カリ観光で絶対に避けるべき5つの罠と、地元民だけが知る本当の楽しみ方

カリの観光地図に載らない、本当の魅力って何?

コロンビアのカリ(Cali)は、多くの旅行者がサルサダンスの本場として訪れる都市ですが、実はガイドブックには載らない落とし穴と隠れた魅力が山ほどあります。私が3度のカリ訪問で学んだ、観光客が必ず陥る失敗と、地元の人しか知らない本物の体験をお話しします。

バジェ・デル・カウカ州の州都であるカリは、人口約240万人のコロンビア第3の都市。ボゴタからは飛行機で約1時間15分、陸路なら約8時間の距離にあります。

絶対に避けたい観光の罠、知ってますか?

罠1:サンアントニオ地区の夜間散策

多くのガイドブックで「歴史的な美しい街並み」として紹介されるサンアントニオ地区ですが、日没後の一人歩きは絶対に避けてください。昼間は確かに美しいコロニアル建築が楽しめますが、夜になると人通りが激減し、観光客を狙った犯罪が急増します。

地元の友人によると、観光客の強盗被害の約6割がこのエリアで発生しているとのこと。午後6時以降は必ずタクシーを利用し、できれば複数人で行動することをお勧めします。

罠2:偽サルサ教室に要注意

カリでサルサを習いたい気持ちはよく分かりますが、観光客向けの高額な「即席サルサ教室」は避けましょう。1時間50ドル以上の料金を請求する教室の多くは、基本ステップを数回教えるだけの内容です。

本物を体験したいなら、Escuela de Salsa Swing Latino(月~金曜 午後7時~9時、1レッスン約15ドル)やAcademia de Baile Salsa y Cumbiaで地元の人たちと一緒に学ぶのが断然おすすめです。

地元民が教えてくれた、本当のカリの楽しみ方

朝6時のガジェリア広場、行ったことありますか?

観光客のほとんどが知らない秘密の時間帯があります。それがガジェリア広場の早朝6時です。この時間になると、地元のおばあちゃんたちが手作りのエンパナーダ・バジェカウカーナ(1個約800ペソ)を売り始めます。

このエンパナーダは、一般的なコロンビアのエンパナーダとは全く違い、中にはチーズとプランテーンが入っていて、外側は米粉で作られています。カリ以外では絶対に食べられない、まさに幻のB級グルメです。

クリスト・レイの本当の見どころは夕日じゃない?

クリスト・レイ(Cristo Rey)は確かにカリ市内を一望できる有名観光地ですが、みんなが夕日を見に行く午後6時頃ではなく、午前9時頃に行くことを強くお勧めします。

なぜなら、この時間帯だけカウカ川の河口まで見渡せる透明度の高い景色が楽しめるから。午後になると大気の熱気で霞んでしまい、せっかくの絶景が台無しになります。入場料は無料、市内からタクシーで約20分です。

絶対に食べるべき隠れグルメ、知ってる?

チョンタドゥーロの正しい食べ方

カリの街角至る所で売られているチョンタドゥーロ(Chontaduro)というオレンジ色の果物。多くの観光客が「まずい」と言って諦めてしまいますが、実は食べ方が間違っているんです。

正解は塩と蜂蜜を両方かけること。地元の人は必ずこの組み合わせで食べます(1個約1500ペソ)。最初は塩辛く感じますが、後から蜂蜜の甘さが口の中に広がって、病みつきになる味わいです。

コレヒメント・ラ・ボケリーアの隠れた名店

カリ郊外のコレヒメント・ラ・ボケリーア地区にある「ドニャ・マルタの家」(正式店名はありません)では、50年間同じレシピで作られるサンコチョ・デ・ガジーナが味わえます。

このスープは鶏肉、ユッカ、プランテーン、トウモロコシが入った伝統料理ですが、ドニャ・マルタのレシピには秘密の香草が3種類使われており、カリの他の店では絶対に味わえない深いコクがあります。1杯約18000ペソ、日曜日のみ営業で午前11時頃には売り切れることも。

移動と安全対策、これだけは知っておいて

MIO(ミオ)バスシステムの使い方

カリ市内の移動にはMIOバスシステムが便利です。料金は1回2600ペソ(約70円)で、空港から市内中心部まで約45分。ただし、朝7時~8時30分と午後5時~7時の通勤ラッシュ時は避けましょう。車内が非常に混雑し、スリの被害も増加します。

安全に移動したい場合は、Uberが最も信頼できます。空港から市内中心部まで約25000ペソ(約700円)、所要時間約30分です。

意外と知られていない治安情報

カリで最も安全な時間帯は、実は午前10時~午後2時です。この時間帯は地元の人々の活動が最も活発で、自然と人の目が多くなるため犯罪率が最低になります。

逆に危険なのは午後8時以降の繁華街。特にソナ・ロサ地区は観光客が多いため安全だと思われがちですが、実は酔っ払いを狙った犯罪が多発しています。

カリでしか体験できない特別な瞬間って?

ペニャ・サルセラの本物を体験する

毎週木曜日の夜、バリオ・サンニコラスの住宅街で開催されるペニャ・サルセラは、観光客向けではない本物のサルサ文化を体験できる貴重な機会です。入場料はたったの8000ペソ(約220円)。

ここでは3世代にわたる家族が一緒にサルサを踊り、おばあちゃんが孫に踊りを教える光景を目の当たりにできます。私が見た中で最も感動的だったのは、車椅子の男性が上半身だけで踊るサルサ。会場全体が温かい拍手に包まれました。

カウカ川沿いの隠れスポット

マレコン・デル・リオ・カウカ沿いにある小さな釣り場では、地元の漁師たちと一緒にボカチコという川魚釣りが体験できます(道具レンタル込み1日約15000ペソ)。

釣った魚はその場で調理してもらえ、コリアンダーとライムを使った伝統的な調理法で味わえます。都市部にいながら、まるで田舎の川辺にいるような静寂な時間を過ごせる、カリの隠れた癒しスポットです。

最後に知っておきたい実用情報

お金と両替の現実

カリでは現金が必要な場面が多く、クレジットカードが使えない店舗も珍しくありません。バンコ・デ・ボゴタバンコロンビアのATMが最も安全で、手数料も比較的安いです(1回の引き出しで約6000ペソの手数料)。

空港の両替所はレートが非常に悪いので、市内のカサ・デ・カンビオを利用しましょう。特にカンビオス・プラサ・カイセドは地元の人も利用する信頼できる両替所です。

帰国前に絶対買うべきお土産

カフェ・デ・カウカ(Café del Cauca)のコーヒー豆は、カリでしか手に入らない特別な品種。標高1800メートルの高地で栽培された豆で、酸味と甘みのバランスが絶妙です。500グラムで約25000ペソ。

もう一つのおすすめはアレキペ・デ・カリ。これはキャラメルのような伝統菓子ですが、カリ版は他の地域と製法が異なり、ココナッツが練り込まれています。日本では絶対に手に入らない味で、日持ちも良いため理想的なお土産です。

カリ観光は確かにリスクもありますが、正しい知識と準備があれば、コロンビアの最も魅力的な文化に触れることができる素晴らしい体験になります。何より大切なのは、地元の人々との自然な交流を楽しむこと。きっと一生忘れられない思い出になるはずです。