江陵観光で絶対に避けたい3つの失敗談|韓国東海岸の隠れた名所を100倍楽しむ裏ワザ

韓国の東海岸に位置する江陵(カンヌン)。ソウルから高速バスで約3時間の距離にあるこの街は、美しい海岸線と山々に囲まれた自然豊かな観光地です。でも実は、多くの日本人観光客が「思っていたのと違った…」と後悔する落とし穴がいくつもあるんです。今回は、私が実際に体験した失敗談を交えながら、江陵観光を成功させる秘訣をお伝えします。

なぜ江陵なのに海水浴場が使えないの?

江陵の美しい海岸線

江陵と聞いて真っ先に思い浮かべるのが、鏡浦海水浴場安木海岸などの美しいビーチですよね。でもここで最初の大きな落とし穴があります。

私が初めて江陵を訪れたのは4月下旬。「春だし、少し肌寒いかもしれないけど海を見るだけなら大丈夫でしょう」と軽い気持ちで向かったのですが、なんと海水浴場の施設がほとんど閉まっていたんです。更衣室やシャワー、売店なども軒並みクローズ。

実は江陵の海水浴場は、7月から8月の夏季シーズンのみ本格的に営業するところが多いんです。それ以外の時期は、海岸を散歩することはできても、海水浴場としての機能は大幅に制限されます。特に鏡浦海水浴場は、夏季以外は駐車場や トイレの利用も限られるので要注意です。

でも心配無用。海水浴ができなくても、江陵には魅力的な観光スポットがたくさんあります。むしろ、観光客が少ない時期だからこそ味わえる静寂の美しさもあるんです。

正東津駅で日の出を見るつもりが大失敗?

正東津駅のホームと海

正東津駅(チョンドンジン駅)は、「世界で最も海に近い駅」としてギネスブックに登録された有名スポット。多くの観光客が美しい日の出を目当てに訪れます。

私も当然、日の出を見るために早朝5時頃に到着したのですが…なんと曇り空で日の出が全く見えませんでした。しかも、思った以上に風が強くて寒い!防寒対策を怠ったため、震えながら1時間近く待つ羽目になりました。

正東津で日の出を楽しむなら、天気予報を必ずチェックし、防寒着は必須です。また、日の出の時刻は季節によって大きく変わります。冬場は7時30分頃、夏場は5時30分頃と2時間も差があるので、事前に確認を。

ちなみに、正東津駅から徒歩5分の場所にある正東津時間博物館は意外な穴場。入場料は大人3000ウォン(約300円)ですが、時計に関する珍しい展示が楽しめます。日の出待ちの時間つぶしにもぴったりです。

江陵の「コーヒー聖地」で迷子になった話

江陵のおしゃれなカフェ街

江陵が「韓国のコーヒー聖地」と呼ばれていることをご存知ですか?実は1990年代から、この地域にはおしゃれなカフェが次々とオープンし、今では安木海岸沿いだけで30軒以上のカフェが立ち並んでいます。

私もそんなカフェ巡りを楽しもうと意気込んでいたのですが、ここで3つ目の失敗が。人気のカフェ「テラロサ」を目指していたつもりが、似たような名前の別のカフェに入ってしまったんです。

江陵のカフェ街は意外と広範囲に散らばっており、しかも似たようなコンセプトのお店が多いため、GPSなしでは迷子になりがち。特にテラロサは江陵市内に複数店舗があるので、どの店舗を目指すのか事前に決めておくことが大切です。

でも結果的に、間違って入ったカフェの方が地元の人しか知らない隠れた名店で、手作りの黒ごまラテ(6000ウォン、約600円)が絶品でした。時には予定外の出会いも旅の醍醐味ですね。

江陵中央市場で見つけた意外すぎる名物とは?

江陵中央市場の賑やかな様子

観光地のグルメというと海鮮料理を想像しがちですが、江陵には意外な名物があります。それが「감자옹심이(カムジャオンシミ)」、つまりじゃがいも団子スープです。

江陵中央市場(営業時間:朝6時~夜8時、年中無休)で初めてこの料理に出会ったとき、正直「観光地でじゃがいも?」と疑問に思いました。でも一口食べてびっくり。もちもちの団子と優しい味のスープが絶妙にマッチして、海の幸とは全く違う温かい美味しさなんです。

実はこれ、江陵地域の山間部で昔から食べられてきた郷土料理。海辺の観光地というイメージが強い江陵ですが、内陸部では良質なじゃがいもが栽培されており、その食文化が市場にも根づいているんです。1杯4000ウォン(約400円)という手頃な価格も嬉しいポイント。

江陵中央市場は江陵駅から徒歩約15分の場所にあり、地元の人たちの生活を垣間見ることができる貴重なスポットです。観光地化されていない素の江陵を感じたいなら、ぜひ足を運んでみてください。

五台山国立公園の隠れた絶景ポイント

五台山の美しい山景色

江陵観光のもう一つの目玉が五台山国立公園です。江陵市街地から車で約1時間の距離にあるこの山は、韓国仏教の聖地として知られています。

多くの観光客は月精寺(ウォルジョンサ)を目指しますが、実は知られざる絶景ポイントがあるんです。それが「上院寺(サンウォンサ)」への登山道途中にある「비로봉 전망대(ビロボン展望台)」。

ここからの眺めは圧巻で、江陵の海岸線と山々を一望できます。しかも観光バスでは行けない場所なので、ハイキング好きの人だけが知る秘密のスポット。往復約3時間のハイキングコースですが、運動靴と水分補給は必須です。

五台山国立公園の入場料は大人3000ウォン(約300円)。月精寺だけでなく、時間に余裕があれば上院寺方面への軽登山もおすすめします。ただし、冬季(12月~2月)は積雪のため一部コースが閉鎖されることがあるので、事前に確認を。

江陵観光を成功させる3つの心得

最後に、私の失敗経験から学んだ江陵観光のコツをまとめておきます。

まず季節選びは慎重に。海水浴を楽しむなら7~8月、コーヒーとカフェ巡りなら春や秋、山歩きなら秋の紅葉シーズンがベストです。冬の江陵も雪景色が美しいのですが、海風が強く体感温度がかなり下がるので防寒対策は万全に。

次に交通手段の確保。江陵市内の観光スポットは意外と離れており、徒歩だけでは限界があります。レンタカーがベストですが、運転に自信がない方はタクシーをうまく活用しましょう。江陵駅前にはタクシーが常駐しており、主要観光地までの料金も明確です。

そして地元の人との交流を大切に。観光地化が進んでいるとはいえ、江陵の人たちは親切で温かい方が多いです。片言の韓国語でも一生懸命コミュニケーションを取れば、ガイドブックには載っていない穴場情報を教えてくれることも。

江陵は確かに「何となく行ってみた」だけでは物足りない観光地かもしれません。でも事前の準備と現地での柔軟性があれば、きっと忘れられない旅の思い出になるはずです。失敗を恐れず、江陵ならではの魅力を存分に味わってくださいね。