オーストラリアのケアンズといえば、グレートバリアリーフや熱帯雨林のイメージが強いですよね。でも実際に現地を歩いてみると、ガイドブックには載っていない魅力的なスポットや、観光客が知らずにハマってしまう「罠」がたくさんあることに気づかされます。今回は、私が何度もケアンズを訪れて発見した、本当に価値のある観光情報をお伝えしていきます。
実は穴場?ケアンズ市内の隠れた魅力スポット
多くの観光客がグレートバリアリーフへの玄関口としてしか見ていないケアンズ市内ですが、実は歩いてみると驚くほど面白い発見があります。特にケアンズ・エスプラネード・ラグーンは、海水浴ができない時期でも楽しめる人工ビーチとして地元民に愛されています。入場料は無料で、朝7時から夜9時まで開放されているんです。
さらに意外なのが、ラスティーズ・マーケットという週末限定のナイトマーケットです。金曜日と土曜日の夕方5時から10時まで開催されていて、観光客向けのナイトマーケットとは一味違う、地元のアーティストや職人の作品に出会えます。場所はケアンズ市内中心部から徒歩約15分のラスティーズ・バザールという建物内で、タクシーなら約5分、料金は10ドル程度です。
ここでしか買えないアボリジニアートや、地元産のマカダミアナッツを使った手作りチョコレートなど、お土産選びにも最適。特に土曜日の夜は地元ミュージシャンのライブもあって、観光地とは思えないリアルなオーストラリア文化を感じられます。
グレートバリアリーフツアーの「知らないと損する」選び方
ケアンズ観光のハイライトといえば、やはりグレートバリアリーフですよね。でも、数多くのツアー会社があって、どれを選べばいいか迷ってしまう人も多いはず。実は、ツアー選びにはちょっとしたコツがあるんです。
リーフマジック・クルーズやサンラバー・クルーズなどの大手は安心感がありますが、1日ツアーで約200~300ドルと料金も高め。一方で、地元の小さなツアー会社が催行している半日ツアーなら100ドル前後で参加でき、少人数制なのでスタッフとの距離も近く、より個人的なサービスを受けられることが多いんです。
特に注意したいのが、シュノーケリング初心者の場合です。大型船のツアーだと、泳げない人向けのサポートが限られていることがあります。事前に「泳げないけど大丈夫か」「フローティングベストは借りられるか」といった具体的な質問をしておくことをおすすめします。
また、意外と知られていないのがミルンリーフというスポット。グリーン島やフィッツロイ島ほど有名ではありませんが、サンゴの保存状態が良く、ケアンズから船で約45分とアクセスも良好です。ここを訪れるツアーは比較的観光客が少なく、静かな海でゆっくりとシュノーケリングを楽しめます。
キュランダ観光で避けるべき「観光客の罠」とは?
世界遺産の熱帯雨林に囲まれた村、キュランダも人気の観光地です。でも、ここには観光客が知らずにハマってしまう「罠」がいくつかあります。
まず、キュランダ鉄道とスカイレールのセットチケットについて。確かに景色は素晴らしいのですが、片道だけでも2時間近くかかるため、往復すると半日以上が移動時間に。キュランダ村での滞在時間が思ったより短くなってしまうことが多いんです。
おすすめは、行きを鉄道、帰りをスカイレールにするか、どちらか一方だけを選んで、もう片方はバスでアクセスすること。バスなら片道約45分で、料金も往復20ドル程度と格段に安くなります。ケアンズ市内からは平日なら30分おき、週末でも1時間おきに運行しています。
キュランダ村ではオリジナル・レインフォレスト・マーケットが有名ですが、実は値段交渉ができることを知らない人が多いです。特にアボリジニ関連のお土産は、現地制作でないものも混じっているので、「Made in Australia」のラベルを確認することが大切。本物のアボリジニアートには必ず作家のサインや部族名が記載されています。
地元民が教えてくれた「本当に美味しい」グルメスポット
観光地のレストランは当たり外れが大きいものですが、ケアンズには地元の人が通う本当に美味しい店がたくさんあります。
Ochre Restaurantは確かに有名ですが、実は地元の人はあまり行かないというのが正直なところ。代わりに現地の友人に教えてもらったのが、Waterbar & Grillというシーフードレストラン。ケアンズ・エスプラネードから徒歩5分の場所にあり、新鮮なバラマンディやマッドクラブが地元価格で味わえます。メインディッシュは35~45ドルで、観光地価格の半額程度です。
さらに穴場なのがTrinity Beachエリアの小さなカフェ群。ケアンズ市内から車で約20分、バスなら約30分の場所にあるこのビーチ沿いには、地元サーファーや住民が通う隠れた名店が点在しています。特にCafe Villa Romanoのフィッシュ&チップスは絶品で、料金も15ドル程度とリーズナブル。テラス席から眺める夕日は、高級レストランでは味わえない贅沢さです。
意外と知らない?ケアンズの季節と服装の落とし穴
ケアンズは「常夏」というイメージがありますが、実は乾季(5月~10月)と雨季(11月~4月)で全く違った顔を見せます。多くの観光客が見落としがちなのが、乾季の朝晩の冷え込みです。
7月や8月の乾季のピークでは、朝の気温が15度前後まで下がることもあります。日中は25~28度と快適ですが、早朝のグレートバリアリーフツアーでは薄手のジャケットが必要になることも。船上では風が強く、体感温度はさらに下がります。
一方、雨季は高温多湿で気温は30度を超えますが、スティンガー(毒クラゲ)の発生時期でもあります。11月から5月頃まで、特に海岸線での遊泳には注意が必要。この時期のビーチアクティビティは、必ずスティンガースーツ(全身を覆う薄いウェットスーツ)を着用しましょう。レンタル料は1日約20ドルです。
現地で聞いた「これだけは避けて」という注意点
最後に、現地の人から聞いた重要な注意点をお伝えします。まず、ケアンズ市内での夜間の一人歩きについて。観光エリアは比較的安全ですが、Abbott Streetより西側のエリアは夜10時以降は避けた方が無難です。特に週末の夜はパブから出てきた酔っ払いとのトラブルが起きやすいとのこと。
また、レンタカーを借りる際の注意点として、ケアンズ周辺の道路には「Cassowary Crossing(ヒクイドリ横断注意)」の標識があります。ヒクイドリは体重60キロを超える大型の鳥で、車との衝突事故も発生しています。特に早朝や夕方の山道では速度を控えめにすることが大切です。
お土産選びでは、空港の免税店よりも市内のWoolworthsやColesといったスーパーマーケットの方が、ティムタムやベジマイトなどの定番お土産が3分の1程度の価格で購入できます。営業時間は店舗によって異なりますが、多くは朝7時から夜10時まで開いています。
ケアンズは確かに観光地ですが、ちょっとした工夫と現地情報があれば、より深く、そしてお得に楽しむことができます。何より、地元の人との会話を大切にすることで、ガイドブックには載っていない素晴らしい体験に出会えるはずです。