香港観光で99%の日本人が見落とす「裏の顔」-ガイドブックが教えない本当の魅力

「香港って夜景とグルメだけでしょ?」そんな風に思っているなら、この記事を読み終わる頃には考えが180度変わっているはず。実は香港には、日本のガイドブックがほとんど触れない深い魅力が隠れています。3日間で表面だけをサラッと観光するのはもったいない。今回は、香港在住の友人から教わった「本当の香港」をお伝えします。

実は歩いて回れる?香港島の意外なコンパクトさ

香港島の街並みと高層ビル群

多くの人が香港を「巨大な都市」だと思い込んでいますが、観光エリアは驚くほどコンパクト。中環(セントラル)から銅鑼湾(コーズウェイベイ)まで、実は徒歩40分程度なんです。

私が初めて香港を訪れた時、地下鉄で移動ばかりしていましたが、2回目は思い切って歩いてみました。すると、地上レベルでしか味わえない発見がたくさん。湾仔(ワンチャイ)の古い市場や、ビルの谷間に突然現れる小さな寺院など、地下鉄では絶対に気づかない香港の素顔に出会えます。

特におすすめは早朝の散歩。朝6時頃の香港島は、太極拳をする地元の人々や、朝食を求める通勤客で静かに活気づいています。この時間帯なら、普段は観光客でごった返すスター・フェリー乗り場周辺も落ち着いて歩けますよ。

地元民が通う「茶餐廃」って何?本当の香港グルメはここにある

香港の茶餐廃の店内風景

香港グルメといえば飲茶を思い浮かべがちですが、実は地元の人が日常的に通うのは「茶餐廃(チャーチャンテン)」という喫茶レストラン。ここが香港の食文化の真の姿なんです。

茶餐廃では東西の料理が不思議に融合しています。例えば「奶茶(ミルクティー)」は、イギリス統治時代の影響でアフタヌーンティー文化が根付いた証拠。でも香港スタイルは濃厚で甘く、朝食には「菠蘿包(パイナップルパン)」と一緒に楽しみます。

私のおすすめは翠華餐廳(スイワーレストラン)。観光地にも店舗がありますが、地元客で賑わう旺角の店舗なら1人200香港ドル程度で満腹になります。営業時間は店舗により異なりますが、多くが朝6時から深夜まで開いているのも嬉しいポイント。

意外な発見として、香港人は「鴛鴦茶(インヤンティー)」というコーヒーとミルクティーを混ぜた飲み物を愛飲していること。最初は「え?」と思いましたが、飲んでみると癖になる味です。

ビクトリア・ピークの大渋滞を避ける秘策とは?

ビクトリア・ピークからの夜景

香港観光の定番といえばビクトリア・ピークからの夜景。でも、多くの観光客が同じ時間に押し寄せるため、ピークトラムは常に大混雑しています。

実は、地元の人はあまりピークトラムを使いません。バスの15番線を使えば、中環から約30分、運賃もトラムの半分以下の10香港ドル程度。山頂駅に到着する時間もほぼ変わらないんです。

さらに裏技として、午後4時頃に登って夕日を見て、そのまま夜景まで楽しむパターンがおすすめ。多くの人は夜景目当てで夕方以降に来るので、昼間の景色をゆっくり堪能できます。山頂にはスカイテラス428(入場料65香港ドル)という有料展望台がありますが、無料エリアでも十分美しい景色が楽しめますよ。

ただし、山頂は市内より5度程度気温が低いので、薄手のジャケットは必須。私は初回、半袖で行って震えながら夜景を見る羽目になりました。

九龍城砦の記憶を辿る?消えた「魔窟」の痕跡探し

九龍城砦公園の入り口

これは完全にマニアックな話ですが、香港には「九龍城砦」という伝説的な場所がありました。1990年代まで存在した無法地帯で、映画やアニメの舞台としても有名です。

現在その跡地は九龍城砦公園として整備されていますが、周辺を歩くと当時の面影を感じられる場所がまだ残っています。侯王道沿いの古い建物群や、狭い路地に立ち並ぶ小さな食堂は、当時の雰囲気を色濃く残しています。

公園内には城砦の歴史を紹介する展示館があり、入場無料で当時の貴重な写真や模型を見ることができます。開館時間は午前10時から午後6時まで。最寄りの楽富駅からバスで約15分とアクセスは少し不便ですが、香港の知られざる歴史に触れられる貴重な場所です。

オクトパスカードの意外な落とし穴と活用法

香港の地下鉄駅とオクトパスカード

香港観光に欠かせないオクトパスカードですが、実は多くの日本人観光客が損をしています。空港や観光地で売られているツーリスト版は割高で、地元の人が使う通常版の方がお得なんです。

通常版のオクトパスカードは50香港ドルのデポジット込みで購入でき、departure時にデポジットは返金されます。さらに、コンビニやカフェ、さらにはタクシーでも使えるので、小銭を持ち歩く必要がほとんどありません。

意外と知られていないのが、オクトパスカードで支払うと割引になる店が多いこと。マクドナルドや吉野家などのファストフード店では、現金より5-10%安くなります。また、地下鉄の乗り継ぎ時も自動的に割引が適用されるので、1日で元が取れることも珍しくありません。

香港観光で絶対に避けたいトラブルとは?

最後に、私が実際に体験した失敗談から学んだ注意点をお伝えします。まず、タクシーでのぼったくり。特に深夜や早朝は、メーターを使わない悪質なドライバーがいます。必ず「メーター、プリーズ」と声をかけて、嫌な顔をされたら別のタクシーを探しましょう。

また、両替は空港ではなく重慶大厦(チョンキンマンション)で行うのがレート的にお得ですが、初心者には少しハードルが高い場所。銀行での両替が無難で、中環や銅鑼湾なら日本語対応可能な支店もあります。

香港の魅力は、東洋と西洋が混じり合った独特の文化にあります。表面的な観光地巡りだけでなく、地元の人々の暮らしに触れることで、本当の香港の姿が見えてきます。次回香港を訪れる際は、ぜひ今回紹介した「裏の顔」も探してみてください。きっと新しい発見があるはずです。