フィリピンといえばセブやボラカイが有名ですが、ミンダナオ島最大の都市ダバオは、実は日本人にとって最も親しみやすい隠れた名所なんです。私が初めてダバオを訪れたとき、その意外すぎる魅力に完全に心を奪われました。治安の良さ、清潔さ、そして何より現地の人々の温かさ。今回は3回のダバオ訪問で体験した、ガイドブックには載っていない本当の魅力をお伝えします。
ダバオって実際どんな場所?想像と全然違った第一印象
正直に言うと、ダバオに行く前は「ミンダナオ島って大丈夫?」という不安がありました。でも空港に降り立った瞬間、その綺麗さに驚愕。フランシスコ・バンゴイ国際空港は想像以上にモダンで、日本の地方空港よりも設備が整っているんです。
市内までは約15キロ、タクシーで30分ほど。料金は約200ペソ(約500円)と良心的です。車窓から見える街並みも、マニラのような喧騒とは全く違う落ち着いた雰囲気。道路も整備されていて、渋滞もそれほどひどくありません。
何より驚いたのが、街の清潔さ。ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領が市長時代に進めた都市整備の成果で、ゴミひとつ落ちていない通りがずらり。夜9時を過ぎると路上での飲酒や喫煙も禁止されているため、とても静かで安全なんです。
日系人の歴史が残る、もうひとつのダバオ
実はダバオには深い日本との繋がりがあります。戦前、多くの日本人がマニラ麻(アバカ)栽培のためにこの地に移住し、最盛期には約2万人の日系人コミュニティが形成されていました。現在でもダバオ博物館では、その歴史を丁寧に展示しています。入館料はわずか30ペソ(約75円)、開館時間は午前9時から午後5時まで。
絶対に外せない!ダバオならではの体験スポット
ダバオ観光のハイライトは、なんといっても自然との触れ合い。都市部から少し足を延ばすだけで、息をのむような絶景が待っています。
フィリピンワシを間近で見られる?ワシセンターの感動体験
フィリピンワシセンターは、世界最大級の猛禽類であるフィリピンワシ(モンキーイーティングイーグル)を保護・繁殖させている施設です。市内から車で約45分、入園料は150ペソ(約375円)。
間近で見るフィリピンワシの迫力は圧巻。翼を広げると2メートルを超える巨体と、鋭い眼光。現在野生では800羽程度しか生息していない絶滅危惧種を、こんなに近くで観察できるのは世界でもここだけ。写真撮影も可能ですが、フラッシュは厳禁です。
都市から30分でこの絶景?マラガス・ガーデンリゾートの魔法
意外な穴場がマラガス・ガーデンリゾート。市内から車で約30分の距離にある高原リゾートで、入園料は大人60ペソ(約150円)という破格の安さ。
ここの名物は巨大なドリアンのオブジェ。ダバオはドリアンの産地として有名で、フィリピン国内の約8割がここで生産されているんです。リゾート内には温泉もあり(別料金50ペソ)、疲れた体を癒すことができます。営業時間は午前6時から午後10時まで。
これを食べずして帰れない!ダバオグルメの真実
ダバオの食文化は、他のフィリピンの都市とは一線を画しています。特に海鮮とフルーツの豊富さは圧倒的。
ドリアン初体験、実は甘くて美味しい?
「臭い果物」として有名なドリアンですが、ダバオで食べる新鮮なものは全く別物。マグサイサイ・フルーツスタンドでは、1キロあたり200-300ペソ(500-750円)で購入できます。
地元の人に選んでもらうのがコツ。完熟の見分け方を教えてもらえば、クリーミーで上品な甘さのドリアンに出会えます。最初は小さめのパッケージ(50ペソ程度)から試すのがおすすめ。
知られざるシーフードパラダイス
ダバオ湾で獲れる新鮮な魚介類は絶品。バンカーボート・シーフードでは、その日の朝に獲れた魚を選んで調理してもらえます。特におすすめは地元名産のツナ(マグロ)のグリル。1人前約300ペソ(約750円)で、日本では考えられないボリューム。
意外な名物がチキン・イナサル。バコロドが発祥ですが、ダバオ版は独特のマリネ液で味付けされ、より深いコクがあります。地元チェーン「Mang Inasal」なら1食150ペソ程度で満腹になります。
気をつけて!ダバオ観光で実際に困った体験 気をつけて!ダバオ観光で実際に困った体験
安全で清潔なダバオですが、それでも注意すべきポイントがいくつかあります。私自身の失敗談も含めてお伝えしますね。
ATMでお金が出ない?現金事情の落とし穴
最初の訪問で痛い目に遭ったのが現金問題。ダバオは意外とクレジットカードが使える場所が限られています。特にSMランソンやアイオンモール以外の小さなお店では現金のみ。
さらに困ったのが、ATMでの引き出し限度額。多くのATMで1回につき10,000ペソ(約25,000円)が上限で、手数料も毎回250ペソ程度かかります。長期滞在なら、事前にある程度の現金を両替しておくのが賢明です。
雨季の突然のスコールに要注意
6月から11月の雨季は、本当に突然の大雨に見舞われます。私がエデンネイチャーパークを訪れた際、晴天だったのに30分で土砂降りに。園内のジップラインは即座に営業停止となり、2時間待ちぼうけを食らいました。
雨季の観光では、必ず折り畳み傘と防水バッグを携帯してください。また、屋外アクティビティは午前中に済ませるのがおすすめです。
実際に泊まってわかった!ダバオのおすすめ宿泊エリア
ダバオでの宿泊選びは、観光の充実度を大きく左右します。3回の滞在で様々なエリアに泊まった経験から、本音でお伝えします。
利便性重視なら市街地中心部が正解
マルコポーロホテル周辺のCBD(中央商業地区)エリアは、レストランやショッピングモールへのアクセスが抜群。タクシーも捕まりやすく、初回訪問なら間違いない選択です。中級ホテルなら1泊4,000-6,000ペソ程度。
予算重視ならZホテルがおすすめ。清潔で朝食付きでも1泊2,500ペソ程度。ただし、部屋によってはWi-Fiが弱いので、予約時に高層階をリクエストしましょう。
意外な盲点?交通手段の使い分けテクニック
ダバオ市内の移動はジプニーが最も安く、どこまで乗っても15ペソ程度。ただし、ルートが複雑で観光客には難易度高め。安全性を考えるとタクシーが無難で、メーター制で初乗り40ペソから。
最近人気なのが配車アプリ「Grab」。料金が事前にわかり、ドライバーの評価も確認できるため安心です。空港からSMモールまで約150ペソと、タクシーとほぼ同額。
ダバオから日帰りで行ける絶景スポット
ダバオを拠点にすれば、驚くほど多様な自然体験が可能です。特におすすめの日帰りスポットをご紹介。
サマル島の白砂ビーチが想像以上だった
ダバオ市内からサマル島へは、バンカーボートで約45分。往復800ペソ程度で、真っ白な砂浜と透明度抜群の海を満喫できます。特にカプトゥラハン・ビーチは観光客も少なく、まさに秘境の雰囲気。
島では新鮮なウニやイセエビも味わえます。地元漁師から直接購入すれば、ウニ1盛り100ペソ程度。日本では考えられない贅沢です。
クロコダイルパークで爬虫類と大接近
クロコダイルパークは市内から約30分、入園料150ペソ。名前通りワニの展示が有名ですが、実は希少な鳥類や蝶々の展示も充実。特に巨大なオオトカゲとの記念撮影(別料金50ペソ)は、なかなかできない体験です。
ダバオで感じた、本当のフィリピンの魅力
3回の訪問を通じて感じたのは、ダバオが持つ独特の「ちょうど良さ」。都市の利便性と自然の豊かさ、モダンさと伝統的な温かさが絶妙にバランスしているんです。
特に印象的だったのは、地元の人々の教育レベルの高さ。多くの人が流暢な英語を話し、日本や日本文化にも深い理解を示してくれます。これは戦前の日系移民の影響もあるのかもしれません。
物価も手頃で、中級レストランでの食事は1人500-800ペソ程度。マッサージも1時間400ペソ前後と、日本の10分の1以下。長期滞在でも負担になりません。
ダバオは確実に、これから注目される東南アジアの観光地になるでしょう。まだ観光客が少ない今のうちに、この隠れた楽園を体験してみてください。きっと、フィリピンに対する印象が大きく変わるはずです。