ゴアって本当にただのビーチリゾートなの?
インドのゴアと聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?青い海、白い砂浜、ヤシの木…確かにそれも間違いではありません。でも実際に足を運んでみると、ガイドブックには載っていない驚きの連続でした。ゴアには450年間続いたポルトガル統治の影響で、インドらしくない独特な文化が息づいているのです。
まず驚いたのは、ゴアの公用語がコンカニ語で、ヒンディー語があまり通じないこと。そして街を歩けばカラフルなポルトガル風の建物が並び、教会の鐘の音が響く光景に出会います。まるでヨーロッパの小さな町に迷い込んだような錯覚を覚えるでしょう。
北ゴアと南ゴア、どっちを選べばいいの?
ゴア州は大きく北部と南部に分かれており、それぞれ全く違う顔を持っています。これを知らずに宿を予約すると、後悔することになりかねません。
北ゴアは若者や外国人バックパッカーが集まる賑やかなエリア。アンジュナビーチやバガビーチでは、夜遅くまで続くビーチパーティーの音楽が聞こえてきます。宿泊費は1泊1000円程度のゲストハウスから選べて、カラングートビーチ周辺には24時間営業のカフェやレストランも点在しています。
一方南ゴアは落ち着いた大人のリゾート地。コルバビーチやベナウリムビーチは静寂に包まれ、高級リゾートホテルが海岸線に並んでいます。1泊5000円以上の予算は必要ですが、プライベート感溢れる滞在が楽しめるでしょう。
オールドゴアの世界遺産、見逃したら絶対後悔する理由
多くの観光客がビーチにばかり目を向けがちですが、オールドゴアを素通りするのは本当にもったいないことです。ここにはゴアの真の魅力が凝縮されています。
ボン・ジェズ教会では、400年以上前の聖フランシスコ・ザビエルの遺体が安置されています。入場は無料で、朝6時から夕方6時まで開放されています。パナジ市内からバスで約30分、運賃は20ルピー程度です。
教会内部の装飾の美しさもさることながら、建物自体がインド最古のバロック建築として世界遺産に登録されているのです。静寂に包まれた空間で、450年前にこの地を訪れた宣教師たちの足跡を感じることができるでしょう。
ゴア料理の真実:実はインド料理じゃないって知ってた?
ゴア観光で絶対に体験してほしいのが、独特な食文化です。長年のポルトガル統治の影響で、ゴア料理は他のインド料理とは一線を画した味わいを持っています。
フィッシュカレーはココナッツベースのマイルドな味付けで、スパイスが苦手な人でも安心して食べられます。一皿150〜200ルピー程度で、どこのレストランでも味わえます。そして意外かもしれませんが、ゴアではポーク料理も一般的。ソルポテルという豚肉の煮込み料理は、まさにポルトガル料理そのものです。
さらに驚くべきは、ゴアがインド国内で唯一アルコールの値段が安い州だということ。ビール1本が80〜100ルピー(約150〜180円)で楽しめ、地元産のフェニ酒という独特な蒸留酒も名物になっています。
意外な落とし穴?ゴア観光で注意すべきポイント
楽園のようなゴアにも、知っておくべき注意点があります。特に初めて訪れる方は、以下のポイントを押さえておきましょう。
モンスーンシーズン(6月〜9月)は避けるのが賢明です。この時期は激しい雨が続き、多くのビーチシャックや観光施設が閉まってしまいます。ベストシーズンは10月から3月で、気温も25〜30度と過ごしやすく、湿度も低めです。
また、ビーチでの麻薬の売人には十分注意してください。特に北ゴアのアンジュナビーチ周辺では、外国人観光客を狙った薬物の売人が存在します。インドの薬物法は非常に厳しく、軽い気持ちで手を出すと重大な結果を招きかねません。
地元の人しか知らない、とっておきのスポット
最後に、ガイドブックにはあまり載っていない穴場をご紹介します。フォンテーニャスという小さな村では、今でもポルトガル統治時代の面影を色濃く残す古い邸宅群を見ることができます。
パナジから車で約1時間の距離にあるサハカリスパイスファームでは、スパイス農園の見学とオーガニック料理の試食が楽しめます。入場料は400ルピーですが、ランチ付きで地元の農業や香辛料について学べる貴重な体験です。
ゴアの魅力は決してビーチだけではありません。ポルトガルとインドの文化が融合した独特な世界を、ぜひその目で確かめてみてください。きっと想像以上の発見と感動が待っているはずです。