ロンドン観光で絶対やってはいけない5つの失敗談とプロだけが知る裏スポット

霧の都ロンドンに初めて足を踏み入れた時のあの感動は、今でも鮮明に覚えています。しかし同時に「もっと早く知っていれば…」という後悔も数多く経験しました。この記事では、私が実際に体験した失敗談と、現地で出会った旅行のプロから教わった秘密の楽しみ方をお伝えします。

観光地巡りで陥りがちな罠とは?

ロンドンの観光地で混雑する様子

ロンドン観光の最大の落とし穴は「全部見ようとする欲張り症候群」です。バッキンガム宮殿ビッグ・ベンロンドン・アイ…有名どころを1日で回ろうとした私は、結果的にどこも駆け足になってしまいました。

特に衝撃だったのは、ウェストミンスター寺院の入場料が大人一人あたり25ポンド(約4,500円)もすることでした。しかも平日の午前10時頃に到着したにも関わらず、入場まで1時間以上待たされる始末。営業時間は月曜から金曜の午前9時30分から午後3時30分までと意外に短く、土曜は午前9時30分から午後1時30分まで、日曜は礼拝のため一般観光は制限されます。

そんな時、隣に並んでいたロンドン在住20年の日本人女性から教わったのが「オーディオガイドツアーの裏技」でした。公式のオーディオガイドではなく、無料アプリ「Rick Steves Audio Europe」をダウンロードしておけば、同等かそれ以上の情報が手に入るのです。

地下鉄での大失敗

ロンドンの地下鉄(通称「Tube」)での失敗談も忘れられません。日本の感覚でオイスターカードを使わずに毎回切符を買っていたら、3日間で60ポンドも余計に支払っていました。オイスターカードなら1日の上限が8.5ポンドに設定されているのに、切符だと1回の乗車で5ポンド近くかかってしまうのです。

現地の人が教えてくれた隠れた名所

ロンドンの隠れた名所の風景

観光ガイドブックには載っていない、本当にロンドンらしさを感じられる場所があります。それがリーズ・プレイスという小さな通りです。

ここはかつて、あの有名な作家チャールズ・ディケンズが住んでいた場所として知られていますが、観光地化されていないため訪れる人は多くありません。場所はオックスフォード・ストリートから徒歩5分、平日なら静寂に包まれた美しいジョージア様式の建物群を独り占めできます。

現地のカフェオーナーから聞いた話では、この通りは18世紀から19世紀にかけて多くの文学者や芸術家が住んでいたそうです。建物の壁に埋め込まれた青いプレート(ブルー・プラーク)を探しながら歩くと、まるで宝探しをしているような気分になります。

パブ文化の真実

ロンドンといえばパブですが、観光客向けのパブと地元民のパブには天と地の差があります。The George Inn(ボロー・マーケット近く)は1677年創業の歴史あるパブで、シェイクスピアも通ったと言われていますが、実は観光地価格で1パイント7ポンドもします。

一方、地元の人に教わったThe Blackfriar(ブラックフライアーズ駅徒歩1分)は、アール・ヌーヴォー様式の内装が美しく、しかも1パイント4.5ポンドとリーズナブル。営業時間は月曜から木曜が午前10時から午後11時、金曜土曜は午前10時から深夜0時まで、日曜は正午から午後10時30分までです。

食事で大失敗しないための秘策

ロンドンの伝統的な料理

「イギリス料理はまずい」という先入観を持っていた私ですが、それは大きな間違いでした。ただし、どこで何を食べるかが重要なのです。

フィッシュ・アンド・チップスの老舗Poppies(スピタルフィールズ店)では、1950年代のレシピを忠実に再現した料理が味わえます。平日のランチタイム(午前11時30分から午後3時)なら比較的空いていて、1人前12ポンドほど。夜は行列ができるほどの人気店です。

意外だったのは、ロンドンのカレー文化の深さです。ブリック・レーン周辺には本格的なバングラデシュ系カレーハウスが軒を連ねており、中でもDishoomは映画のセットのような内装で、ボンベイ式の朝食が絶品でした。

アフタヌーンティーの罠

憧れのアフタヌーンティーですが、ザ・リッツクラリッジスなどの高級ホテルでは、一人80ポンド以上もかかってしまいます。しかも2か月前からの予約が必要で、ドレスコードも厳格です。

そこで地元の友人が教えてくれたのが、フォートナム・アンド・メイソンの4階にある「Diamond Jubilee Tea Salon」。老舗百貨店らしい上品な雰囲気でありながら、一人45ポンドとリーズナブル。平日なら当日でも席が取れることが多いのです。

交通手段の賢い使い分け方法

ロンドンの交通機関の様子

ロンドンの移動で最も効率的なのは、実は地下鉄だけではありません。ロンドンバスを使いこなせるかどうかで、旅の質が大きく変わります。

特にルート15番のバスは、タワーブリッジからトラファルガー広場まで主要観光地を結んでおり、まるで移動する展望台のような存在です。2階建てバスの最前列に座れば、地下鉄では絶対に味わえない街の景色を楽しめます。料金は一律1.75ポンドと地下鉄より安く、オイスターカードも使用可能です。

意外と知られていないのがロンドン・サイクル・ハイヤー(通称サンタンデール・サイクル)の活用法。30分以内なら2ポンドで利用でき、ハイドパークやリージェンツパーク周辺の移動には最適です。ただし、平日の朝夕は通勤ラッシュでかなり危険なので避けましょう。

本当に避けるべき観光地の落とし穴

最後に、実際に体験して「これは避けた方がいい」と感じた場所もお伝えします。

マダム・タッソー蝋人形館は、入場料が大人一人35ポンドもするにも関わらず、館内は常に大混雑。お目当ての蝋人形と写真を撮るのに30分待ちということもザラです。営業時間は午前10時から午後4時(週末は午後5時まで)ですが、入場制限があるため事前予約は必須。

また、コヴェント・ガーデン周辺のレストランは観光地価格で、同じ料理が他のエリアの2倍近い値段になっています。美しい建物と街頭パフォーマンスは一見の価値がありますが、食事は別の場所で取ることをお勧めします。

天候に左右されない計画の立て方

ロンドンの天気は本当に変わりやすく、1日のうちに晴れ、曇り、雨、時には雹まで降ることがあります。私が学んだ教訓は「屋内施設を必ず予備プランに入れる」ことでした。

大英博物館は入場無料でありながら、世界最高レベルのコレクションを誇ります。特にエジプト館のロゼッタストーンやミイラのコレクションは圧巻で、雨の日でも充実した時間を過ごせます。開館時間は毎日午前10時から午後5時(金曜のみ午後8時30分まで)で、入場は無料ですが特別展は有料です。

ロンドン観光で本当に大切なのは、観光地を「見る」ことではなく、その場所の「空気を感じる」ことだと思います。急がず、欲張らず、時には計画を捨てて街をぶらぶら歩いてみる。そんな時間こそが、きっとあなたにとって最高の思い出になるはずです。