思っていたのと違う？チャウエンビーチの現実
タイのサムイ島にあるチャウエンビーチ。多くのガイドブックでは「美しい白砂のビーチ」と紹介されていますが、実際に足を運んでみると、想像していた静かな楽園とは少し違う光景が広がります。全長約7キロのこのビーチは、サムイ島で最も賑やかで商業的に発達したエリア。朝7時頃から夜中まで、観光客や地元の商売人で溢れかえっています。
ビーチ沿いには無数のレストランやバー、マッサージ店が軒を連ね、静寂を求めて来た人にとっては少々騒がしく感じるかもしれません。でも、この賑やかさこそがチャウエンビーチの魅力でもあるのです。料金は他のビーチエリアより高めで、ビーチチェアのレンタルは1日約200バーツ（約800円）、食事も観光地価格となっています。
知らないと損する！ビーチの使い分け術
チャウエンビーチは実は北部、中央部、南部で全く違う顔を持っています。北部のチャウエンノイは比較的静かで、家族連れに人気。中央部は最も賑やかで、若者やパーティー好きが集まります。南部は岩場が多く、シュノーケリングに適しているんです。地元の人は「チャウエンは3つのビーチが1つになった」と表現することがあります。
現地で体験した「本当のチャウエンビーチ」
朝6時半、まだ観光客が少ない時間帯に訪れると、全く違うチャウエンビーチに出会えます。地元のタイ人たちがジョギングをし、漁師が小さなボートで沖に向かう姿を見ることができます。この時間帯なら、ガイドブックで見たような美しいビーチの写真も撮影可能です。
午前9時を過ぎると、徐々に観光客が増え始めます。ジェットスキー（30分約1,500バーツ）やバナナボート（15分約800バーツ）などのマリンアクティビティが本格的にスタート。特にジェットスキーは、インストラクターが同乗して約30分間、サムイ島の海岸線を案内してくれるツアー形式が人気です。
マリンアクティビティの意外な落とし穴
多くの観光客が知らないのは、チャウエンビーチでのマリンアクティビティには「価格交渉の余地がある」ということ。特に夕方4時以降は、その日の売上目標に達していない業者が値下げに応じることが多いんです。ただし、安全装備の確認だけは怠らないでください。
地元民しか知らない絶品グルメスポット
チャウエンビーチ周辺には、観光客向けのレストランが数多くありますが、本当に美味しい料理を味わいたいなら、ビーチから少し内陸に入った場所を探してみてください。特にチャウエンビーチロードの裏通りには、地元の人々が通う小さな食堂が点在しています。
私が特に印象に残っているのは、ビーチロードから徒歩3分ほどの場所にある名前のない小さなタイ料理店。看板もほとんど出ていませんが、地元の人々で常に賑わっています。ここのソムタム（青パパイヤサラダ）は1皿60バーツ（約240円）と激安で、本格的な辛さが楽しめます。営業時間は午前11時から午後9時まで。
ビーチフードの真実とは？
ビーチ沿いのレストランでは、新鮮な海産物を売りにしている店が多いのですが、実はサムイ島で取れる魚は限られています。多くの店では、本土から運ばれてきた冷凍の海産物を使用しているのが現実。本当に新鮮な魚を食べたいなら、朝一番に漁から戻ってきた漁師から直接購入している店を選ぶのがコツです。
夜のチャウエンが見せる別の表情
日が沈むと、チャウエンビーチは全く違う顔を見せます。ビーチ沿いのバーやクラブが営業を始め、音楽と笑い声が夜空に響きます。特にフルムーンパーティーの前後や週末は、朝方まで賑やかな時間が続きます。
しかし、ここで注意したいのは安全面です。夜間のビーチは照明が限られており、酔っぱらった観光客同士のトラブルも時々発生します。また、深夜になると一部のバーでは法外な料金を請求されるケースもあるため、事前に価格を確認することが重要です。
知る人ぞ知る夜の楽しみ方
観光客の多くが知らない夜の楽しみ方として、ビーチでの星空観賞があります。チャウエンビーチの南端、岩場の近くは街灯が少なく、意外にも美しい星空を楽しむことができます。特に乾季の12月から4月にかけては、天の川もはっきりと見えるんです。地元のタイ人カップルたちの隠れたデートスポットでもあります。
避けて通れないトラブルと対処法
チャウエンビーチで最も多いトラブルは、ジェットスキーの事故や損傷に関する高額請求です。レンタル業者の中には、元々あった傷を借り手の責任にして修理代を請求する悪質なケースがあります。利用前には必ず機体の写真を撮影し、傷や損傷箇所を業者と一緒に確認することが重要です。
また、ビーチでのマッサージサービスにも注意が必要です。料金は1時間300バーツからとリーズナブルですが、施術中に追加料金を要求されることがあります。事前に総額を確認し、可能であれば料金を書面でメモしてもらいましょう。
雨季の意外な魅力とは？
多くの観光客が避けがちな雨季（5月から10月）ですが、実はこの時期にしか体験できない魅力があります。激しいスコールの後の澄んだ空気、観光客が少ない静かなビーチ、そして何よりも宿泊費やアクティビティ料金が大幅に安くなります。雨は通常1日2〜3時間程度で止むため、タイミングを見計らえば十分楽しめるんです。
チャウエンビーチを最大限楽しむための秘訣
チャウエンビーチを訪れる際の最大のコツは、「期待値の調整」です。手つかずの自然やひっそりとした秘境を求めるなら、他のビーチを選んだ方が良いでしょう。しかし、活気ある雰囲気、充実したインフラ、多様なアクティビティを楽しみたいなら、チャウエンビーチは最適な選択です。
朝の静寂、昼の賑わい、夜のエネルギッシュな雰囲気。一つのビーチで三つの異なる体験ができるのは、チャウエンビーチならではの魅力です。商業的に発達しているからこそ、初心者でも安心して楽しめる環境が整っているとも言えます。
最後に、チャウエンビーチでの滞在を最大限楽しむなら、少なくとも2日間は時間を確保することをお勧めします。1日目で全体の雰囲気を把握し、2日目により深く楽しむ。そんな使い分けができれば、きっとこのビーチの真の魅力を発見できるはずです。