カルタヘナで絶対に避けるべき観光地と本当におすすめしたい隠れスポット

カルタヘナの「定番」に騙されてはいけない理由

カルタヘナの城壁都市の風景

コロンビアのカルタヘナといえば、美しい城壁都市として世界遺産にも登録されている観光地です。しかし、実際に足を運んでみると「あれ?思っていたのと違う…」と感じる場面が少なくありません。私も初回訪問時は、ガイドブックに載っている定番スポットばかりを回って、正直なところ物足りなさを感じました。

カルタヘナの真の魅力は、旧市街の路地裏地元の人しか知らない小さな広場にあります。観光バスが停まる大通りから一歩入った世界こそが、この街の本当の顔なのです。

時間帯を間違えると台無しになる?城壁散策の極意

カルタヘナの城壁(Las Murallas)は確かに美しいのですが、訪れる時間を間違えると大変なことになります。午前10時から午後3時頃までは、気温が35度を超えるうえに日陰がほとんどありません。私が見た限り、この時間帯に城壁を歩いている観光客の多くは汗だくで疲れ切った表情をしていました。

ベストタイミングは夕方5時以降です。この時間になると海からの風が心地よく、夕日が城壁を黄金色に染める絶景が楽しめます。城壁の入場は無料で、24時間開放されているため、夜景を楽しむのも一つの手です。

意外に知られていないのが、城壁の一部に16世紀のスペイン植民地時代の大砲が今でも残されている点です。観光客の多くは素通りしてしまいますが、よく見ると製造年や製造地が刻印されており、歴史好きにはたまらない発見があります。

地元民が教えてくれた「本物の」カルタヘナグルメ

旧市街のレストランは確かに雰囲気は良いのですが、正直なところ観光地価格で味もそれなりです。本当に美味しいカルタヘナ料理を食べたいなら、ゲツェマニ地区(Getsemaní)に足を向けてください。

この地区で絶対に試してほしいのがアレパ・デ・ウエボ(Arepa de Huevo)です。揚げたトウモロコシの生地の中に卵が入った郷土料理で、朝食として地元の人々に愛されています。屋台で購入すれば1個約500ペソ(約15円)という驚きの安さです。

さらにマニアックな情報をお教えすると、カルタヘナには「リモナーダ・デ・ココ」という独特な飲み物があります。ココナッツウォーターにライムを絞った飲み物なのですが、地元の人は砂糖の代わりに塩を少し加えるのが流儀です。最初は驚きますが、暑い気候には塩分補給にもなって理にかなっています。

観光客が知らないカルタヘナの「影の歴史」

カルタヘナの歴史といえば、スペイン植民地時代の華やかな面がクローズアップされがちです。しかし、この街には奴隷貿易の拠点として機能していた暗い過去があります。

旧市街にあるサン・ペドロ・クラベール修道院(Convento de San Pedro Claver)は、「奴隷の聖人」と呼ばれた修道士ペドロ・クラベールが実際に活動した場所です。入場料は8,000ペソ(約240円)で、月曜日は休館です。ここには当時の奴隷貿易の実態を示す展示があり、カルタヘナの複雑な歴史を理解する上で欠かせない場所です。

多くのガイドブックでは軽く触れられる程度ですが、実際に足を運ぶと、この街の美しい建物群が築かれた背景にある重い歴史を感じずにはいられません。

現地で困った時の実用的な対処法

カルタヘナ観光で最も注意すべきはスリと偽警察官です。特に旧市街とゲツェマニ地区を結ぶ橋付近では、観光客を狙った軽犯罪が多発しています。

万が一トラブルに遭遇した場合、最寄りの警察署は旧市街内のPlaza de los Cochesから徒歩2分の場所にあります。また、観光警察(Policía de Turismo)は英語対応可能で、緊急時は123番に電話すれば日本語通訳サービスにつないでもらえることもあります。

交通手段については、タクシーよりもUberの方が安全で料金も明確です。空港から旧市街までは約15,000ペソ(約450円)、所要時間は交通状況により15分から30分程度です。

カルタヘナは確かに美しい街ですが、表面的な観光だけでは本当の魅力は分からないかもしれません。少し勇気を出して定番ルートから外れてみると、きっと忘れられない体験が待っているはずです。