絶景に惑わされて大失敗?初心者が陥りやすいワナ
カリフォルニア州バンドンにあるパシフィック・デューンズ ゴルフコースを初めて訪れた時、私は完全に景色に心を奪われていました。太平洋を一望できる断崖絶壁のコース設計は確かに息をのむ美しさです。しかし、ここで多くのゴルファーが犯してしまう最初の過ちがあります。それは「絶景に見とれてプレーに集中できなくなること」なのです。
料金は1ラウンド300~500ドル(シーズンにより変動)と決して安くはありません。せっかく高い料金を払ったのに、写真撮影ばかりに夢中になって肝心のゴルフがおろそかになってしまう方を何度も見かけました。私自身も最初はその一人でした。
風との闘い?想像以上に厳しい自然条件
パシフィック・デューンズで最も手強い相手は、実は他のプレーヤーではありません。太平洋から吹き付ける強風こそが、このコース最大の難敌なのです。平均風速は時速20~30キロメートル、強い日には40キロメートルを超えることも珍しくありません。
私が体験した中で最も印象的だったのは、7番ホールでのことでした。いつものように7番アイアンで打とうとしたところ、キャディーさんに「今日の風なら5番アイアンでも届かないかも」と言われたのです。最初は信じられませんでしたが、実際に打ってみると球は大きく右に流され、グリーンをオーバーしてしまいました。
風向きは1日のうちに何度も変わるため、朝の練習ラウンドで掴んだ感覚が午後には全く通用しないこともあります。地元のプレーヤーは「風を読むのもゴルフの一部」と言いますが、初心者にとっては想像以上に厳しい洗礼となるでしょう。
予約が取れない?知る人ぞ知る裏技的タイミング
パシフィック・デューンズの予約は「世界で最も取りにくいゴルフ予約」の一つとして有名です。一般的には2~3ヶ月前から予約が埋まってしまうのですが、実は雨の予報が出た翌日に空きが出やすいという隠れた法則があります。
私がこの事実を知ったのは、地元のゴルフショップ店主から聞いた話でした。「観光客は雨を嫌がってキャンセルするけど、このコースは少しの雨なら逆に風が弱くなって初心者向きになるんだよ」と教えてくれたのです。
実際に小雨の日にプレーしてみると、確かに風は穏やかで、普段より格段にスコアが良くなりました。ただし、バンドン地区の天気は変わりやすいため、雨具の準備は必須です。プロショップでも販売していますが、現地価格は日本の2倍以上するので事前準備をおすすめします。
営業時間は夏季(4月~10月)が朝6時30分から、冬季は7時30分からとなっています。最終スタート時間は日没の2時間前までです。
絶対に知っておきたい?コース攻略の意外なコツ
多くのゴルファーが見落としがちなのが、潮の満ち引きがプレーに与える影響です。これは他のゴルフコースでは絶対に体験できない、パシフィック・デューンズ特有の現象です。
満潮時には海からの湿った空気により球の飛距離が10~15%短くなり、干潮時には乾いた空気で普段より球が飛ぶようになります。地元のキャディーさんは必ずその日の潮汐表をチェックしており、「今日は満潮だから1番手上げた方がいい」といったアドバイスをくれます。
さらに興味深いのは、13番ホールから16番ホールにかけての海沿いコースです。ここではアザラシや海鳥の鳴き声が聞こえることがあり、集中力を試される場面が何度もあります。私は15番ホールでパットを打つ瞬間にウミネコの大きな鳴き声に驚き、カップを大きく外してしまった経験があります。
地元のベテランプレーヤーによると、午前9時頃と午後3時頃が最も野生動物が活発になる時間帯だそうです。自然との共存を楽しむのもこのコースの醍醐味の一つですが、スコアを重視する方は時間帯を考慮することをおすすめします。
アクセスの現実?想像以上に大変な道のり