映画で見たサンタモニカと現実のギャップに驚愕
ハリウッド映画で何度も見たあの美しいビーチタウン、サンタモニカ。青い海、白い砂浜、颯爽と歩く美男美女たち…そんなイメージを抱いて初めて訪れた私は、正直言って最初の30分で「あれ?」と思いました。
サンタモニカピア周辺は想像以上に観光地化されていて、地元の人より観光客の方が圧倒的に多いんです。しかも平日の午前中でも結構な人混み。ロサンゼルス国際空港から車で約30分という好立地だからこそ、世界中からの旅行者が押し寄せているんですね。
でも、がっかりしないでください。サンタモニカの本当の魅力は、表面的な観光地の奥に隠されているんです。私が3日間かけて歩き回って見つけた、ガイドブックには載っていない素顔をお見せしましょう。
ピアだけじゃない!本当のサンタモニカはここから始まる
多くの観光客はサンタモニカピア(入場無料、24時間開放)で写真を撮って満足してしまいます。確かにあの観覧車は映画「フォレスト・ガンプ」にも登場した有名スポットですが、実はピアから少し離れた場所にこそ、地元民が愛する本当のサンタモニカがあるんです。
ピアから北に15分ほど歩くと、観光客がぐっと少なくなります。そこにあるのは地元のサーファーたちが集まる静かなビーチエリア。朝7時頃に行くと、犬の散歩をする住民や本格的なサーフィンを楽しむ人たちの日常風景に出会えます。
サードストリートプロムナードの意外な落とし穴
サードストリートプロムナードは確かに楽しいショッピングエリアです。歩行者天国になっている3ブロック(約500メートル)には、有名ブランド店からお土産屋さんまで約150店舗が軒を連ねています。
でも、ここには大きな落とし穴が。平日でも夜9時以降は雰囲気が一変するんです。ストリートパフォーマーや物売りの人たちが増え、観光客を狙った客引きも目立つように。特に女性の一人歩きは避けた方が賢明です。
地元民しか知らない絶品グルメスポット
プロムナードの有名レストランは確かに美味しいのですが、値段も観光地価格。でも、プロムナードから2ブロック東に入ったメイン ストリートには、地元民が通う隠れた名店が点在しています。
特におすすめは、1947年創業の老舗カフェ「ペンギン カフェ」。ここの朝食は8ドルから楽しめて、ボリュームも味も申し分なし。営業時間は朝6時から午後3時までと早めですが、本物のアメリカンブレックファストを味わえます。
ベニスボードウォークとの境界線で起こる不思議
サンタモニカから南に歩いて約15分、ベニス ビーチとの境界線に差し掛かると、街の雰囲気が劇的に変わります。綺麗に整備されたサンタモニカから一転、アーティスティックで少しカオスなベニスの世界へ。
この境界線を歩いていて気づいたのが、同じビーチなのに砂の色が微妙に違うこと。サンタモニカ側は白っぽい砂、ベニス側は少し茶色がかった砂になっているんです。これは海流の関係で運ばれてくる砂の成分が異なるからだそう。地質学に詳しい地元のライフガードさんに教えてもらった、マニアックすぎる豆知識です。
駐車場問題は事前準備で解決
サンタモニカ観光最大の難問は駐車場です。週末のピア周辺は1時間25ドルという法外な料金。でも、地元民は知っています。ピアから徒歩10分の住宅街には、1日最大12ドルのパーキングメーターがあることを。
平日なら午前10時前に到着すれば、比較的安い駐車場を見つけられます。公共交通機関なら、ロサンゼルスのダウンタウンからメトロ エクスポ ラインで約45分、片道1.75ドルでアクセス可能です。
夕日タイムの隠れスポット教えます
サンタモニカの夕日は確かに美しいのですが、ピアの観覧車付近は夕日タイムになると人だかりができて、ゆっくり眺めるどころではありません。でも、諦めないで。
ピアから北に歩いて5分、アナンバーグ ビーチハウスの前のビーチエリアは地元民だけが知る絶景スポット。ここなら人混みを避けて、太平洋に沈む美しいサンセットを独り占めできます。
夕日の時間は季節によって異なりますが、夏場は午後7時30分頃、冬場は午後5時頃がベストタイミング。ビーチに座り込んで眺める夕日は、まさに映画のワンシーンそのものです。
意外と知らない?サンタモニカの歴史秘話
実はサンタモニカ、1800年代後半まではほとんど人が住んでいない荒野だったんです。現在の賑やかな観光地になったのは、1909年にサンタモニカピアが建設されてから。当時は「西海岸のコニーアイランド」と呼ばれていました。
さらに驚くのは、あの有名な観覧車。現在設置されているものは実は3代目で、初代は1996年まで存在していた木製の観覧車だったそう。地元の博物館「サンタモニカ ヒストリー ミュージアム」(入館料5ドル、火曜〜土曜の午前10時〜午後5時開館)で、こうした知られざる歴史を学べます。
本当に気をつけるべきことと対処法
ガイドブックには「治安が良い」と書かれがちなサンタモニカですが、実際に滞在してみると注意すべきポイントがいくつかあります。
まず、置き引き。ビーチで荷物を置いて海に入る際は要注意です。地元民は必ず誰かが荷物番をするか、貴重品は持参しません。観光客とバレると狙われやすくなるので、高価なアクセサリーや大きなカメラは控えめに。
また、ビーチでの日焼け対策は必須。カリフォルニアの紫外線は日本の約1.5倍強く、曇りの日でも30分で真っ赤になります。現地のドラッグストアでSPF50以上の日焼け止めを購入しましょう(約15ドル)。
リピーターが教える最高の楽しみ方
3回目のサンタモニカ訪問で気づいたのが、時間帯によって全く違う顔を見せることです。朝の6時から8時は地元民の時間、日中は観光客の時間、そして夕方5時以降は再び地元色が強くなります。
特におすすめは早朝のビーチウォーキング。朝霧が立ち込める静かなビーチを歩いていると、突然イルカの群れに遭遇することも。これは観光バスでは絶対に体験できない、サンタモニカの隠れた魅力です。
最後に、お土産選びのコツ。ピア周辺の店は観光客価格ですが、サンタモニカ ファーマーズ マーケット(水曜・土曜の午前8時30分〜午後1時30分)なら、地元産のオーガニック食品やハンドメイド雑貨を適正価格で購入できます。
サンタモニカは確かに観光地ですが、少し視点を変えるだけで、映画以上に魅力的な体験ができる場所でもあります。表面的な観光では物足りない方こそ、ぜひ地元民の視線でこの街を歩いてみてください。