ハリウッドサインを見るだけじゃもったいない?本当のLA観光とは
初めてロサンゼルスを訪れる人の多くが、ハリウッドサインとビバリーヒルズだけを見て帰ってしまいます。でも実は、それだけでは本当のLAの魅力を1割も味わえていないんです。私が現地で15年間暮らして気づいたのは、観光ガイドブックには載らない「隠れた顔」こそが、この街の真の魅力だということでした。
グリフィス天文台は確かに素晴らしいスポットですが、平日の午前10時から午後2時までの時間帯なら、観光バスが少なくゆっくり楽しめます。入場料は無料で、ロサンゼルス市内から車で約20分。でも本当におすすめしたいのは、天文台の裏手にある隠れたハイキングトレイルです。地元の人しか知らないこのルートから見るLA全景は、まさに絶景中の絶景なんです。
メキシカン文化が息づく「もうひとつのLA」って知ってる?
多くの観光客が見逃している事実があります。ロサンゼルスの人口の約48%がヒスパニック系で、街のあちこちでメキシカン文化が根強く息づいているんです。オルベラ街は「LA発祥の地」として知られていますが、観光地化された表面だけでなく、その奥の路地に足を向けてみてください。
地元の人が通う小さなタケリアでは、1ドル50セントで本格的なタコスが味わえます。特にカルニタス(豚の角煮風)のタコスは絶品で、こんなに安くて美味しい食事は日本では絶対に見つからないでしょう。営業時間は朝7時から夜10時まで、現金のみの支払いとなります。
イーストLAのマリアッチプラザでは、土日の夕方になると本物のマリアッチバンドの演奏が聞こえてきます。観光客料金を取られることもなく、チップを渡せば一緒に写真も撮ってもらえますよ。
ビーチだけじゃない!LAの海岸線で見つけた驚きの光景
サンタモニカピアの観覧車は確かにインスタ映えしますが、実は地元の人たちがもっと愛している場所があります。それがエルセグンドにあるマンハッタンビーチです。ここはバレーボール発祥の地として知られ、平日でも真剣勝負のビーチバレーが繰り広げられています。
驚くべきことに、このビーチには野生のアザラシが頻繁に姿を現します。特に早朝の6時から8時頃、サーフィンをしている人たちのすぐ近くで日光浴をしている光景に出会えることがあるんです。これは観光ガイドには載っていない、現地の人だけが知る特別な体験です。
ベニスビーチの遊歩道では、週末になると路上アーティストたちのパフォーマンスが楽しめます。でも本当におもしろいのは、その背後で繰り広げられる地元住民の日常風景。スケートボードの練習をする子どもたち、筋トレに励む人々、チェスを楽しむ老人たち。これこそが本物のLA文化なんです。
ショッピングで失敗しないための「地元民の知恵」
観光客の多くがロデオドライブで高級ブランドショッピングを楽しみますが、実は地元の人たちが愛用しているのはメルローズアベニューの古着屋街です。ここでは、ヴィンテージのリーバイスが30ドルから50ドルで手に入り、日本では絶対に見つからないレアなアイテムに出会えます。
営業時間は店舗によって異なりますが、多くが午前11時から午後8時まで。特にWastelandというショップは、セレブが持ち込んだ服を格安で販売していることで有名です。運が良ければ、ハリウッドスターが実際に着用していた服を手に入れることも可能なんです。
意外と知られていないのが、LAのファーマーズマーケットの充実ぶりです。サンタモニカファーマーズマーケットは毎週水曜と土曜の朝8時30分から午後1時30分まで開催され、カリフォルニア産の新鮮なフルーツが格安で購入できます。アボカド6個で5ドル、オーガニックいちご1パックが3ドルなど、日本と比べると信じられないような価格設定です。
LAで絶対に避けたい「観光客トラップ」の見分け方
15年間現地に住んで学んだ最も重要な教訓は、観光客向けのぼったくりを見分けることです。ハリウッドブルバードのチャイニーズシアター周辺では、コスプレした偽キャラクターが写真撮影を求めてきますが、法外な料金を請求されることがあります。
本物の体験を求めるなら、ワーナーブラザーススタジオツアーがおすすめです。料金は大人69ドルからで、事前予約が必須。平日の午前中なら比較的空いていて、実際の撮影セットを間近で見学できます。ここでは「フレンズ」や「ビッグバンセオリー」の実際のセットに立ち入ることができ、テレビでしか見たことのない世界を肌で感じられるんです。
駐車場についても要注意です。観光地周辺の路上パーキングは1時間8ドルから12ドルと高額ですが、少し離れた住宅街なら無料で停められる場所がたくさんあります。ただし、標識をしっかり確認しないと駐車違反で75ドルの罰金を取られることがあります。
夜のLAで体験できる「大人の楽しみ方」
日が暮れてからのロサンゼルスには、また違った魅力があります。ダウンタウンLAのルーフトップバーでは、夜景を楽しみながらクラフトカクテルが味わえます。特に「Perch」というレストランの屋上テラスからは、LA全体のキラキラした夜景が一望できます。
でも地元の人が本当に愛しているのは、もっとカジュアルな場所です。アボット・キニー・ブールバード沿いの小さなワインバーでは、カリフォルニア産のワインを1杯8ドルから楽しめ、地元のアーティストや音楽家たちとの自然な交流が生まれます。営業は午後5時から深夜2時まで、年中無休です。
意外かもしれませんが、LAには素晴らしいジャズクラブがいくつもあります。The Blue Whaleというクラブでは、毎晩違うアーティストの生演奏が楽しめ、入場料は15ドルから25ドル。ここで演奏するミュージシャンの多くが、実はハリウッド映画の音楽制作に関わっているプロフェッショナルなんです。
LAを去る前に絶対やっておきたい「最後の儀式」
旅行の最終日、空港に向かう前にぜひ立ち寄ってほしい場所があります。それがランディーズドーナツです。LAXから車で10分の場所にあるこの小さな店は、巨大なドーナツの看板で有名ですが、実は映画「アイアンマン2」にも登場した隠れた名所なんです。
ここのオールドファッションドーナツは1個1ドル25セント、コーヒーとセットでも3ドル以下です。でも値段以上に価値があるのは、この店で働く人たちとの温かい交流。カンボジア系移民の家族が経営するこの店では、片言の日本語で「アリガトウ」と言ってくれることがあり、旅の最後に心温まる体験ができます。
営業時間は24時間、年中無休。深夜便で帰国する場合でも安心して立ち寄れます。
本当のロサンゼルスは、観光ガイドブックの表面的な情報だけでは見えてきません。多様な文化が混在し、夢を追う人々と現実を生きる人々が共存する、複雑で魅力的な街です。次回LAを訪れる時は、ぜひこれらの「隠れた顔」も探してみてください。きっと今まで知らなかった新しいロサンゼルスに出会えるはずです。