ホイアン観光で99%の人が見落とす「本当の魅力」を地元民が教えてくれた話

ベトナムのホイアンと言えば、ランタンが美しい古都として有名ですよね。でも実際に行ってみると、ガイドブックには載っていない驚きの発見がたくさん待っています。私が初めてホイアンを訪れた時、地元の人に教えてもらった「隠れた魅力」は、今でも忘れられません。

朝5時のホイアンが一番美しいって知ってた?

早朝のホイアン古い街並み

多くの観光客は夜のランタン祭りばかりに注目しますが、実は朝のホイアンこそが最高なんです。午前5時頃、霧がかかったトゥボン川に朝日が差し込む瞬間は、まさに絵画のよう。観光客がまだ寝ている時間帯なので、静寂の中で古い街並みを独り占めできます。

この時間帯に歩いていると、地元の人たちの生活が垣間見えるのも魅力の一つ。カフェの店主がコーヒー豆を炒る香ばしい匂い、市場で野菜を運ぶおばちゃんたちの笑い声。これこそがホイアンの「生きた文化」なんです。

日本橋の本当の名前、言えますか?

ホイアンの日本橋(来遠橋)

日本橋(来遠橋)は確かに有名な観光スポットですが、実はその名前にも興味深い背景があります。現地では「Chùa Cầu(チュア・カウ)」と呼ばれ、直訳すると「橋の寺」という意味。1593年に日本人商人によって建設されたこの橋は、長さわずか18メートルの小さな建造物です。

入場料は4万ドン(約200円)ですが、ここで多くの人が知らないのは、橋の両端に配置された動物の像の意味。猿と犬の像は、建設が申年に始まり戌年に完成したことを表しているんです。また、橋の中央部分は小さな寺院になっており、地元の人々が今でもお参りに来ます。

混雑を避ける裏ワザ

日本橋は午前8時から午後5時まで開放されていますが、最も空いているのは午前8時半頃。この時間なら、橋の上でゆっくり写真を撮ることができます。午後2時から4時は団体ツアー客が集中するので避けるのが賢明です。

カオラウの「偽物」を食べてない?本物の見分け方

本場のカオラウ料理

ホイアン名物のカオラウ、実は本物を食べられるお店は限られているって知っていましたか?本物のカオラウは、ホイアンでしか取れない特別な井戸水で作った麺を使用します。この井戸水は、町から約10キロ離れた「Ba Le井戸」の水のみ。

本物のカオラウを見分ける方法は、麺の色と食感にあります。本物は少し黄色がかっており、もちもちした独特の歯ごたえがあります。一方、観光客向けの「なんちゃってカオラウ」は、普通の麺に色を付けただけのもの。

私がおすすめするのは、Thuan Tinh Island近くの地元民しか知らない小さな食堂。店名もない路地裏の店ですが、おばあちゃんが40年以上同じレシピで作り続けているカオラウは絶品です。1杯約3万ドン(約150円)で、営業時間は午前6時から午後2時まで。

ランタン祭りの「裏側」を覗いてみない?

ランタン祭りの幻想的な夜景

毎月旧暦の14日に開催されるランタン祭り。でも実は、この美しいイベントの準備は3日前から始まっているんです。地元の職人さんたちが一つ一つ手作りでランタンを吊るしていく様子は、まさに芸術作品の制作現場。

祭りの日は午後6時から街の電気が消され、ランタンの灯りだけになります。この時、多くの観光客は川沿いに集まりますが、実はTra Que野菜村周辺の田んぼから見るランタンの光も絶景なんです。人混みを避けて、静かにランタンの美しさを堪能できます。

ランタンに願い事を書いて川に流す体験は1個2万ドン(約100円)。でも地元の人に聞いたところ、本当に願いが叶うのは自分で作ったランタンなんだとか。市場で材料を買えば5000ドンほどで作れるので、チャレンジしてみる価値ありです。

意外と知らない!ホイアンの「時間が止まった」理由

保存された古い街並みと建築

なぜホイアンの街並みがこれほど美しく保存されているのか、その理由は意外と知られていません。実は19世紀後半、トゥボン川の土砂堆積により港の機能が失われ、ホイアンは「忘れられた町」になってしまったんです。この不幸な出来事が、結果的に古い建築物を現代まで残すことになりました。

多くの商人や住民がダナンやサイゴンに移住したため、建物の改築や近代化が進まなかったのです。1999年にユネスコ世界遺産に登録されてから、厳格な保存規則が設けられ、現在でも新しい建物の建設や既存建物の大幅な改修は制限されています。

建築の秘密を探ってみよう

ホイアンの建物をよく見ると、日本、中国、ベトナム、フランスの建築様式が混在しているのが分かります。これは16世紀から19世紀にかけて、国際貿易港として栄えた証拠。フンフンの家タンキーの家など、200年以上前の商家が当時のまま保存されており、入場料1万5千ドンで内部見学ができます。

地元民だけが知る「隠れ絶景スポット」

観光客のほとんどが見落としている絶景ポイントがあります。それはAn Hoi橋の真ん中から眺める夕日。ここから見る古い街並みのシルエットは、まさに映画のワンシーンのよう。午後5時半頃に行けば、黄金色に染まったトゥボン川と古い建物のコントラストが楽しめます。

もう一つの隠れスポットは、市場の裏手にある小さな寺院「Quan Cong廟」。ここは観光地化されておらず、地元の人々の生活に根ざした信仰の場として今も機能しています。線香の煙が立ち込める中で手を合わせると、ホイアンの精神的な一面に触れることができます。

最後に:ホイアンで一番大切なのは「時間」

ホイアン観光で最も重要なアドバイスをするとすれば、それは「急がないこと」です。この町の魅力は、ゆっくりと時間をかけて歩いてこそ見えてくるもの。カフェで地元の人と話したり、路地裏で偶然見つけた小さなお店に入ってみたり。

私が最も印象に残っているのは、雨宿りで入った小さな仕立て屋さんでのこと。おばあちゃんが60年前の日本人商人との思い出話をしてくれました。そんな「計画にない出会い」こそが、ホイアンの本当の宝物なのかもしれません。

ホイアンは単なる観光地ではありません。数百年の歴史が息づく、生きた博物館。あなたなりの「隠れた魅力」を見つける旅に、きっとなるはずです。