メキシコシティで絶対に見逃してはいけない隠れた名所と、観光客が必ず陥る3つの罠

メキシコシティって本当はどんな街?意外すぎる第一印象

メキシコシティの街並みと建物の様子

メキシコシティと聞いて、どんなイメージを持ちますか?実は多くの人が抱く「乾燥した砂漠の街」というイメージは完全に間違いです。標高2240メートルという高地にあるこの街は、年間を通じて涼しく、日本の軽井沢のような気候なんです。

私が初めてメキシコシティの空港に降り立った時、真っ先に感じたのは「涼しい!」でした。8月の真夏だったにも関わらず、気温は22度。むしろ薄手のジャケットが必要なくらいでした。この高地特有の涼しさを知らずに夏服ばかり持参すると、現地で服を買い足すことになります。

街の中心部であるソカロ広場(正式名称:コンスティトゥシオン広場)は、世界最大級の広場の一つ。東西240メートル、南北230メートルという巨大さで、メキシコシティ中心部に位置しています。地下鉄2号線のソカロ駅から徒歩1分という抜群のアクセスの良さも魅力です。

絶対に体験すべき!地元民しか知らない朝の儀式とは?

メキシコシティの朝の風景と地元の人々

早起きが得意な人には、ぜひ体験してほしい特別な光景があります。毎朝6時、ソカロ広場では国旗掲揚式が行われるのですが、これが想像以上に感動的なんです。

真っ暗な広場に集まった地元の人たちと一緒に、静寂の中で国歌が響く瞬間。観光客はほとんどいない、完全に地元の人たちだけの神聖な時間です。この儀式は無料で見学できますが、5時45分頃には広場にいることをおすすめします。

朝食は広場周辺のカフェ・デ・タクバで。1912年創業の老舗で、メキシコの伝統的な朝食「ウエボス・ランチェロス」(目玉焼きをトルティーヤにのせた料理)が絶品です。営業時間は朝7時から夜11時まで、料金は一食150ペソ(約900円)程度です。

知らないと恥をかく?メキシコシティの食事マナー

ここで重要な文化の違いを一つ。メキシコではタコスを手で食べるのが正式なマナーです。フォークとナイフを使うと、「この人はメキシコ料理を知らない観光客だ」と思われてしまいます。最初は戸惑いますが、地元の人の真似をしながら挑戦してみてください。

観光客が必ず陥る3つの罠、これだけは避けて!

メキシコシティ観光で多くの人が失敗する罠があります。私自身も初回訪問時に全てにハマった経験談をお話しします。

罠その1:高山病を軽く見てはいけない

標高2240メートルは富士山の5合目とほぼ同じ。到着初日から無理なスケジュールを組むと、頭痛や息切れに悩まされます。到着日は軽めの観光に留め、水分補給を心がけてください。薬局でアセタゾラミド(高山病薬)も購入できます(処方箋不要、約200ペソ)。

罠その2:日曜日の移動手段を確認しない

多くの美術館や教会は日曜日に特別なスケジュールになります。特に国立人類学博物館は日曜日のメキシコ国民入場無料日で大混雑。外国人は通常通り85ペソの入場料がかかりますが、入場まで2時間待ちということもあります。

罠その3:チップ文化を理解していない

レストランでは料金の10-15%のチップが必要です。特に高級レストランでチップなしだと、スタッフに失礼な印象を与えてしまいます。小額紙幣を多めに持参することをおすすめします。

マニアックすぎる!?本当の地元民が愛する隠れスポット

ガイドブックには絶対に載っていない、でも地元の人なら誰でも知っている場所があります。

メルカド・デ・サンファンは、プロの料理人たちが食材を仕入れに来る市場。ここの2階にある小さな食堂「ドニャ・マリア」では、世界一美味しいと噂されるモーレ(チョコレートベースの複雑なソース)が味わえます。

場所はサンファン・デ・レトラン通り沿い、地下鉄サラゴサ駅から徒歩8分。営業は平日の午前10時から午後4時まで。一皿180ペソ程度ですが、この味を求めて遠方から通う地元民も多いんです。

店主のドニャ・マリアさんは80歳を超えていますが、50年間同じレシピでモーレを作り続けています。使用するスパイスは28種類。観光客がほとんど来ないため、スペイン語しか通じませんが、「モーレ・ポブラーノ、ポル・ファボール」と言えば通じます。

帰国前に絶対やるべき最後のお楽しみ

メキシコシティの思い出を完璧に締めくくる方法があります。それはルチャリブレ観戦です。

アリーナ・メヒコで体験する本物のプロレス文化

毎週火曜・金曜・日曜の夜、アリーナ・メヒコで開催されるルチャリブレは、単なるプロレスではありません。メキシコの文化そのものです。入場料は最安席で150ペソから、リング際のVIP席でも800ペソ程度。

会場へは地下鉄ドクトレス駅から徒歩5分。開始は午後8時30分ですが、7時頃には会場周辺でマスク売りの露店が並び始めます。お土産用のマスクは1個50ペソから購入可能で、日本では絶対に手に入らない本格的なデザインのものが見つかります。

観戦中は周りの観客と一緒に声援を送るのがルール。「ルード(悪役)」には容赦なくブーイングを、「テクニコ(善玉)」には大声援を送りましょう。観客席で売られているテキーラ(1杯80ペソ)を飲みながらの観戦は、メキシコらしい体験です。

空港での最後の裏ワザ、知ってると得する情報

帰国日の空港で、多くの人が見落としている素晴らしいサービスがあります。メキシコシティ国際空港の第1ターミナル3階には、無料の展望テラスがあるんです。

ここからは離陸する飛行機と、遠くにメキシコシティの街並みが一望できます。営業時間は朝6時から夜10時まで。搭乗前の待ち時間に、メキシコシティとの最後の時間を過ごすには最適な場所です。

また、空港内の「Sanborns」というお土産店では、市内より安い価格でバニラエッセンスが購入できます。メキシコ産の本物のバニラは世界最高品質で、小瓶1本(50ml)が120ペソ程度。料理好きの方への完璧なお土産です。

本当に最後の最後、機内での過ごし方

長時間フライトの機内では、メキシコシティで撮影した写真を整理するのがおすすめ。特にソカロ広場の夜景テンプロ・マヨール遺跡の写真は、帰国後に見返すとその時の感動が蘇ってきます。

機内食でメキシコ料理が出ることもありますが、現地で食べた本物の味と比較してみるのも楽しい時間の使い方です。きっと「また行きたい」という気持ちが強くなるはずです。

メキシコシティは一度の訪問では絶対に回りきれない、奥深い魅力に満ちた街です。今回紹介した場所や体験は、次回訪問時の楽しみにとっておくのも良いでしょう。この街は必ずあなたを再び呼び寄せる、そんな不思議な魅力を持っているのです。