アリカンテ観光で絶対に犯してはいけない3つの失敗談と、地元民だけが知る隠れた絶景スポット

アリカンテって本当にスペインの隠れた名所なの?

アリカンテの美しい海岸線と旧市街

スペイン東部のコスタ・ブランカに位置するアリカンテ。バルセロナやマドリードの陰に隠れがちですが、実は地中海の真珠と呼ばれるほど美しい街なんです。私が初めて訪れたとき、「なぜもっと早く来なかったのか」と後悔したほどでした。

人口約33万人のこの港町は、サンタ・バルバラ城という古い要塞が見守る歴史ある街。でも観光客の多くが犯す失敗があります。それは「ビーチだけ見て帰ってしまう」こと。アリカンテの真の魅力は、実は旧市街の石畳の路地や、地元民しか知らない展望台にあるんです。

マドリードから高速列車AVEで2時間30分、バレンシアからは1時間30分でアクセス可能。でも到着時刻を間違えると、とんでもない失敗をすることになります。

失敗談その1:真夏の昼間にサンタ・バルバラ城に登った悲劇

サンタ・バルバラ城からの眺望

アリカンテ観光のハイライトといえば、標高166メートルのベナカンティル山にそびえるサンタ・バルバラ城。9世紀にムーア人が建設し、16世紀にスペイン人が拡張したこの要塞からの眺めは息をのむほど美しいのですが…。

私が犯した最大の失敗は、7月の午後2時に徒歩で登ったこと。気温38度の灼熱の中、石段を1時間近く登り続ける羽目になりました。途中で何度も休憩し、水を3本も消費。同じような観光客が次々とリタイアしていく光景を目の当たりにしました。

賢い選択はエレベーターを使うこと。アベニダ・ホベジャーノス通りから入場料2.7ユーロで利用できます。営業時間は10時から20時(夏季は22時まで)。でも本当におすすめしたいのは夕方17時以降の訪問です。

夕日に染まる地中海と、眼下に広がるアリカンテの街並みは、まさに絶景。地元のカップルたちがデートスポットとして愛用しているのも納得です。城内には小さなカフェもあるので、サングリアを飲みながらゆっくり景色を楽しめます。

城で出会った地元ガイドが教えてくれた秘密

城の北側テラスには、観光客がほとんど気づかない隠れた展望スポットがあります。そこから見える景色は、メインの展望台よりも美しいと地元の人が口を揃えて言います。標識もないので、知る人ぞ知る場所なんです。

失敗談その2:ポストゲテ海岸で日焼け止めを忘れた災難

ポストゲテ海岸の美しいビーチ

アリカンテ中心部から徒歩5分のポストゲテ海岸は、市内で最も人気のビーチです。全長900メートルの白い砂浜と透明度の高い海は、ブルーフラッグ認定を受けるほど美しいのですが、ここで私は人生で最もひどい日焼けをしました。

「曇っているから大丈夫」と高を括っていたのが運の尽き。地中海の紫外線は日本の1.5倍強いうえ、海面の反射でさらに強烈になります。結果、背中が真っ赤になり、その後3日間はシャツを着るのも辛い状態に。

ビーチにはパラソルレンタル(1日15ユーロ)やビーチチェア(1日10ユーロ)がありますが、7月8月は早朝から場所取り競争が始まります。午前9時には良い場所はほぼ埋まってしまうので、早起きは必須です。

地元民が愛用する穴場ビーチとは?

観光客でごった返すポストゲテ海岸に疲れたら、北に15分歩いたサン・ファン海岸へ。こちらは地元の家族連れが多く、のんびりとした雰囲気が楽しめます。近くには美味しいパエリア店も点在しています。

失敗談その3:旧市街で道に迷って見つけた意外な発見

アリカンテ旧市街の石畳の街並み

バリオ・デ・ラ・サンタ・クルスと呼ばれる旧市街は、迷路のような石畳の路地が魅力的。でも私はここで完全に道に迷い、30分以上さまよい歩くことになりました。スマートフォンのGPSも狭い路地では役に立たず、焦りばかりが募りました。

でもこの「失敗」が、思わぬ発見をもたらしてくれました。迷った末にたどり着いたのが、サン・ニコラス・デ・バリ大聖堂旧市街で絶対に食べるべき隠れグルメ

道に迷った甲斐があったのが、カジェ・マヨール通りで見つけたタベルナ・イベリカという小さなバル。ここのアロス・ア・バンダ(魚介の出汁で炊いたお米料理)は絶品で、1人前12ユーロと驚くほどリーズナブル。地元の漁師さんたちが常連客で、新鮮な魚介類を使った料理が自慢です。

地元民だけが知る絶景スポット「エル・ポスティゲ展望台」

エル・ポスティゲ展望台からの夜景

最後にご紹介するのが、ガイドブックにはほとんど載っていないエル・ポスティゲ展望台。旧市街の北端、住宅街の中にひっそりと佇むこの展望台は、地元の人でさえ知らない人が多い穴場中の穴場です。

ここからの眺めは、サンタ・バルバラ城とは全く違う角度からアリカンテの街を見下ろせます。特に夕暮れ時は、オレンジ色に染まる街並みと紺碧の海のコントラストが圧巻。観光客は皆無で、たまに地元のカップルが訪れる程度の静かな場所です。

アクセスはトラム1号線のルセロス駅から徒歩15分。案内板もないので、地図アプリを頼りに住宅街の細い坂道を上がっていく必要があります。少し分かりにくいですが、その分特別感のある絶景に出会えます。

アリカンテ観光で押さえておきたい実践的なコツ

アリカンテ観光で知っておくべき重要なポイントをいくつか。まず、シエスタの時間(14時から17時)は多くの店が閉まるので、この時間帯はビーチで過ごすか、開いているカフェで休憩するのがベスト。

交通手段はトラムが便利で、1日券4.85ユーロで市内と近郊ビーチを結んでいます。特にサン・ファン海岸やアルブフェレタ海岸へのアクセスに重宝します。

食事は昼食が14時から16時、夕食が21時以降と遅めなので、日本人には少し調整が必要です。でもこのリズムに合わせると、地元の人たちと同じように街を楽しめるようになります。

アリカンテは決して大きな街ではありませんが、歴史、自然、グルメ、そして何より人々の温かさが詰まった素晴らしい場所。失敗を恐れずに路地を歩き、地元の人と触れ合い、自分だけの発見をしてください。きっと忘れられない旅になるはずです。