マイアミと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、青い海とビーチ、そしてパーティーの街というイメージでしょう。でも実際に足を踏み入れると、「あれ、思っていたのと違う…」と感じる人が意外と多いんです。私も初めてマイアミを訪れた時、予想以上に複雑で奥深い街だと痛感しました。今回は、そんなマイアミの本当の姿を、失敗談も交えながらお伝えします。
サウスビーチだけがマイアミじゃない?本当の魅力はここにある
多くの観光客が集中するサウスビーチ。確かに美しいビーチですが、ここだけで満足してしまうのはもったいないです。実は、マイアミの真の魅力は街全体に散らばっているんです。
サウスビーチのオーシャンドライブ沿いには、1930年代のアールデコ建築が立ち並びます。この地区は世界最大規模のアールデコ歴史地区として知られていますが、多くの人が写真を撮って終わり。でも実は、これらの建物の多くがホテルやレストランとして営業しており、内部も見学できるんです。
特に夕方から夜にかけての時間帯は、建物がライトアップされて幻想的な雰囲気に。ビーチで泳ぐだけでなく、建築散歩も楽しんでみてください。オーシャンドライブは24時間歩けますが、建物の詳細を知りたいなら、平日の午前10時から午後4時頃がベストです。
リトルハバナで体感する「本物のキューバ」の衝撃
マイアミ観光で絶対に外せないのがリトルハバナです。ここは単なる観光地ではなく、実際にキューバ系住民が生活している本物のコミュニティなんです。
カジェオチョ(SW 8th Street)がメインストリートで、ここを歩くだけでキューバの文化に浸れます。街角では老人たちがドミノゲームに興じ、葉巻職人が手作業で葉巻を巻いている光景を目にできます。観光客向けのパフォーマンスではなく、彼らの日常なんです。
ここで絶対に試してほしいのがカフェ・クバーノ。小さなカップに入った濃厚なエスプレッソで、地元の人は立ち飲みでサッと飲み干します。1杯約2ドルで、朝の7時から夜の8時頃まで、どこのカフェでも飲めます。ダウンタウンから車で約15分、公共交通機関ならメトロバスの8番線で約30分です。
ドミノパークで地元民と触れ合う贅沢な時間
リトルハバナのマキシモ・ゴメス・パーク、通称ドミノパークでは、毎日キューバ系のおじいさんたちがドミノに熱中しています。観光客でも気軽に見学でき、時には一緒にゲームに参加させてもらえることも。スペイン語ができなくても、身振り手振りで十分コミュニケーションが取れますよ。
ウィンウッド・ウォールズが教えてくれるマイアミのアートシーン
近年、マイアミで最も注目を集めているエリアがウィンウッド地区です。かつては倉庫街だった場所が、今では世界中から注目されるアート地区に変貌しました。
ウィンウッド・ウォールズは屋外美術館として機能しており、入場料は大人12ドル。でも実は、周辺の街全体がアートギャラリーのようになっているので、無料でも十分楽しめるんです。毎月第2土曜日にはアート・ウォークというイベントが開催され、午後7時から11時まで多くのギャラリーが無料開放されます。
ここで面白いのは、作品が常に変化していること。世界中のアーティストが定期的に新しい作品を描き加えているので、何度訪れても新鮮な発見があります。平日の午前中なら比較的人が少なく、ゆっくりと鑑賞できます。
マイアミビーチの「隠れた危険」と賢い楽しみ方
美しいビーチが自慢のマイアミですが、知らないと危険な面もあります。特に注意したいのがリップカレント(離岸流)です。
マイアミビーチでは年中海水浴が楽しめますが、ライフガードがいる時間帯(通常午前9時から午後5時)に泳ぐことを強くおすすめします。ビーチには色別の旗が立てられており、赤旗の時は遊泳禁止、黄旗は注意が必要な状態を示しています。
また、マイアミビーチは想像以上に日差しが強烈です。私も初日に甘く見て、SPF30の日焼け止めだけで過ごしたところ、夜には真っ赤になって大変な思いをしました。SPF50以上を2時間おきに塗り直すのは必須です。
ビーチパラソルのレンタルは1日約25ドル、チェアとセットなら35ドル程度。10番街から14番街周辺が比較的静かで、家族連れにはおすすめです。一方、1番街から5番街は若者が多く、夜遅くまで賑やかです。
本当に美味しいマイアミグルメはここで食べる
マイアミのグルメシーンは、キューバ料理だけではありません。実は、南米各国の料理が混在する独特な食文化が形成されているんです。
絶対に食べてほしいのがキューバンサンドイッチ。本場の味を求めるなら、リトルハバナの老舗「エル・レイ・デ・ラス・フリタス」がおすすめです。1杯8ドル程度で、ボリューム満点。午前11時から午後10時まで営業しています。
意外な穴場グルメスポットがブリッケル地区です。マイアミのビジネス街として知られていますが、実はペルー料理やアルゼンチン料理の名店が隠れています。特に「ラ・マール・バイ・ガストン・アクリオ」のセビーチェは絶品で、ランチなら15ドルから楽しめます。
地元民だけが知るフードトラック文化
実は、マイアミには活発なフードトラック文化があります。毎週末、ベイフロントパーク周辺やブリッケル地区に様々なフードトラックが集結。ベネズエラのアレパやコロンビアのエンパナーダなど、レストランでは味わえない本格的な屋台料理が楽しめます。価格も5ドルから10ドル程度とリーズナブルです。
マイアミ観光で絶対にやってはいけない3つのこと
最後に、私の失敗談から学んだ注意点をお伝えします。まず、夜間の一人歩きは避けること。特にダウンタウン周辺は、夜になると雰囲気が一変します。観光エリアでも午後10時以降は、できるだけタクシーやUberを利用しましょう。
次に、現金の持ち歩きすぎは危険です。ビーチでは最小限の現金とカード1枚程度に留めてください。防水ケースは必須アイテムです。
そして、レンタカーでの駐車場選びは慎重に。サウスビーチの路上駐車は非常に厳しく、少しでも時間をオーバーすると高額な罰金が科されます。1時間3ドル程度の有料駐車場を利用する方が結果的に安上がりです。
マイアミは確かに華やかな観光地ですが、その奥には深い文化と歴史があります。表面的な楽しみ方だけでなく、地元の人々の生活に触れることで、この街の本当の魅力を発見できるはずです。予想外の体験も含めて、それがマイアミ観光の醍醐味なのかもしれません。