
サハラ砂漠の国モーリタニアは、鉄鉱石列車や砂漠の世界遺産都市シンゲッティで知られる一方、渡航にあたって治安の確認が欠かせない国です。この記事では、外務省 海外安全ホームページが公開している一次情報(2025年11月20日更新の安全対策基礎データおよび危険情報)をもとに、旅行者が知っておくべき治安の現状を整理しました(記事内容の確認日: 2026年7月14日)。
この記事でわかること
- 外務省が発出している危険レベル(地域によってレベル1〜4)
- 犯罪・ギャング・麻薬・テロの実情(すべて公的情報からの引用)
- 知らないと危ない現地のタブーと、緊急時の連絡先(ブックマーク推奨)
外務省の危険情報 ― 地域によってレベル1〜4
外務省 海外安全ホームページによると、モーリタニアには地域に応じて次の危険情報が発出されています(確認日時点)。
| レベル4 退避勧告 |
マリ及びアルジェリアとの国境地帯全域、西サハラ地域東部との一部国境地帯 |
|---|---|
| レベル3 渡航中止勧告 |
ティリス・ゼムール州の大部分、タガント州、アッサバ州、ホード・エルガルビ州、ホード・エッシャルギ州など内陸東部 |
| レベル2 不要不急の渡航中止 |
西サハラ地域との国境地帯、ブラクナ州、ゴルゴル州、ギディマカ州など |
| レベル1 十分注意 |
首都ヌアクショットを含む上記以外の地域 |
つまり、首都ヌアクショットや大西洋岸の主要エリアはレベル1ですが、マリ・アルジェリア国境側は退避勧告(レベル4)という、地域差の大きい国です。また外務省によると、モーリタニア国防省は国土の東半分の広範な砂漠地域を軍事地帯として立入禁止にしています。危険情報は随時更新されるため、渡航前に必ず外務省 海外安全ホームページ(モーリタニア)で最新のレベルを確認してください。
そもそも治安が悪い国なのか? ― 犯罪・ギャング・麻薬の実情
外務省の安全対策基礎データ(2025年11月20日更新)は、モーリタニアの犯罪情勢について次のように説明しています。
- 犯罪統計が公表されていない: モーリタニア政府は犯罪統計を公表しておらず、犯罪情勢の正確な把握は困難とされています。
- 都市部で犯罪が増加傾向: これまで比較的治安が良いとされてきた首都ヌアクショット等の都市中心部でも、武装強盗・窃盗・暴行が大幅に増加しており、金銭目的の強盗殺人も発生していると報告されています。
- 日本人・外国人の被害: 2023年には日本人被害の犯罪が1件(事後強盗未遂)発生。ヌアクショット中心部では欧米人を狙った強盗、バイクを使ったひったくり、空き巣等も報告されています。外国人は人目を引きやすく、スリ・置き引き・ひったくりの標的になりやすいとされています。
- 犯罪組織・麻薬: 治安機関が犯罪者グループの摘発に力を入れており、違法薬物や銃器が押収された事例があると公表されています。日本でイメージされる「ギャングが街を支配している」という状況の記述はありませんが、組織的な犯罪グループの存在は当局の摘発事例から確認できます。
- 時期・場所による注意: 断食明け祭や犠牲祭等の祝祭日前には窃盗などが増加する傾向。ヌアクショットのビーチでは性犯罪の発生が報告されており、夕方以降や女性だけでの利用は控えるよう呼びかけられています。
テロや紛争は起きている?
外務省の危険情報によると、マリ及びアルジェリアとの国境地帯では武装集団、密輸業者、テロリストの活動が活性化しており、テロ・誘拐事件等に巻き込まれる可能性が指摘されています。マリとの国境地帯ではマリ国軍・トゥアレグ武装勢力・イスラム過激派による衝突が継続しています。
また、2025年には西サハラ独立派組織「ポリサリオ戦線」の部隊がモーリタニア領内に不法侵入し、モロッコへのロケット攻撃を行う事件が発生したことも外務省が公表しています。観光の中心となる首都圏と、国境地帯ではリスクがまったく異なることを押さえておきましょう。
旅行者が守るべき防犯の基本(外務省の防犯対策より)
- 多額の現金や貴重品を持ち歩かない。バッグは体から離さず、市場など混雑した場所では特に注意する
- 過度に目立つ行動や服装を避け、見知らぬ相手に滞在先や旅行日程を教えない
- 夜間の一人歩きは避ける。昼間でも人通りの少ない道は通らない
- バイクによるひったくり対策として、通りを歩くときは車道からできるだけ離れる
- ビーチの利用は日中に。夕方以降・女性だけでの利用は控える
知らないと危ない現地ルール・タブー
モーリタニアは厳格なイスラム教国であり、日本の感覚のままでは思わぬトラブルになる決まりがあります(いずれも外務省の公開情報より)。
- 酒類は持ち込み・販売とも禁止。持ち込みが見つかると没収に加え罰金が科されることがあります
- 麻薬は密輸・所持・売買・使用の一切が禁止
- 警察・空港・軍などの政府関係施設の写真撮影は禁止
- モスクへの非イスラム教徒の立ち入りは基本的に禁止。外からの撮影も許可が必要
- 金曜日は集団礼拝の日。デモや政治的集会が行われることがあり、宗教施設周辺には不用意に近づかない
- 現地通貨ウギアの国外持ち出しは禁止
- ビザは2025年1月から事前のオンライン電子申請制に変更。発給まで数週間かかった例もあるため早めの申請が必要です(手数料は到着時に現金払い・釣り銭なし)
緊急時の連絡先(ブックマーク推奨)
万一に備えて、渡航前にこのページや外務省ページを保存しておくことをおすすめします。
| 警察(国内共通) | 117 |
|---|---|
| 消防(国内共通) | 118 |
| 憲兵隊(都市部以外) | 116 |
| 在モーリタニア日本国大使館 | 電話 4525-0977(国外からは +222-4525-0977)/領事担当 4600-1717 住所: Lots 861, 862 and 520 Ilot E Nord, Tevragh Zeina, B.P. 7810 Nouakchott 大使館公式サイト |
短期渡航でも外務省の「たびレジ」に登録しておくと、現地の最新安全情報や緊急時の連絡をメールで受け取れます。
まとめ
モーリタニアは「国全体が危険」でも「どこでも安全」でもなく、首都圏(レベル1)と国境地帯(レベル4)で状況が大きく異なる国です。都市部でも犯罪の増加が公的に報告されているため、基本の防犯を徹底し、酒類・撮影・宗教関連のタブーを守ることが安全な旅の前提になります。
出典: 外務省 海外安全ホームページ「モーリタニア」(危険情報・安全対策基礎データ、2025年11月20日更新)。本記事は2026年7月14日時点の同ページの内容に基づいています。危険情報・現地制度は変更されることがあるため、渡航前に必ず一次情報をご確認ください。健康・感染症情報は厚生労働省検疫所FORTHもあわせて参照を。