テーブルマウンテンのケーブルカーが動かない日があるって知ってました?南アフリカ観光で絶対知っておくべき現実

風速60km/hで運休?テーブルマウンテンの知られざる現実

テーブルマウンテンの壮大な平らな山頂

ケープタウンのシンボル、テーブルマウンテン。平らな山頂が特徴的なこの山は、確かに絶景スポットです。でも観光ガイドブックには書かれていない現実があります。それはケーブルカーが頻繁に運休するということ。

南アフリカの強風は想像以上で、風速が60km/hを超えると安全のためケーブルカーは運行停止になります。特に夏季(12月〜2月)は「ケープドクター」と呼ばれる強風が吹くため、せっかく来たのに山頂に上がれない観光客が続出するんです。

私が初めて訪れた時も、朝から快晴だったのに昼過ぎから突然の強風で運休。地元の人に聞くと「テーブルマウンテンあるある」だと笑われました。料金は大人往復395ランド(約3,200円)と決して安くないので、事前の天候チェックは必須です。

実は登山道がある?歩いて登る選択肢

テーブルマウンテンの登山道を歩く人々

ケーブルカーが運休でも諦める必要はありません。実はプラッテクリップ・ゴルジュという登山ルートがあるんです。片道2〜3時間のハイキングコースで、地元の人たちは普通に歩いて登っています。

ただし、これが想像以上にハード。急勾配の岩場を鎖につかまりながら登る箇所もあり、運動不足の観光客にはかなりの試練です。でも苦労して登った分、山頂からの360度パノラマは格別。ケープタウンの街並み、大西洋とインド洋が出会う海、そして遠くに見えるケープ半島まで一望できます。

登山する場合は必ず複数人で行き、午前中早めのスタートがおすすめ。午後は雲がかかりやすく、視界が悪くなることが多いからです。また、この国立公園は1938年に設立された南アフリカ最古の国立公園の一つで、固有植物フィンボスの宝庫でもあります。

山頂で出会う意外な住人たち

テーブルマウンテンの山頂には、意外な住人がいます。それはロックダシーという小さな哺乳動物。見た目はネズミのようですが、実は象に最も近い動物なんです。DNA解析で判明したこの事実は、生物学者も驚いた発見でした。

人懐っこくて観光客の近くまで寄ってくるので、つい餌をあげたくなりますが絶対にNG。野生動物への餌やりは禁止されているし、人間の食べ物は彼らの健康を害します。でも写真撮影は大丈夫。愛らしい姿にきっと癒されるはずです。

山頂には小さなカフェもあり、南アフリカワインを楽しみながら景色を眺められます。ただし風が強い日は屋外席は使えないので、屋内で景色を楽しむことになります。営業時間はケーブルカーの運行時間と連動していて、通常は8時30分から17時頃まで。

夕日の時間帯が実は一番危険?

多くの観光客が夕日を見ようと夕方に訪れますが、実はこれが一番リスクが高い時間帯。テーブルマウンテンは急激に天候が変わりやすく、夕方は特に「テーブルクロス」と呼ばれる雲が山頂を覆うことがあります。

この雲に包まれると視界はほぼゼロ。気温も急激に下がり、半袖では震えるほど寒くなります。最悪の場合、ケーブルカーが運休してハイキングで下山することになるため、必ず防寒着を持参してください。

地元ガイドによると、午前中の方が安定した天候で景色も楽しめる確率が高いそうです。特に朝8時台は観光客も少なく、ゆっくり写真撮影ができます。ケープタウン市街地からのアクセスは車で約20分、タクシーなら往復で1,000ランド程度が相場です。

帰り道で気をつけたいセキュリティ事情

テーブルマウンテン自体は安全ですが、問題は帰り道。特に夕方以降、人気の少ないエリアを一人で歩くのは避けてください。ケープタウンは治安面で注意が必要な都市で、観光地周辺でも油断は禁物です。

信号灯下駅周辺の駐車場でも車上荒らしが発生することがあります。貴重品は絶対に車内に残さず、できればツアーやタクシーでの移動をおすすめします。現地ツアーは一人500ランド程度から参加でき、ガイド付きなので安心です。

それでも、これらの注意点を守って訪れる価値は十分にあります。世界新七不思議にも選ばれたテーブルマウンテンからの絶景は、一生忘れられない思い出になるはず。風の状況をチェックして、準備万端で挑んでくださいね。