西安観光で絶対に知らないと損する!兵馬俑だけじゃない古都の隠れた魅力と落とし穴

西安って実際どんな街?想像と違うリアルな姿

西安の街並みと古い城壁

西安と聞くと、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは兵馬俑ですよね。でも実際に足を運んでみると、この街はそんな単純な観光地じゃないことがすぐに分かります。

現代的なビルが立ち並ぶ一方で、明代に築かれた城壁が街をぐるりと囲んでいる光景は、まるでタイムスリップしたような不思議な感覚を覚えます。総延長約14キロの城壁の上は歩けるようになっていて、1周するのに徒歩で約4時間、自転車なら1時間半ほど。入場料は54元(約1,080円)で、朝8時から夜10時まで開放されています。

街の中心部にある鐘楼からは、碁盤の目のように整然と区画された街並みが一望できます。西安駅から鐘楼までは地下鉄2号線で約15分、運賃は3元程度です。

なぜ西安は「長安」と呼ばれていたの?

実は西安という名前になったのは比較的最近で、明の時代から。それ以前は「長安」という名前で、シルクロードの起点として1,000年以上も中国の都として栄えていました。唐の時代には人口100万人を超える世界最大の都市だったんです。

兵馬俑を見に行く前に知っておきたいこと

兵馬俑の壮大な光景

さあ、いよいよ西安観光のハイライト、兵馬俑博物館です。でもちょっと待って。ここで多くの観光客が陥る罠があるんです。

兵馬俑博物館は西安市内から東へ約40キロ離れた場所にあります。市内からバスで約1時間、入場料は120元(約2,400円)と決して安くありません。しかも想像以上に広大で、じっくり見学すると半日は軽く過ぎてしまいます。

私が実際に訪れた時に驚いたのは、兵馬俑の表情がひとつひとつ違うということ。教科書で見た写真では気づきませんでしたが、近くで見ると本当に一体一体が異なる顔をしているんです。現在発見されているだけで約8,000体、まだ発掘されていない部分を含めると総数は不明とされています。

意外と知られていない兵馬俑の秘密

ここでちょっとマニアックな話を。兵馬俑が発見されたのは1974年、農民が井戸を掘っていた時の偶然でした。発見者の楊志発さんは現在も博物館で働いていて、運が良ければサインをもらえることも。また、兵馬俑は元々カラフルに彩色されていたのですが、空気に触れると色が剥がれてしまうため、現在は発掘技術の向上を待って多くの部分が未発掘のまま保存されています。

グルメ天国・西安で絶対食べるべきもの

西安の伝統料理と屋台の風景

観光で疲れたお腹を満たしてくれるのが、西安の豊かな食文化。ここは本当にグルメの街なんです。

まず絶対に外せないのが「羊肉泡馍(ヤンロウパオモー)」。これは羊肉スープに硬いパンを細かくちぎって入れた西安の代表的な料理です。回民街という イスラム系住民の多い地区にある老舗「老孫家」では、1杯25元(約500円)で本格的な味が楽しめます。

そして「肉夹馍(ロウジャーモー)」も忘れちゃいけません。中国式ハンバーガーとも呼ばれる この料理は、特製のパンに煮込んだ豚肉を挟んだもの。街角の屋台なら8元(約160円)程度で食べられます。

回民街で気をつけたいポイントは?

回民街は西安グルメの聖地ですが、観光客向けの店も多く、価格はやや高め。地元の人が通う店を見分けるコツは、漢字とアラビア語の両方で看板が書かれている店を選ぶこと。こういう店の方が本格的で、値段も良心的です。

西安観光で陥りがちな罠と対策

西安の夜景と賑やかな街の様子

さて、ここからは実際に西安を訪れる時に知っておきたい注意点をお話しします。これを知っているかどうかで、旅行の満足度が大きく変わりますよ。

まず偽ガイドに要注意。西安駅や主要観光地周辺で「安い兵馬俑ツアーがある」と声をかけてくる人がいますが、これはほぼ間違いなく詐欺です。偽の兵馬俑展示場に連れて行かれることがあります。正規のバスは駅前の指定乗り場から出ており、運賃は片道7元です。

また、大雁塔の周辺では音楽噴水ショーが有名ですが、平日と週末で開催時間が異なります。平日は20時30分から、週末は21時からの1回のみ。多くの観光客が時間を間違えて待ちぼうけを食らっています。

交通手段で失敗しないコツ

西安の地下鉄は非常に便利で、主要観光地はほぼカバーしています。1日乗車券は25元で、3回以上乗るなら元が取れます。ただし、地下鉄の駅では手荷物検査が必須なので、時間に余裕を持って移動することが大切です。

タクシーを利用する場合は、必ずメーターを使っているか確認を。観光地周辺では交渉制を持ちかけてくる運転手もいますが、大抵の場合メーター料金より高くつきます。

実は穴場!西安の隠れた名所

最後に、ガイドブックにはあまり載っていない、でも地元の人には愛されている場所をご紹介します。

「書院門古文化街」は、文房四宝(筆、墨、硯、紙)の専門店が軒を連ねる静かな通りです。観光客は少なく、本物の中国文化に触れられる貴重な場所。書道に興味がなくても、職人さんの技を間近で見るだけで価値があります。鐘楼から徒歩10分程度の場所にあります。

また、「陝西历史博物館」は中国でも屈指の博物館でありながら、入場料が無料(特別展示は除く)。シルクロード関連の貴重な文物が展示されており、兵馬俑とはまた違った角度から西安の歴史を学べます。ただし人気が高いため、朝一番に行くか事前予約がおすすめです。

地元っ子に愛される憩いの場

夜になったら「大唐不夜城」を散策してみてください。ここは唐の時代をイメージして作られた歩行者専用エリアで、美しくライトアップされた建物群が幻想的な雰囲気を醸し出します。地元の若者たちのデートスポットとしても人気で、観光地化されすぎていない自然な西安の夜を楽しめます。

西安は一見すると兵馬俑だけの街のように思えますが、実際には層の厚い歴史と文化、そして現代的な魅力が複雑に絡み合った奥深い都市です。表面的な観光では味わえない、この街ならではの体験がきっと待っています。事前の準備と正しい知識があれば、きっと忘れられない旅になるはずですよ。