アンカラ観光で99%の日本人が見落とす「トルコの意外すぎる首都」の隠れた魅力

イスタンブールじゃないの?アンカラが首都だと知らない日本人が多すぎる件

アンカラの街並みと首都の風景

トルコの首都はどこですか?この質問に「イスタンブール」と答える日本人が実に9割以上。でも正解はアンカラなんです。人口約540万人のこの都市は、1923年にトルコ共和国の首都に定められました。標高約850メートルの高原に位置し、イスタンブールとはまったく違う魅力を持っています。

実際に訪れてみると、政治の中心地らしい落ち着いた雰囲気と、意外なほど豊富な観光スポットに驚かされます。イスタンブールから高速鉄道で約3時間半、飛行機なら1時間15分でアクセス可能。多くの旅行者が素通りしてしまう場所だからこそ、本当のトルコを感じられる穴場なんです。

アタテュルク廟は想像以上に圧巻?近代トルコの父に会いに行く

アタテュルク廟の壮大な建築

アンカラ観光で絶対に外せないのがアタテュルク廟(アヌトゥカビール)です。トルコ共和国の建国者ムスタファ・ケマル・アタテュルクが眠るこの霊廟は、想像をはるかに超える壮大さ。

入場は無料で、4月から10月は朝9時から夕方5時まで、11月から3月は朝9時から夕方4時まで開館しています。セキュリティチェックがあるので、大きな荷物は持参しないほうが賢明です。

特に印象的なのは、毎時0分に行われる衛兵交代式。ピシッと決まった制服姿の兵士たちが、厳粛な雰囲気の中で行進する様子は圧巻です。廟内の博物館では、アタテュルクの愛用品や当時の写真が展示されており、近代トルコの歴史を肌で感じることができます。

実は、この霊廟の建設には9年もの歳月がかかったという裏話があります。1944年に設計コンペが開催され、世界各国から応募があったほど注目されたプロジェクトでした。

古代遺跡好きなら絶対行くべき?アナトリア文明博物館の衝撃

アナトリア文明博物館の展示品

考古学ファンじゃなくても魅了されるのがアナトリア文明博物館。ここは1997年にヨーロッパ年間最優秀博物館賞を受賞した、世界レベルの博物館なんです。

入場料は大人45トルコリラ(約270円)で、火曜日から日曜日の朝9時から夕方5時まで開館。月曜日は休館日なので注意してください。アンカラ城の麓にあり、市内中心部からバスで約20分の距離です。

ここで見逃せないのは、紀元前8000年頃の新石器時代から始まる膨大なコレクション。特にヒッタイト帝国の遺物は他では見られない貴重なものばかり。楔形文字で書かれた粘土板や、精巧な金製品の数々に目を奪われます。

意外な見どころは、世界最古の鏡とされる黒曜石の鏡。約8000年前のものとは思えないほど美しく研磨されており、古代人の技術力の高さに驚かされます。音声ガイドは英語版もありますが、日本語版はないので事前に基礎知識を調べておくと楽しさ倍増です。

アンカラ城からの夕日が美しすぎる?知る人ぞ知る絶景スポット

アンカラ城から見る夕日の風景

アンカラ城(ヒサール)は、実は地元の人たちにとって隠れたデートスポット。観光バスが来ることは滅多にないので、静かに景色を楽しめます。

この城は7世紀頃に建てられたビザンチン時代の要塞で、入場は無料。城壁の上からはアンカラの街を一望でき、特に夕方の時間帯は絶景です。高原都市ならではの乾いた空気と澄んだ空が、夕日を一層美しく見せてくれます。

城内には小さなカフェやお土産屋さんが点在しており、トルコらしいカラフルな絨毯や陶器を眺めながらゆっくり散策できます。地元のおばあちゃんたちが手編みの靴下やスカーフを売っている光景も、なんだかほっこりします。

ここでしか味わえない体験は、城壁に座って地元の若者たちと同じように街を眺めること。観光地らしくない、日常の中の美しさを感じられる貴重な時間です。アクセスは市内中心部から徒歩約15分、坂道なので歩きやすい靴がおすすめです。

本場のドンドルマは別格?アンカラでしか食べられない絶品グルメ

アンカラの名物料理とドンドルマ

アンカラの食文化は、首都らしく全国各地の名物が集まる一方で、この土地ならではの特別な味もあります。まず試してほしいのが本場のドンドルマ(トルコアイス)。日本でも有名ですが、現地で食べるそれは別格の美味しさです。

特におすすめは、ウルス地区にある老舗「Mado」の支店。1杯約15トルコリラ(約90円)で、職人さんが目の前でパフォーマンスしながら作ってくれます。あの粘り気の正体は、サーレップという蘭の球根から作られる粉末。これがトルコアイス独特の食感を生み出しています。

アンカラ名物「タンドゥル・ケバブ」の秘密とは?

意外と知られていないのがタンドゥル・ケバブというアンカラの郷土料理。これは壺のような形をした特殊な窯で焼く羊肉料理で、肉がほろほろと柔らかく、香辛料の香りが絶妙です。

キジライ地区の「Hacı Arif Bey Restaurantı」では、創業60年の老舗の味を楽しめます。1人前約80トルコリラ(約480円)と手頃な価格で、付け合わせのピラフと一緒に味わうのが地元流。営業時間は昼12時から夜11時まで、金曜日の昼は混雑するので平日がおすすめです。

意外すぎる落とし穴?アンカラ観光で気をつけたいポイント

アンカラ観光で最も注意すべきは標高の高さです。海抜850メートルという立地のため、イスタンブールより気温が5〜10度低くなります。夏でも朝晩は冷えることがあるので、薄手のジャケットは必携です。

また、公共交通機関は意外と複雑。地下鉄、バス、ドルムシュ(乗り合いバス)が入り組んでおり、初心者には分かりにくいシステムです。観光地間の移動は、素直にタクシーを利用するのが無難。初乗り料金は約15トルコリラ(約90円)からです。

宗教施設での服装マナーは大丈夫?

アンカラにはコジャテペ・モスクという美しいモスクがありますが、入場時の服装には注意が必要です。女性は髪を覆うスカーフと長袖・長ズボンが必須、男性も短パン・タンクトップは避けてください。入口でスカーフの貸し出しもありますが、自分で用意しておくとスムーズです。

金曜日の昼12時から午後2時頃は礼拝時間のため観光客の入場が制限されることもあります。平日の午前中が見学には最適な時間帯です。

アンカラだからこそ感じられる「本当のトルコ」

最後に、アンカラ観光の真の魅力をお伝えしたいと思います。この街には、イスタンブールのような華やかな観光地らしさはありません。でもだからこそ、等身大のトルコ人の生活や文化に触れることができるんです。

街を歩けば、政府関係者らしいスーツ姿の人々と伝統的な服装のお年寄りが自然に共存している光景に出会います。カフェでは地元の学生たちが熱心に勉強し、公園では家族連れがピクニックを楽しんでいる。そんな何気ない日常こそが、アンカラの最大の魅力なのかもしれません。

観光地として派手さはないかもしれませんが、トルコという国の「今」を感じたいなら、アンカラほど適した場所はないでしょう。次回トルコを訪れる際は、ぜひ首都アンカラにも足を向けてみてください。きっと新しい発見があるはずです。