パレンケ遺跡で迷子になった私が教える「ジャングルピラミッド攻略法」

なぜパレンケで道に迷ったのか?遺跡の意外な落とし穴

パレンケ遺跡の全景

メキシコのチアパス州にあるパレンケ遺跡を甘く見ていました。「どうせ観光地でしょ?」なんて思っていたら、本格的なジャングルの中で完全に方向感覚を失ってしまったんです。パレンケ遺跡は単なる石の建物ではありません。熱帯雨林に包まれた約15平方キロメートルの広大な古代都市なのです。

入場料は85ペソ(約600円)と手頃ですが、朝8時から夕方5時までの開園時間をフルに使っても回り切れないほどの規模です。最寄りのパレンケタウンから車で約10分の場所にありますが、この「たった10分」が大きな誤算でした。

碑文の神殿で感じた古代マヤ文明の凄さとは?

碑文の神殿の石段

遺跡のメインスポットは何と言っても碑文の神殿(テンプロ・デ・ラス・インスクリプシオネス)です。高さ約24メートルの階段ピラミッドで、7世紀に建てられました。しかし、ここで多くの観光客が知らない事実があります。

実は、この神殿の地下にはパカル王の石棺が眠っているのですが、現在は保護のため一般公開されていません。代わりに、隣接する博物館で精巧なレプリカを見ることができます。石段を上るのは体力的にかなりきついですが、頂上からの眺めは格別。ジャングルの緑の海に浮かぶ古代都市の全貌が一望できます。

宮殿の塔から見えた幻想的な景色

宮殿の塔と回廊

碑文の神殿と並んで必見なのが宮殿(パラシオ)です。特に4階建ての塔は、古代マヤ建築では珍しい構造物。ここで驚いたのが、塔の窓から見える景色でした。冬至の日には、塔から見て太陽が碑文の神殿の真上に沈むように設計されているんです。

宮殿の中庭には、精巧なレリーフが施された回廊があります。マヤ文字で書かれた碑文は、当時の政治的な出来事や王族の系譜を物語っています。特に印象的だったのが、王が臣下に謁見を与える場面を描いたレリーフ。1300年前の人々の表情が、まるで昨日彫られたかのように鮮明に残っているんです。

ジャングル散策で遭遇した野生動物たち

ジャングルに囲まれた遺跡群

パレンケの魅力は建造物だけではありません。遺跡全体がラカンドン熱帯雨林の中にあるため、野生動物との出会いも楽しみの一つです。私が遭遇したのは、色鮮やかなトゥカンという鳥、そして小さなハナグマの群れでした。

特に早朝(開園直後の8時頃)は、動物たちの活動が活発で、ホエザルの鳴き声がジャングル全体に響き渡ります。この声、想像以上に大きくて最初はかなりびっくりしました。また、遺跡の奥にある滝(カスカーダ・モティエパ)まで歩けば、川で水浴びをするイグアナに出会えることもあります。

現地で学んだ賢い回り方と注意点

遺跡内の散策路

迷子になった経験から学んだ、効率的な見学ルートをお教えします。まず入口から入って右手に進み、碑文の神殿→宮殿→十字の神殿群→太陽の神殿の順番で回るのがベストです。この順路なら、体力的にも無理がありません。

服装については、長袖長ズボンは必須です。ジャングルには蚊や小さな虫がたくさんいるため、虫除けスプレーも持参しましょう。また、歩きやすいスニーカーは絶対条件。石畳は意外に滑りやすく、サンダルでは危険です。

飲み物は入口付近でしか購入できないため、多めの水分補給用品を持参することをおすすめします。特に乾季(11月〜4月)でも湿度が高く、思った以上に汗をかきます。

見学には最低でも3〜4時間は必要です。パレンケタウンからはコレクティーボ(乗り合いバス)で片道約20ペソ、タクシーなら往復で約300ペソが相場です。朝一番で到着し、午後の暑い時間帯を避けるスケジュールが理想的ですね。