「ドバイ=セレブの街」というイメージを持って初めて訪れた時、私は完全に勘違いをしていました。高級ブランドを身につけ、高級レストランばかりを予約し、まるで映画の主人公になったつもりでいたのです。でも実際に現地で過ごしてみると、本当のドバイの魅力は全く別のところにあることがわかりました。
実はドバイって、普通の人でも楽しめるって知ってた?
ドバイ観光の最初の誤解は「お金持ちじゃないと楽しめない」というもの。確かにブルジュ・ハリファの展望台は大人1人約3,500円からと決して安くありませんが、実は無料や格安で楽しめるスポットが山ほどあるんです。
例えばドバイ・ファウンテンは毎日18時30分から23時まで30分おきに無料で音楽に合わせた噴水ショーを楽しめます。ドバイモール内からも外からも見ることができ、特に金曜日と土曜日は13時と13時30分にも昼間のショーがあります。私が見た時は、世界各国からの観光客が一緒になって歓声を上げていて、まさに「みんなで楽しむドバイ」を実感しました。
さらに驚いたのはオールド・ドバイエリア。ここは1970年代からの古いドバイの姿が残っていて、アブラ(水上タクシー)でクリークを渡るのはたった1ディルハム(約30円)。現地の人たちの通勤手段として使われているこの船に乗ると、観光地化されていない本当のドバイの空気を感じることができます。
砂漠ツアーで体験した「え、これがドバイ?」な瞬間
ドバイ観光で絶対に外せないのが砂漠ツアー。でも私が参加したデザート・サファリで一番印象に残ったのは、実は豪華なディナーでも4WDでの砂丘ドライブでもありませんでした。
それは、砂漠の真ん中で現地ガイドが教えてくれた砂の温度の話。昼間は60度を超える砂が、夜になると手で触れるほど冷たくなる。そして彼が「この砂漠も30年前はドバイの中心部だった場所があるんだよ」と教えてくれた時、ドバイの急激な発展の凄さを肌で感じました。
砂漠ツアーの料金は会社によって差がありますが、基本的なツアーは大人1人約6,000円から。ホテルからの送迎、砂丘ドライブ、ラクダ乗り体験、ヘナタトゥー、民族衣装での写真撮影、そして伝統的なディナーとベリーダンスショーが含まれています。所要時間は約6時間で、通常は14時30分頃にホテルを出発し、21時頃に戻ってきます。
スークで値切り交渉?実は現地の人はこうしてる
「ドバイのスークでは絶対値切れ」というガイドブックを信じてゴールド・スークに向かった私。でも実際に現地の人の買い物を観察していると、意外な発見がありました。
確かに観光客相手の店では値切り交渉が当たり前ですが、現地の人が普段使いしている店では最初からかなり良心的な価格設定になっているんです。特にスパイス・スークでは、観光客向けの派手な店よりも、奥の方にある地元の人がよく利用している小さな店の方が、質の良いサフランやカルダモンを適正価格で売っています。
ゴールド・スークは毎日10時から22時まで営業(金曜日は14時から)。アクセスはドバイメトロのAl Ras駅から徒歩5分程度です。ここでの値切りのコツは、最初に提示された価格の30%から50%で交渉を始めること。でも本当にお得な買い物をしたいなら、現地の人がどの店を利用しているかを観察してみてください。
ドバイモールの「隠れた名所」、知ってる?
世界最大級のショッピングモールであるドバイモール。ほとんどの観光客はブルジュ・ハリファの展望台やドバイ水族館に向かいますが、実は知る人ぞ知る穴場スポットがあります。
それはウォーターフォールという巨大な人工滝。Ground Floorの奥まった場所にあるため、多くの観光客が素通りしてしまいます。でもここ、実は現地の人たちの待ち合わせスポットとして人気で、涼しくて静かで、モール内とは思えないリラックスできる空間なんです。
さらに意外だったのは、ドバイモール内のフードコート。高級レストランばかりに目が行きがちですが、3階のフードコートには現地の人が通う美味しくて安い店が集まっています。特にレバノン料理の「Al Mallah」では本格的なシャワルマが約500円で食べられ、地元の家族連れで賑わっています。
ドバイモールは毎日10時から24時まで営業(木・金・土曜日は深夜2時まで)。ドバイメトロのBurj Khalifa/Dubai Mall駅からエアコンの効いた歩道橋で直結しているので、暑い日でも快適にアクセスできます。
現地の人が教えてくれた「本当のドバイグルメ」
ドバイで食べるべき料理として必ず挙げられるのがシャワルマとフムスですが、現地のタクシー運転手に教えてもらった隠れた名店での体験は忘れられません。
Deira地区にある「Ravi Restaurant」は、見た目は決して豪華ではありませんが、パキスタン系の本格的なカレーとナンが驚くほど安く(一皿約300円から)、そして驚くほど美味しいんです。深夜まで営業していて(朝5時から深夜2時)、夜中でも現地の人で賑わっています。
また、意外に知られていないのがルクマというアラブ伝統のお菓子。小さな揚げドーナツのようなもので、シロップに浸した甘いお菓子です。スークの奥の方にある小さな店で作りたてを食べると、観光地のレストランでは味わえない本当のアラブの味を楽しめます。
これだけは絶対に注意して!現地で学んだ失敗談
ドバイ観光で私が実際に失敗したことをお伝えします。まず服装について、ドバイは比較的リベラルな都市とはいえ、イスラム教の国であることを忘れてはいけません。ショッピングモールやレストランでは問題なくても、モスクやオールド・ドバイエリアでは肌の露出に注意が必要です。
また、写真撮影にも要注意。現地の人、特に女性を無断で撮影するのは絶対にNG。私は砂漠ツアーで民族衣装を着た女性スタッフと一緒に写真を撮る際、きちんと許可を取ってから撮影しました。
意外な盲点がチップ文化。ドバイではレストランやタクシーで10-15%程度のチップが一般的ですが、料金にサービス料が含まれている場合もあるので、レシートをよく確認することが大切です。
そして最も重要なのが水分補給。屋外の気温が40度を超える日も多く、冷房の効いた屋内との温度差で体調を崩しやすくなります。常にペットボトルの水を持ち歩き、こまめに水分を取ることを強くおすすめします。
ドバイは確かに豪華絢爛な街ですが、本当の魅力はその奥にある多様性と、急激に発展する中でも残る伝統的な文化にあります。高級なイメージに惑わされず、現地の人との交流を大切にすれば、きっと忘れられない旅の思い出を作ることができるでしょう。