モアルボアルビーチで地元民に「観光客だ」とバレずに過ごす裏技と、99%の人が知らない絶景スポット

セブ島の南西部に位置するモアルボアルビーチは、観光地化が進んだボホール島やパングラオ島とは一味違う、本物のローカル感が残る隠れた名所です。でも実は、ここには一般的なガイドブックには載っていない「地元の人だけが知る楽しみ方」があるんです。

モアルボアルって一体どんなところ?意外と知らない基本情報

モアルボアルビーチの全景

モアルボアル(Moalboal)は、セブシティから車で約3時間の距離にある小さな町です。多くの人が「セブ島=リゾート」というイメージを持っていますが、実際にはモアルボアルのような地元色の強いエリアの方が、本当のフィリピンの海を体験できるんです。

ここの最大の特徴は、イワシの大群(サーディンラン)を間近で見られること。しかも、高価なダイビングツアーに参加しなくても、シュノーケリングだけで十分楽しめるのが嬉しいポイントです。入場料は基本的に無料で、24時間いつでもビーチにアクセスできます。

でも注意したいのは、ここは「完全に整備されたリゾートビーチ」ではないということ。更衣室やシャワー設備は限られているので、事前の準備が重要になります。

なぜ99%の観光客が本当の絶景を見逃すのか?

モアルボアルの隠れた絶景スポット

ほとんどの観光客は、メインビーチエリアで満足して帰ってしまいます。でも実は、本当の絶景はパナグサマビーチの北端にあるんです。ここから徒歩15分ほど岩場を歩くと、地元の漁師さんたちしか知らない小さな入り江に到着します。

この場所の何がすごいかというと、午後4時頃になると太陽の角度が絶妙になり、海面がまるで鏡のように輝くんです。しかも、ここにはイワシの群れだけでなく、ウミガメが高確率で現れます。地元の漁師のマニー(70歳)に聞いたところ、「毎日夕方になると必ずあそこにウミガメが来る」とのこと。

ただし、岩場は滑りやすいので、必ずマリンシューズを履いていってください。また、潮の満ち引きによっては危険な場合もあるので、地元の人に確認してから向かうのが賢明です。

地元民に「観光客だ」とバレない過ごし方とは?

地元の人々とビーチでの交流

モアルボアルで地元の人たちと自然に溶け込む方法があります。それは、朝の6時台にビーチに行くことです。この時間帯は漁師さんたちが網の手入れをしていたり、地元の子どもたちが学校前に泳いでいたりする、本当の「日常」を見ることができます。

さらに、地元の人がよく利用するのはラスティネイルレストラン近くの小さなサリサリストア(雑貨店)です。ここでコーラを買って「Maayong buntag!(おはよう!)」と挨拶すると、店主のテレサさんが笑顔で迎えてくれます。観光客向けのレストランではなく、こういう場所で地元の人たちと同じように過ごすのが、本当のモアルボアル体験なんです。

また、日曜日の朝には地元の教会でミサが行われます。観光客でも参加可能で、フィリピンの文化を深く理解できる貴重な機会です。

知らないと損する!イワシの大群を100%見る方法

イワシの大群と一緒に泳ぐ様子

モアルボアル最大の見どころであるサーディンラン(イワシの大群)ですが、実は時間帯と場所によって遭遇率が大きく変わります。多くの観光客が知らない「確実に見る方法」をお教えします。

まず、時間は午前9時から11時の間がベストです。この時間帯は海水温が安定していて、イワシたちの活動が最も活発になります。場所は、パナグサマビーチの中央から少し右側(南側)の、水深3〜5メートルのエリアです。

地元のダイブマスターのエンリコさん(25年の経験)によると、「イワシは人間の動きに敏感だから、急に泳ぐとすぐに逃げてしまう。ゆっくりと、まるで海藻のように動くのがコツ」だそうです。

また、意外と知られていないのが、満月の前後3日間はイワシの群れが特に大きくなることです。これは潮の満ち引きが大きくなり、プランクトンが豊富になるからです。

食べなきゃ損するローカルグルメと隠れた名店

モアルボアルの地元料理

観光客向けのレストランも良いですが、本当に美味しいのは地元の人たちが通う小さな食堂です。特におすすめなのが、メインロードから少し奥に入ったナナ・ローザの食堂です。ここの名物は「スートゥキル」という、その日に獲れた魚を3つの調理法で味わえる料理。1皿150ペソ(約400円)という破格の値段で、観光地価格とは思えないコスパです。

さらに穴場なのが、朝7時から営業しているバンカボートの船着き場近くの屋台です。ここで売られている「タホ」は、温かい豆腐プリンにブラウンシュガーとタピオカが入った地元の朝食で、1杯たったの15ペソ(約40円)。売り子のおじさんが「タホ〜!」と大きな声で呼びかけているので、すぐに分かります。

実際に行って分かった注意点とトラブル回避術

モアルボアルは素晴らしい場所ですが、事前に知っておくべき注意点もあります。まず、ATMが限られていることです。町の中心部に2台しかなく、特に週末は現金が不足することがあります。セブシティで十分な現金を用意してから向かいましょう。

また、雨季(6月〜11月)は突然のスコールが多く、せっかくの海水浴が台無しになることも。でも地元の人たちは「雨の後の海は一番きれい」と言います。実際、雨上がりの透明度は格段に上がるので、がっかりせずに雨上がりを待ってみてください。

交通面では、セブシティからのバスは1時間に1本程度で、最終便は午後6時頃です。帰りの時間を必ず確認しておかないと、宿泊することになってしまいます。

帰る前に立ち寄りたい隠れスポット

最後に、帰り道で立ち寄れる知る人ぞ知るスポットをご紹介します。モアルボアルから車で30分ほどのところにあるバディアン島です。ここは日帰りで行ける小さな島で、モアルボアルとはまた違った静寂な美しさがあります。

島への渡し舟は1人50ペソで、地元の漁師さんが運航しています。島には小さな教会があり、そこから見る夕日は格別です。観光客はほとんど来ないので、本当に静かな時間を過ごせます。

モアルボアルは、派手さはないけれど、本物の美しさと温かい人々に出会える特別な場所です。きっと帰る頃には、「また必ず戻ってきたい」と思えるはずです。