「高山病」と聞くと、エベレストやK2のような本格的な登山を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際には、普通の海外旅行で訪れる観光都市でも症状が出ることがあると言われています。コロンビアの首都ボゴタや、世界的な観光地であるペルーのクスコは、いずれも標高2,000〜3,000m台に位置する「ごく普通の観光目的地」です。行き先の標高を事前に知っておくことは、旅の準備のひとつと言えそうです。
この記事では、worldcues.xyzでこれまでに紹介してきた高山病に関わる観光地・登山エリアを、標高が低い順にまとめました。なお、症状の出方には個人差があると言われています。持病がある方や体調に不安がある方は、渡航前にかかりつけ医や渡航外来などに相談することをおすすめします。
観光都市編
まずは、登山ではなく通常の観光として訪れる都市を、標高の低い順に紹介します。空港やホテルが市街地とほぼ同じ高さにあるため、到着した瞬間から高地に身を置くことになる点が共通しています。
ボゴタ(コロンビア/標高約2,640m)
ボゴタはコロンビアの首都で、標高は約2,640m、富士山の7合目とほぼ同じ高さに広がる大都市です。旧市街のカンデラリア地区や黄金博物館など、観光地としての知名度も高いエリアです。元記事では、到着後に強い頭痛や吐き気を覚えたという記述が紹介されており、到着24時間前からアルコールを控えて水分を摂ること、到着初日はゆっくり過ごすことが勧められているようです。
▶詳しくは:ボゴタ観光と高山病|標高2,640mの南米パリで気をつけたいこと
クスコ(ペルー/標高約3,400m)
クスコはマチュピチュ観光の拠点としても知られる、ペルーを代表する観光地です。標高は約3,400mで、マチュピチュ自体は約2,430mとクスコより低いとされています。元記事では、到着した日からアクティブに動くのではなく、ホテルで体を休める時間を長めに取る旅行者が多いと紹介されています。水分をこまめに摂りアルコールは控えめに、食事も軽めにとどめることが勧められているようです。
▶詳しくは:クスコ観光は高山病対策が必須|標高3,400mの街へ行く前の準備と持ち物
ラパス(ボリビア/市街地約3,600m)
ボリビアの首都機能が置かれるラパスは、標高約3,600mの「坂の街」です。玄関口となるエル・アルト国際空港はさらに高く4,000mを超えており、飛行機を降りた時点で富士山の頂上(約3,776m)を超える高度に立つことになると紹介されています。近郊の観光地であるウユニ塩湖も標高約3,700mとされ、あわせて注意が必要です。元記事では、到着日はホテルで無理をせず休むこと、坂道が多いため普段よりペースを落として行動することが挙げられています。少しでも不安を感じたら早めに宿泊先スタッフやツアー会社に相談することも勧められています。
▶詳しくは:ラパス観光は高山病リスクが世界最高クラス|標高3,600mの首都へ行く前の準備
トレッキング・登山編
ここからは、観光の延長として気軽に行ける場所ではないエリアです。標高8,000m級の山を目指す登山と、その麓を歩くトレッキングとでは前提となる装備も知識も異なると言われています。標高順に紹介します。
アンナプルナ(ネパール/アンナプルナI峰8,091m)
アンナプルナI峰の標高は8,091mで、頂上を目指す登山は低酸素や雪崩、氷河、悪天候など専門的なリスクを伴うとされています。一方でベースキャンプ周辺までのトレッキングは3,000〜4,000m台の高度を歩くもので、一般観光の延長として人気があると紹介されています。ただし元記事では「高山病は体力があるから大丈夫というものではない」とされ、標高が上がるにつれて頭痛や吐き気、だるさなどが出ることがあると説明されています。急な高度上昇がリスクを高めるため、ゆっくり高度を上げること、症状が出たら無理に上がらないことが重要だとされ、最高到達高度や休息日の有無、体調不良時に下山できる行程かを事前に確認することが勧められています。
▶詳しくは:アンナプルナの登山とトレッキングの違い・高山病対策
マナスル(ネパール/標高8,163m)
マナスルは世界第8位の高峰で、標高は8,163m、ベースキャンプの標高も4,800mに達すると紹介されています。元記事では、標高7,000m付近で予測が難しい雪崩が発生しやすいこと、死亡率がエベレストを大きく上回る山として知られていることが挙げられています。強風によって体感温度が実際の気温よりはるかに低くなり、防寒対策をしていても手指の感覚を失いかける場面があったという記述もあり、観光の延長で立ち寄れる場所ではなく、専門的な準備を要する登山として位置づけられています。
▶詳しくは:マナスル登山|世界第8位の山と「雪崩の女神」
K2(パキスタン/標高8,611m)
K2は世界第2位の高峰で、標高は8,611m、パキスタンと中国の国境付近に位置しています。元記事によると、登頂成功率はエベレストの約半分とされ、酸素濃度は地上の3分の1以下、気温はマイナス40度を下回ることもあると紹介されています。標高8,200m付近にある「ボトルネック」と呼ばれる難所は幅数メートルの岩の隙間で、その上に氷河が不安定に張り出しているとされ、登山シーズンも7月から8月のわずか2ヶ月間に限られると説明されています。専門的な訓練と長期の準備を前提とした登山として紹介されています。
▶詳しくは:K2登山|「世界で最も危険な山」と言われる理由
共通する行く前の準備
標高も性格も異なる6つのエリアですが、各記事で共通して挙げられている準備のポイントは似ています。
- 到着日はゆっくり過ごす:予定を詰め込まず、ホテルで体を休める時間を長めに取ることが勧められています。
- 水分補給を意識し、アルコールは控えめに:こまめな水分摂取とアルコールを控えることが共通して挙げられています。
- 食事は軽めに:脂っこい食事や食べ過ぎを避け、消化に負担をかけない量にとどめることが勧められています。
- 移動計画に余裕を持たせる:体調が万全でない場合に備え、旅程を詰め込みすぎないことが勧められています。
- 不安があれば渡航前に医師へ相談する:持病のある方や高地での体調に不安がある方は、かかりつけ医や渡航外来などに事前相談することが勧められています。
登山を伴うエリアでは、海外旅行保険の内容確認も欠かせないポイントとして挙げられています。山岳地帯での救助やヘリ搬送が補償対象外になっている保険もあるとされ、加入前の確認が勧められています。渡航前の情報収集には、外務省の海外安全ホームページや、厚生労働省検疫所のFORTHもあわせて確認しておくとよさそうです。
まとめ
高山病は、本格的な登山だけでなく、ボゴタやクスコ、ラパスのような「普通に観光で訪れる都市」でも起こり得るとされています。行き先の標高を知っておくことが、旅の準備の第一歩と言えそうです。なお、症状の感じ方には個人差があると言われています。持病や不安のある方は、渡航前にかかりつけ医などへの相談をおすすめします。
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