バリバニオンゴルフは実は超穴場?知る人ぞ知るバリ島の隠れた名コースの正体

バリバニオンゴルフクラブって一体何者?

バリ島の美しいゴルフコース

バリ島でゴルフといえば、ニルワナゴルフクラブやハンダラカントリークラブが有名ですが、実は地元ゴルファーの間で密かに愛され続けているコースがあります。それがバリバニオンゴルフクラブです。

このコースの存在を知らない日本人観光客がほとんどという現実に、私は正直驚きました。ウブド近郊に位置するこの18ホールのコースは、観光地化されていない分、本物のバリ島の自然を感じながらプレーできる貴重な場所なのです。

入場料は平日で約35万ルピア(約3,500円)と、有名コースの半額程度。バリ島南部のサヌールエリアから車で約45分というアクセスの良さも魅力の一つです。

なぜ日本人に知られていないのか?

ローカルゴルフコースの雰囲気

バリバニオンゴルフクラブが日本人観光客にあまり知られていない理由は明確です。まず、日本語対応スタッフがいないこと。そして、大手旅行代理店のパッケージツアーに組み込まれていないことが大きな要因でしょう。

しかし、これこそがこのコースの最大の魅力なのです。英語とインドネシア語でのやり取りになりますが、スタッフは非常にフレンドリーで、ゆっくりと話してくれます。むしろ、言葉の壁を越えたコミュニケーションが、旅の思い出を一層深いものにしてくれるのです。

営業時間は朝6時から夕方6時まで。早朝のプレーなら、バリ島特有の涼しい空気の中でラウンドを楽しめます。特に7時台のスタートがおすすめで、まだ日差しが強くなる前の快適な時間帯にプレーできるのです。

コースの特徴は意外すぎる難易度?

挑戦的なゴルフホール

バリバニオンゴルフクラブの18ホールは、一見すると穏やかな田園風景に溶け込んでいます。しかし、実際にプレーしてみると、その戦略性の高さに驚かされます。

特に印象的なのは7番ホールのパー4。左サイドの池と右サイドのバンカーに挟まれた狭いフェアウェイは、正確性を求められる難しいホールです。地元のキャディさんによると、このホールだけで多くのゴルファーがスコアを崩すのだとか。

コース全体の距離は6,200ヤード程度と、それほど長くありません。しかし、戦略的に配置されたハザードと、バリ島特有の風の影響を考慮する必要があり、決して侮れないコースなのです。

面白いのは、コース内に実際の棚田が組み込まれていること。農作業をしている地元の方々の姿を見ながらのプレーは、まさにバリ島ならではの体験です。

キャディさんとの出会いが最高の思い出に

ゴルフキャディとの交流

バリバニオンゴルフクラブでの最大の魅力は、間違いなくキャディさんとの交流です。多くが地元の女性で、バリ島の文化や生活について教えてくれます。

キャディフィーは約10万ルピア(約1,000円)と非常にリーズナブル。彼女たちは単にクラブを運んでくれるだけでなく、コースの攻略法やグリーンの読み方まで丁寧にアドバイスしてくれます。

私が特に印象に残ったのは、キャディのスリさんとの会話でした。彼女は流暢な英語で、バリ島の伝統的な農業やヒンドゥー教の祭りについて話してくれました。ゴルフを通じた文化交流が、このコースでは自然に生まれるのです。

また、ラウンド後にはクラブハウスで地元の軽食を楽しむことができます。特にナシゴレン(チャーハン)は絶品で、約3万ルピア(約300円)という破格の値段で本格的なインドネシア料理を味わえます。

実際に行く前に知っておきたいこと

ゴルフクラブハウス

バリバニオンゴルフクラブへ行く際の注意点をお伝えします。まず、レンタルクラブの品質は日本のコースほど高くありません。可能であれば、お気に入りのクラブを持参することをおすすめします。

アクセスは、デンパサール国際空港から車で約1時間。タクシーの運転手に「バリバニオンゴルフ」と伝えても通じない場合があるので、事前に住所をメモしておくことが重要です。正確な住所は、ウブド地区のジャラン・ラヤ・ケデワタン沿いにあります。

服装については、日本のゴルフ場ほど厳格ではありませんが、襟付きシャツとゴルフパンツの着用が求められます。サンダルでのプレーは禁止されているので、必ずゴルフシューズかスニーカーを履いてください。

雨季のプレーは覚悟が必要?

バリ島の雨季(11月から3月)にプレーする場合は、特別な注意が必要です。午後になると激しいスコールに見舞われる可能性が高く、実際に私が訪れた2月のある日は、14番ホール付近で突然の豪雨に遭遇しました。

しかし、これもまたバリ島ゴルフの醍醐味の一つ。雨上がりのコースの美しさは格別で、緑がより一層鮮やかに見えます。クラブハウスには簡易的な雨具も用意されているので、天候の急変があっても安心です。

地元ゴルファーとの交流が生む意外な発見

バリバニオンゴルフクラブでは、平日でも地元のゴルファーと一緒にラウンドする機会があります。彼らの多くは非常に社交的で、休憩時間には一緒にコーヒーを飲みながら談笑することも。

興味深いのは、多くの地元ゴルファーが裸足でプレーしている光景です。これは決してマナー違反ではなく、バリ島の一部地域では伝統的なスタイルとして受け入れられています。このような文化の違いを目の当たりにできるのも、観光地化されていないコースならではの体験です。

帰り道で立ち寄りたい隠れスポット

バリバニオンゴルフクラブからの帰り道には、ぜひ立ち寄ってほしい場所があります。コースから車で10分ほどの場所にあるティルタ・エンプル寺院です。

この寺院は「聖水の寺院」として知られ、地元の人々が身を清めに訪れる神聖な場所。ゴルフで汗を流した後に、バリ島の精神的な一面に触れることで、旅の体験がより深いものになるでしょう。入場料は3万ルピア(約300円)で、夕方5時まで開放されています。

また、寺院の近くには伝統的なワルン(食堂)もあり、本格的なバリ料理を味わうことができます。特にガド・ガド(野菜サラダ)は絶品で、ゴルフ後の疲れた体にちょうど良い軽食です。

バリバニオンゴルフクラブは、確かに設備面では高級リゾートコースに劣るかもしれません。しかし、バリ島の本当の魅力である人々の温かさや自然の美しさを感じながらプレーできる、まさに隠れた宝石のようなコースなのです。観光地の喧騒から離れ、本物のバリ島を体験したいゴルファーには、心からおすすめしたい特別な場所です。