 政府高官の私邸
ドローンは2020年1月以降、安全保障上の理由から使用が禁止されています。SNSについても、UAE政府批判やイスラム教の冒涜等、処罰の対象となり得る情報の発信をしないよう注意喚起されています。
| 行為 | 日本での扱い | UAEでの扱い(外務省情報) |
|---|---|---|
| 指定場所以外での飲酒・酩酊 | 合法(公共の場の制限は条例次第) | 違法(自宅・許可されたレストランやバー等に限定) |
| 婚姻関係にない男女の性的関係 | 合法 | 犯罪として規定され得る |
| 同性愛関係 | 合法 | 犯罪として規定され得る |
| 相手の承諾を得ない撮影/軍事施設等の撮影 | マナー上の問題にとどまる場合が多い | 違法。身柄拘束の可能性あり |
| SNSでの政府・宗教批判的な投稿 | 表現の自由の範囲内 | 処罰の対象となり得る |
| ドローンの使用 | 許可制のもとで飛行可能な場合が多い | 2020年1月以降、原則使用禁止 |
出典: 外務省 海外安全ホームページ「アラブ首長国連邦」安全対策基礎データ(更新日 2024年4月2日)/確認日 2026-08-10
法律を知ってさえいれば、多くのトラブルは未然に防げます。では、女性の一人旅や夜間の外出は実際のところどうなのでしょうか。
女性一人旅・夜間の外出・服装のリアル

服装・声かけ・公共の場での振る舞いなど、現地の風俗・習慣への配慮が求められます。
服装への配慮
外務省の基礎データによれば、ドバイやアブダビは比較的自由な気風があるとされています。一方でイスラム教の戒律が守られているため、居住者だけでなく短期滞在者(出張者・旅行者)も現地の風俗・習慣を理解し尊重することが重要だとされています。
具体的には、肌を露出した服装は男女問わずなるべく避けるべきとされ、場所によっては入場を断られたり注意されたりする場合があります。地方では露出度の高い服装をした女性がいやがらせを受けた事案も起きています。
またシャルジャ首長国では、外国人を含め女性による肌を露出した服装を禁止するなど、一般的に規制が厳しい傾向があるとされています。
声かけ・撮影に関する注意
UAEの女性に対して不敬な声を掛けるような行為を行った者には、身柄拘束や国外退去といった厳しい処分が科されるとされています。
黒いアラブの民族衣装(アバヤ)をまとった女性に、安易にカメラを向けたり話しかけたりしないよう注意が呼びかけられています。
公共の場での振る舞い・ラマダン中の注意
外国人による駐車中の車内や公共の場所での抱擁やキス、相手を侮辱するしぐさ等が摘発され、裁判で懲役などの実刑判決を受けた事案も発生しているとのことです。前述の通りタクシーの助手席では性的嫌がらせの事例も報告されているため、注意が必要です。
なお、ラマダン(断食月)中は、夜明け前の礼拝の呼びかけ前から日の入りまでの間、人目につく場所での飲食や喫煙を慎むことも求められています。
現地の法律や最新情報をすぐ調べられるよう、通信手段は日本で確保しておくと安心です。eSIMなら到着後すぐ使えます。
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ここまでで判断に必要な材料はそろいました。最後に、渡航前によく寄せられる疑問をまとめて確認しておきましょう。
よくある質問
Q. ドバイは女性一人旅でも大丈夫ですか?
外務省の基礎データでは一般犯罪の明確な統計は公表されていないとした上で、比較的安定した治安と紹介されています。ただし2026年8月現在、UAE全土に危険レベル2(不要不急の渡航は止めてください)が発出中です。SNS詐欺やスリ、女性を対象としたわいせつ事件の報告もあります。
肌の露出を避けた服装を心がけ、公共の場での過度な接触やUAE女性への声かけ・撮影を避けるなど、現地の法律・習慣を踏まえた行動が求められます。
Q. レストランやバー以外でお酒を飲んでも大丈夫ですか?
自宅や許可されたレストラン・バー等の指定場所以外での飲酒・酩酊は違法とされています。ドバイでは酒類購入時に短期滞在者は旅券の提示、在住者は許可証(リカー・パーミット)が必要とされます。
シャルジャ首長国では外国人を含め飲酒自体が禁止されています。飲酒に伴うトラブルで警察に拘束される事案も見られるとのことなので、十分な注意が必要です。
Q. 写真や動画を撮るときに気をつけることはありますか?
軍事施設、経済インフラ施設、橋梁、政府関連の建物、外交団施設、空港内外、イスラム教礼拝所内部、政府高官の私邸などは許可のない撮影が禁止されています。違反者は身柄を拘束される可能性があるとされています。
また相手の承諾を得ない撮影(特にUAE女性を撮影する行為)も厳しい処分の対象となり得るため注意が必要です。
Q. 現地で事件や事故に遭った場合の緊急連絡先は?
外務省の基礎データによれば、緊急連絡先は次のとおりです。
- 警察:999(国内共通)
- 消防:997(国内共通)
- 沿岸警備隊:996(国内共通)
- 救急:998(アブダビ首長国・フジャイラ首長国等)または999(その他の地域)
在ドバイ日本国総領事館の電話番号は(国番号971)-4-2938888です。
Q. SNSへの投稿で注意することはありますか?
外務省の基礎データでは、UAE政府批判やイスラム教の冒涜等、処罰の対象となり得る情報をSNSで発信しないよう注意喚起されています。また、相手の承諾を得ない撮影・投稿自体が違法とされ得る点にも注意が必要です。
疑問が解消できたところで、要点を整理します。
まとめ
ドバイを含むUAEは、外務省の基礎データ上「治安状況は比較的安定している」とされる地域です。一方で2026年6月25日時点で危険レベル2(不要不急の渡航は止めてください)が発出されています。
スリやSNS経由の国際ロマンス詐欺といった実際のトラブル事例も報告されています。さらに飲酒・写真撮影・男女の交際・SNS投稿など、日本では問題にならない行為が犯罪となり得る点が最大の注意点です。
渡航前には外務省 海外安全ホームページで最新情報を確認しましょう。たびレジへの登録や海外旅行保険への加入とあわせて、現地の法律・習慣を尊重した行動を心がけることが重要です。