「ラスベガスなんてカジノだけでしょ?」そんな先入観で訪れた私は、初日から大失敗の連続でした。でも3日目になって気づいたんです。この街には、想像を超える多彩な魅力が隠されていることを。今回は、私の失敗談も交えながら、ラスベガス観光の真の楽しみ方をお伝えします。
ストリップ地区って本当にすべて歩けるの?
これが私の最初の大誤算でした。ストリップ地区の全長は約6.8キロメートル。「歩いてまわろう」なんて軽く考えていたら、初日で足がパンパンになってしまいました。
ベラージオの噴水ショーは15分おきに開催されますが、実は曜日や時間帯によって使用される楽曲が異なります。私が偶然見たのは「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」に合わせた夜のショーで、その迫力は想像以上でした。噴水の高さは最大140メートルに達し、1200個のノズルが織りなす水の芸術は圧巻です。
移動にはモノレールの活用をおすすめします。MGMグランド駅からサハラ駅まで、片道約14分、料金は5ドルです。ただし、モノレールの駅はホテルの奥側にあることが多いので、ホテル内を歩く時間も計算に入れておきましょう。
意外な発見だったのは、各ホテルの無料アトラクションの充実ぶりです。ミラージュホテルの火山噴火ショーは毎日夜7時から1時間おきに開催され、炎の高さは約12メートル。間近で見ると熱気まで感じられます。
カジノ初心者が陥りがちな「あの」罠とは?
正直に告白しますが、私はカジノで50ドルを一瞬で失いました。でもそこから学んだ「正しいカジノの楽しみ方」があります。
最大の罠は「時間感覚の麻痺」です。カジノには時計も窓もありません。私は気がつくと朝の4時まで座り続けていました。事前に予算と時間を決めて、スマートフォンのアラームを設定することを強くおすすめします。
スロットマシンは最低1セント硬貨から遊べますが、実際には1回のスピンで複数のラインに賭けることになるため、思っているより早くお金が減ります。初心者なら1回25セント程度の設定で十分楽しめます。
ちなみに、カジノ内で飲み物を頼むとチップが必要です。相場は1〜2ドル。そして意外に知られていないのが、カジノ内は写真撮影が禁止されていること。スマートフォンを構えた瞬間、警備員がやってきます。
私が最も興味深いと感じたのは「カジノの心理学」です。カーペットの柄は意図的に派手にデザインされており、プレイヤーの目線を上に向けさせる効果があります。また、新鮮な酸素が常に供給されているという噂もあります。
シルク・ドゥ・ソレイユの真の魅力、知ってますか?
「サーカスでしょ?」と軽く考えていた私は、完全に認識を改めることになりました。これは芸術作品です。
現在ラスベガスでは、「O」(ベラージオ)、「KÀ」(MGMグランド)、「ミスティア」(トレジャーアイランド)など7つの異なるシルク・ドゥ・ソレイユ公演が常設されています。チケットは60ドルから250ドルと幅広く、座席によって見え方が大きく変わります。
私が観た「O」は、150万ガロンの水を使った水中ステージが特徴的でした。パフォーマー達が水面に飛び込んだ瞬間、ステージが固い床に変わる仕組みは今でも謎です。公演時間は約1時間45分、途中20分の休憩があります。
意外だったのは、開演30分前から劇場に入れることです。この時間を使って、舞台装置をじっくり観察することをおすすめします。「KÀ」の回転ステージは重量360トン、観客席から25メートルの高さまで上昇できます。
チケット購入のコツは、公式サイトでの事前予約です。当日券は売り切れることが多く、あっても良い席は残っていません。また、ドレスコードはありませんが、Tシャツとサンダルでは浮いてしまいます。
絶対食べるべきグルメ、でも観光客価格に注意!
食事で最も後悔したのが、ストリップ地区のレストランで何も調べずに入ったことです。普通のハンバーガーが35ドル。でも、知っていれば避けられる「観光客価格」があります。
バカナル・ビュッフェ(シーザーズ・パレス)は確かに豪華ですが、平日ディナーで1人85ドル、週末は105ドルです。しかし、250種類以上の料理が楽しめ、特にシーフードセクションの新鮮さは本物です。私が驚いたのは、キャビアやロブスターが食べ放題だったこと。ただし、2時間の時間制限があります。
地元民に教えてもらった穴場が「エリス・アイランド」です。ストリップから少し離れていますが、8オンスのステーキディナーが12.99ドル。味も申し分ありません。タクシーで約10分、往復のタクシー代を入れても、ストリップで食べるより安上がりです。
意外な発見は、各ホテルのフードコートでした。特にコスモポリタン・ホテルの地下にある「ブロック16」では、地元で人気の「ミルク・バー」のクッキーが味わえます。1個3ドルと良心的な価格です。
夜遅くまで営業している「ピンク・ボックス・ドーナツ」では、24時間いつでも焼きたてドーナツが購入できます。地元ラスベガス発祥で、観光客にはあまり知られていない隠れた名店です。
夜だけじゃない!意外すぎる昼間の楽しみ方
「ラスベガス=夜の街」という固定概念を覆されたのが、昼間のアクティビティの豊富さでした。
レッドロック・キャニオンは車で約30分の距離にありますが、まるで別世界です。13マイルのドライブコースは1台15ドルで、ラスベガスから日帰りで大自然を満喫できます。私が訪れた朝8時頃は気温も穏やかで、赤い岩肌が朝日に映える光景は圧巻でした。
ストリップ地区でも、ハイ・ローラー(世界最大級の観覧車)からの昼間の眺めは格別です。1周約30分、料金は時間帯により25〜65ドル。実は昼間の方が遠くの山々まで見渡せて、夜とは全く違う魅力があります。
意外だったのがプールパーティー文化です。多くのホテルが宿泊客以外にもプール利用を開放しており、入場料20〜40ドルでリゾート気分を味わえます。特にフラミンゴ・ホテルのプールエリアには本物のフラミンゴが飼育されていて、間近で観察できます。
砂漠気候のため、昼間でも日陰は涼しく、湿度が低いので日本の夏より過ごしやすいのも発見でした。ただし、日差しは強烈なので、サングラスと日焼け止めは必須です。
私が学んだ「ラスベガス観光」の本当の楽しみ方
失敗を重ねて気づいたのは、ラスベガスは「一点集中」より「幅広く浅く」楽しむ街だということです。カジノだけ、ショーだけ、食事だけに集中するのではなく、全てを少しずつ体験することで、この街の本当の魅力が見えてきます。
最も重要なのは「予算管理」です。すべてが派手で豪華な分、気を抜くとあっという間に予算オーバーしてしまいます。でも事前にリサーチして、メリハリをつければ、忘れられない体験ができる街でもあります。
あの失敗だらけの初日から数えて、もう5回ラスベガスを訪れました。毎回新しい発見があり、まだまだ知らない魅力がたくさん隠されていると感じています。皆さんも、先入観を捨てて、この不思議な街の多面性を楽しんでください。