プーノ観光で絶対やってはいけない高山病の落とし穴と現地人しか知らない絶景スポット

標高3812mの街で起きた想像以上の試練とは?

ペルーの南東部、ティティカカ湖のほとりにあるプーノ。この街を甘く見ていた私は、到着早々に高山病で動けなくなってしまいました。富士山より高い場所にある観光地なんて、世界中探してもそうそうありません。

プーノはクスコから夜行バスで約7時間、リマからは飛行機でフリアカ空港まで1時間半、そこからバスで約1時間の場所にあります。多くの観光客がマチュピチュへの中継地として訪れますが、実はこの街こそペルーの隠れた宝石なのです。

到着初日に倒れた私が学んだ高山病対策

プーノに着いた瞬間、頭がクラクラして息切れが止まりません。現地の人に教えてもらったのがコカ茶です。ホテルのロビーには必ず置いてあり、1日に何杯でも飲んで構いません。苦味はほとんどなく、むしろ爽やかな味わいです。

また、到着日は絶対に無理をしてはいけません。観光は翌日以降に回し、まずは体を慣らすことが最優先。アルコールは厳禁で、水分補給を心がけましょう。プーノの街中には薬局が点在しており、高山病薬も手に入りますが、できれば事前準備が理想的です。

現地人が教えてくれた本当のプーノの魅力

観光ガイドブックには載っていない、プーノの真の姿をお教えします。多くの旅行者が見逃している絶景スポットや、地元民だけが知る特別な場所があるのです。

ウロス島だけじゃない?知られざる浮島の秘密

ウロス島はプーノ観光のハイライトですが、実は42の浮島からなる島群で、観光客が訪れるのはそのうちの数島だけ。トトラという葦でできた人工島は、定期的に新しい葦を重ねて補修する必要があり、島民たちの生活は想像以上に大変です。

ボートツアーは港から約30分、料金は往復で約15ソル(約600円)です。朝8時頃から午後4時頃まで複数便が出ており、所要時間は約2時間。しかし、現地ガイドが教えてくれたのは、タキーレ島との組み合わせツアーがお得だということ。1日で両方回れて約35ソル(約1400円)です。

タキーレ島で出会った編み物をする男性たち

タキーレ島で最も驚いたのは、男性が編み物をしている光景でした。ここでは男性がニット帽を編み、女性が織物を作るという、世界でも珍しい文化があります。男性の編み物技術は世界的にも評価が高く、2005年にはユネスコの無形文化遺産に登録されています。

島の人口は約2000人で、車は一台もありません。石段を登って島の頂上まで行くと、ティティカカ湖の360度パノラマが楽しめます。ただし、標高が約4000mあるため、ゆっくりと登ることが大切です。

プーノでしか味わえない絶品グルメの世界

高地ならではの食材を使った料理は、他の地域では絶対に味わえません。地元の人が通う食堂から高級レストランまで、プーノの食文化は奥深いものがあります。

チャルキカンって何?現地で必食の郷土料理

チャルキカンは、干し肉を使った伝統的な煮込み料理です。標高の高いプーノでは、肉を保存するために干す文化が根付いており、それが独特の風味を生み出しています。じゃがいもや玉ねぎと一緒に煮込まれ、素朴ながら深い味わいが楽しめます。

また、トルーチャ(マス)もプーノ名物です。ティティカカ湖で獲れる新鮮な魚を、ガーリックやハーブで味付けして焼いた料理は絶品。湖畔のレストランでは1皿約20ソル(約800円)で味わえます。

アルパカ料理に挑戦する勇気はありますか?

プーノに来たなら一度は挑戦したいのがアルパカ料理です。現地では「アルパカ・ア・ラ・プランチャ」として提供され、意外にも牛肉に近い食感で臭みは全くありません。むしろ、日本の焼肉より柔らかく感じるほどです。

ただし、日本人には心理的なハードルが高いのも事実。まずは小さなポーションから試してみることをおすすめします。

意外と知らない?プーノの夜が危険な理由

美しい日中の景色とは裏腹に、プーノの夜には注意が必要です。特に観光客を狙った犯罪が増加しており、現地の警察も警戒を呼びかけています。

日没後の一人歩きは絶対に避けて

プーノの治安は昼と夜で大きく変わります。夜間は人通りが少なくなり、観光客を狙ったひったくりや強盗が発生することがあります。特にバスターミナル周辺や市場付近は要注意エリアです。

夜の外出時は、必ずタクシーを利用し、徒歩での移動は避けましょう。タクシー料金は市内なら5〜10ソル(約200〜400円)程度です。また、貴重品は最小限にし、現金は小額に分けて持つことが重要です。

カンデラリア祭の時期は要注意

2月2月に行われるカンデラリア祭の時期は、プーノが最も賑わう一方で、観光客にとっては注意が必要な時期でもあります。祭りの期間中はアルコールを飲んだ人が街中に溢れ、普段以上にトラブルが発生しやすくなります。

祭りは約2週間続き、色とりどりの衣装を身にまとった踊り手たちが街を練り歩きます。この時期のホテル料金は通常の3倍以上になることもあり、事前予約は必須です。

プーノから日帰りで行ける隠れた絶景スポット

多くの旅行者がウロス島だけで満足して帰ってしまいますが、プーノ周辺には他にも素晴らしい場所があります。現地の旅行会社でしか予約できないツアーもあるので、事前調査が重要です。

シルスタニ遺跡で感じる古代文明の神秘

プーノから北へ約30kmの場所にあるシルスタニ遺跡は、インカ以前の文明が残した円筒形の墓「チュルパ」で有名です。湖を見下ろす丘の上に立つこれらの建造物は、まるで巨大な煙突のように見えます。

入場料は10ソル(約400円)、プーノからのツアーは約35ソル(約1400円)で、所要時間は半日程度です。午後の光が遺跡を照らす時間帯が最も美しく、写真撮影には絶好のタイミングです。

ランパ村の隠れた教会に眠る奇跡

プーノから西へ約80kmのランパ村には、17世紀に建てられたサンティアゴ・アポストル教会があります。ここには自然にミイラ化した遺体が安置されており、地元の人々からは奇跡の教会として崇められています。

観光客はほとんど訪れない秘境ですが、バロック様式の美しい内装は一見の価値があります。プーノからバスで約2時間、料金は片道8ソル(約320円)です。

プーノ滞在で後悔しないための実用的なアドバイス

最後に、実際にプーノを訪れて分かった、ガイドブックには載っていない実用的な情報をお伝えします。

両替は必ずプーノ市内で済ませて

ウロス島やタキーレ島では両替ができません。プーノ市内の銀行や両替所で事前に小額紙幣を準備しておきましょう。島では手作りのお土産を売っており、現金のみの取引となります。

また、クレジットカードが使える店舗は限られているため、現金を多めに持参することをおすすめします。ATMは市内中心部に数台ありますが、手数料が高めに設定されています。

服装選びが明暗を分ける

プーノの気候は一日の寒暖差が激しく、朝晩は5度以下、日中は20度以上になることもあります。重ね着できる服装が基本で、特に防風性のあるジャケットは必須です。

また、紫外線が非常に強いため、日焼け止め、帽子、サングラスは忘れずに持参してください。現地でも購入できますが、値段が高く品質も不安定です。

標高の高いプーノでの滞在は確かに挑戦的ですが、そこでしか味わえない感動と体験が待っています。事前の準備と現地での注意を怠らなければ、きっと忘れられない旅の思い出となることでしょう。