「アメリカ第三の都市」として名高いシカゴ。でも実際に訪れてみると、ガイドブックには載っていない落とし穴がいくつもありました。今回は私が実際に体験した失敗談と、偶然見つけた隠れた魅力をお伝えします。初めてのシカゴ旅行で後悔しないために、ぜひ最後まで読んでみてください。
ダウンタウンの治安、本当のところは?
シカゴと聞くと「治安が悪い」というイメージを持つ方も多いでしょう。確かに一部の地域では注意が必要ですが、観光客が訪れるループ地区(ダウンタウン)は意外にも安全です。平日の昼間なら、普通に歩いて問題ありません。
ただし、私が犯した大きな失敗がひとつ。夜10時過ぎに一人でミシガン湖畔を散歩したことです。人通りが急に少なくなり、不安になってタクシーで急いでホテルに戻りました。日没後の湖畔エリアは避けるというのが鉄則です。
逆に、昼間のループ地区は活気があって楽しいもの。特にラッシュアワー(午前7時~9時、午後5時~7時)の時間帯は通勤客で賑わい、むしろ安心感があります。
建築ツアーって本当に面白いの?
正直言うと、私は建築にそれほど興味がありませんでした。でも「せっかくシカゴに来たのだから」と思い、シカゴ建築財団の川沿いツアーに参加してみたんです。これが予想以上に面白かった!
ツアーは約90分間、シカゴ川をボートで周りながら両岸の建築物について解説してもらえます。料金は1人あたり約50ドル(季節によって変動)。5月から10月までの期間限定で、1日に複数回運行されています。
特に驚いたのは、トランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワーの建設秘話。実は当初の設計では今より30メートル高い予定だったのですが、9.11テロの影響で高さを変更したという裏話を聞けました。こういった生の情報は、ガイドブックでは絶対に知ることができません。
予約時の注意点
人気ツアーなので、特に週末は事前予約が必須です。私は現地で申し込もうとして満席で断られ、翌日まで待つはめになりました。公式サイトから最低でも2日前までに予約することをお勧めします。
ディープディッシュピザの罠にハマった話
シカゴ名物といえばディープディッシュピザ。厚い生地にたっぷりのチーズとソースが特徴的な、まるでパイのようなピザです。有名店のルー・マルナティーズ(Lou Malnati’s)に行ってきました。
場所はダウンタウンから徒歩約15分。注文してから出来上がりまでなんと45分!普通のピザの感覚で行くと、かなり待たされます。しかも1切れでお腹いっぱいになってしまい、Mサイズ(約30ドル)を2人で食べきれませんでした。
でも味は確かに絶品。チーズがとろとろで、トマトソースの酸味が効いています。ただし、これは「ピザ」というより「チーズとトマトソースのパイ」と考えた方が良いでしょう。
意外な発見:シカゴ風ホットドッグ
実は地元の人たちは、観光客ほどディープディッシュピザを食べません。むしろシカゴ風ホットドッグの方が日常的です。黄色いマスタード、刻み玉ねぎ、トマト、ピクルス、セロリソルト、スポーツペッパーがトッピングされたホットドッグで、絶対にケチャップをかけてはいけないという暗黙のルールがあります。
ミレニアムパークで起きた予想外の出来事
シカゴ観光のハイライトといえば、ミレニアムパークのクラウドゲート(通称「豆」)。鏡面仕上げのステンレス製オブジェで、シカゴのスカイラインが美しく映り込みます。
私が訪れたのは平日の午前中でしたが、それでも写真撮影の順番待ちが発生していました。特に「豆」の真下で自撮りをしたい場合は、10分ほど待つ覚悟が必要です。混雑を避けたいなら、開園直後の午前8時頃がおすすめ。
そこで偶然出会ったのが、地元のストリートミュージシャンでした。クラシックギターで演奏していた曲がとても美しく、思わず足を止めて聞き入ってしまいました。彼に話を聞くと、なんと元シカゴ交響楽団のメンバーだったとのこと。引退後は「音楽をより身近に感じてもらいたい」との思いで、週3回ここで演奏しているそうです。
こういった予期せぬ出会いも、シカゴ観光の醍醐味のひとつ。時間に余裕を持って散策することをお勧めします。
リバーウォークの隠れた魅力を発見
シカゴ川沿いに整備されたシカゴ・リバーウォークは、地元の人たちの憩いの場。全長約2キロメートルの遊歩道で、無料で楽しめるのが魅力です。
特におすすめなのが、シティ・ワイナリー近くのエリア。ここには「ファウンテン」という噴水広場があり、夏場は子供たちが水遊びを楽しんでいます。その光景を見ていると、観光地としてのシカゴではなく、人々が実際に生活している街としてのシカゴを感じることができました。
カヤックレンタルという選択肢
リバーウォークでは、なんとカヤックレンタルも可能です(5月~10月、1時間約35ドル)。シカゴ川を水上から眺める体験は、陸上からとは全く違った景色を楽しめます。ただし、事前に安全講習を受ける必要があるため、時間に余裕がある日に計画することをお勧めします。
交通手段で失敗しないコツ
シカゴの公共交通機関「CTA」は、観光客にとって非常に便利です。地下鉄とバスを組み合わせれば、主要観光地はほぼ全てアクセス可能。1日乗車券は25ドルで、3回以上乗れば元が取れる計算です。
ただし、私が犯した失敗がひとつ。オヘア国際空港からダウンタウンへの移動で、タクシーを使ってしまったことです。料金は約60ドルかかりましたが、実はブルーラインという地下鉄なら5ドルで行けるんです。所要時間も大差なく(タクシー約45分、地下鉄約50分)、完全に情報不足でした。
意外な盲点:チップ文化
アメリカ旅行で避けて通れないのがチップ。レストランでは15~20%が相場ですが、シカゴで意外だったのはホテルのハウスキーピングにもチップが必要だったこと。1泊あたり2~5ドル程度をベッドサイドに置いておくのがマナーです。
最後に:シカゴの本当の魅力とは?
3日間のシカゴ滞在を通して感じたのは、この街の「等身大の魅力」です。ニューヨークのような華やかさはありませんが、その分親しみやすく、人々もフレンドリー。道に迷って困っていると、見知らぬ人が声をかけてくれることも何度かありました。
特に印象的だったのは、最終日の朝にホテル近くのカフェで出会った地元のおじいさん。毎朝同じ時間に同じ席でコーヒーを飲むのが日課だそうで、「シカゴはゆっくりと時間が流れる街なんだ」と教えてくれました。その言葉通り、慌ただしい観光スケジュールの中でも、どこかほっとする瞬間がたくさんありました。
シカゴ観光を計画している方は、ぜひ時間に余裕を持って訪れてください。きっと予想以上の発見と出会いが待っているはずです。