ハバナって本当に安全?現地で体感した治安のリアル
キューバの首都ハバナを初めて訪れたとき、正直なところ「治安は大丈夫かな?」という不安がありました。でも実際に歩いてみると、想像していたよりもずっと穏やかで、地元の人たちも親切でした。
オールドハバナ(ハバナ・ビエハ)は観光警察が頻繁にパトロールしており、昼間なら女性一人でも歩けるレベルです。ただし、夜になると人通りが少なくなるエリアもあるので、日没後は人通りの多いメイン通りを選んで歩くことをおすすめします。
意外だったのは、地元の人たちが観光客に対してとても協力的だったこと。道に迷ったときも、片言のスペイン語でも一生懸命理解しようとしてくれて、目的地まで一緒に歩いてくれる人もいました。
絶対に避けたい失敗その1:両替で大損する罠
これは本当に重要です。ハバナでは公式の両替所(CADECA)以外で両替するのは絶対にNGです。街角で「チェンジマネー」と声をかけてくる人がいますが、偽札を掴まされるリスクが高いんです。
公式両替所は平日9時から17時まで営業していて、パスポートの提示が必要です。手数料は約3%かかりますが、安全性を考えれば必要経費です。
世界遺産オールドハバナの歩き方、教えます
1982年に世界遺産に登録されたオールドハバナは、まさにハバナ観光のハイライト。石畳の道を歩いていると、まるで16世紀にタイムスリップしたような感覚になります。
カテドラル広場から始めて、アルマス広場、ビエハ広場、サンフランシスコ広場の順番で回ると効率的です。各広場間は徒歩5-10分程度で、全体を回るのに半日あれば十分です。
マニア向け情報:隠れた撮影スポット「カメラ・オブスクーラ」
ここからがマニアックな話です。オールドハバナには「カメラ・オブスクーラ」という展望台があるんですが、これが観光ガイドブックにはほとんど載っていません。
場所はメルカデレス通り(Calle Mercaderes)の小さなビル最上階。入場料は1CUC(約100円)で、巨大なレンズを通してハバナの街並みを360度見渡せます。特に午後の西日が差し込む時間帯(16-17時頃)は、建物の影が美しいコントラストを作り出して絶景です。
クラシックカーのタクシー体験、料金交渉のコツは?
ハバナといえば、1950年代のアメリカ車が現役で走っている光景が有名ですよね。これらのクラシックカーをタクシーとして利用できるんです。
料金の相場は1時間あたり25-30CUC(約2500-3000円)。最初はもっと高い金額を言われることが多いので、必ず交渉してください。「オトロ・カロ(Otro carro)」と言いながら他の車に向かうそぶりを見せると、だいたい適正価格まで下がります。
絶対に避けたい失敗その2:メーター無しのタクシーに乗る
クラシックカーは観光用なので問題ないのですが、普通のタクシーでメーターが動いていない車は避けてください。法外な料金を請求される可能性があります。正規のタクシーは黄色いナンバープレートで、メーターがちゃんと作動します。
本場のモヒートとキューバ料理、どこで食べるのが正解?
キューバといえばモヒート発祥の地。でも観光地のバーで飲むモヒートは、正直言って期待外れなことが多いんです。
本当に美味しいモヒートを飲みたいなら、地元の人が通う小さなバーを探してください。オールドハバナから少し外れた住宅街にある「La Bodeguita del Medio」の向かい側の小さなバーでは、観光地の半額(3CUC程度)で本格的なモヒートが飲めます。
現地で絶対食べたいキューバ料理
キューバ料理で外せないのは「ロパ・ビエハ」(牛肉の細切り煮込み)と「コングリ」(豆ご飯)。地元の家庭料理を味わいたいなら、政府公認の民宿「カサ・パルティクラール」で食事付きプランを選ぶのがおすすめです。
1食8-12CUC程度で、ホテルでは味わえない家庭的な温かいキューバ料理を楽しめます。
ハバナでしか聞けない生のラテン音楽、穴場ライブスポット
ハバナの夜といえば音楽。でも有名な「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は観光客向けで、正直なところ少し演出的すぎます。
本当にキューバ音楽の魂を感じたいなら、「Casa de la Música de Miramar」がおすすめです。ここは地元のミュージシャンたちが平日の夜(20時頃から)に集まって、即興でセッションを始める場所。入場料は5CUCと安く、観光客はほとんどいません。
マニア情報:日曜日の隠れたストリートライブ
さらにマニアックなのが、毎週日曜日の午後にカジェ・23通りで行われる自然発生的なストリートライブ。正式なイベントではないので、ガイドブックには載っていません。地元の若者たちがギターやボンゴを持ち寄って、路上で音楽を奏でるんです。
15時頃から日没まで続くことが多く、完全無料。本当のハバナ市民の日常を垣間見ることができる貴重な体験です。
ハバナ観光での現金管理と移動手段の実際
絶対に避けたい失敗その3:現金不足で困る
これが一番深刻な失敗です。キューバではクレジットカードがほとんど使えません。特にアメリカ系のクレジットカード(VISA、Mastercard)は完全にNG。現金での支払いが基本です。
必要な現金の目安は、1日あたり50-70CUC程度。食事代、交通費、お土産代を含めてこの金額があれば安心です。ただし、高額紙幣(50CUC札)は小さな店で嫌がられることがあるので、20CUC札以下で両替してもらいましょう。
移動手段の使い分け術
ハバナ市内の移動には複数の選択肢があります。ココタクシー(黄色い三輪車タクシー)は短距離(1-3km)で5-8CUC、正規タクシーは長距離で便利です。
意外と知られていないのが「アルメンドロン」という乗り合いタクシー。決められたルートを走る大型の古いアメリカ車で、料金は1CUC以下と格安。地元の人と一緒に乗るので、ちょっとしたコミュニケーションも楽しめます。
お土産選びで後悔しないために
キューバのお土産といえば葉巻とラムが定番ですが、偽物も多く出回っています。
葉巻は必ず政府公認の専門店で購入してください。「コイーバ」「モンテクリスト」などの有名ブランドの偽物が路上で安く売られていますが、品質は最悪です。本物は1本15-50CUC程度しますが、その価値は十分にあります。
ラムは「ハバナクラブ」の7年物が特におすすめ。空港の免税店でも買えますが、街中の酒屋の方が種類が豊富で価格も安いです。
意外な掘り出し物:革製品とコーヒー豆
あまり知られていませんが、キューバの手作り革製品は質が高くて安いんです。オールドハバナの職人街で作られる革のバッグや財布は、10-25CUC程度で本格的なものが手に入ります。
また、キューバ産のコーヒー豆も隠れた名品。シエラマエストラ山脈で栽培された豆は、酸味と甘みのバランスが絶妙です。1袋(500g)8-12CUC程度で、日本では入手困難な貴重な豆です。
ハバナを去る前に感じたこと
3日間のハバナ滞在を終えて空港に向かうとき、不思議な感覚がありました。確かに不便なことは多かったけれど、それを補って余りある人々の温かさと、時間がゆっくり流れる心地よさを感じられたからです。
ホセ・マルティ国際空港までは市内から約30分、タクシー代は25-30CUC程度。出発の2時間前には空港に到着することをおすすめします。
ハバナは確かに他の観光地とは違います。完璧なサービスを求める人には向かないかもしれません。でも、本物の文化と歴史に触れたい、地元の人との心の交流を大切にしたい人には、きっと忘れられない体験を与えてくれる街だと思います。