パンダに会えずに帰国する観光客が続出?成都ジャイアントパンダ保護区で絶対に失敗しない観光術

中国・成都のジャイアントパンダ保護区を訪れた観光客の中には、「パンダが見えなかった」「思っていたのと違った」と肩を落として帰る人が意外に多いのをご存知でしょうか。世界中の人々を魅了するパンダたちに会いに行くなら、事前の準備と現地での立ち回りが成功の鍵を握ります。

なぜパンダに会えない観光客がいるの?

成都ジャイアントパンダ保護区の入口

成都には複数のパンダ施設がありますが、最も有名なのが成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地です。ここで多くの観光客が直面する問題は、パンダの活動時間を知らずに訪れることです。

パンダは朝の涼しい時間帯(午前7時から10時頃)が最も活発で、昼間は暑さを避けて室内でぐっすり眠っています。特に夏場の午後に訪れると、パンダたちは冷房の効いた部屋でお昼寝中。ガラス越しに丸まって眠る姿しか見られないことがあります。

入場料は大人58元(約1,200円)で、開園時間は朝7時30分から。成都市内中心部から車で約30分の距離にあります。早起きが苦手な方も、パンダのためなら頑張る価値がありますよ。

パンダ観察のベストタイムはいつ?

朝の時間帯に活発に動くジャイアントパンダ

プロのパンダウォッチャーたちが口を揃えて言うのは「開園と同時に入場せよ」ということ。朝8時前に到着すれば、パンダたちの朝食タイムに遭遇できます。

この時間帯のパンダは別の生き物かと思うほど活発です。竹をバリバリと食べ、木に登り、時には仲間同士でじゃれ合う姿も見られます。飼育員さんが餌を運んでくると、のそのそと近づいてくる愛らしい姿は、まさに絶景です。

特に太陽産房月亮産房エリアでは子パンダに会える確率が高く、午前中なら母パンダと一緒に遊ぶ微笑ましい光景を目撃できるかもしれません。

意外と知られていない「パンダの性格」

実は、パンダにも個体差があり、それぞれ異なる性格を持っています。人懐っこくてサービス精神旺盛な「花花(ホアホア)」、マイペースで食べることに夢中な「美香(メイシャン)」など、スタッフの方に聞けば各パンダの特徴を教えてもらえます。お気に入りのパンダを見つけるのも楽しみの一つです。

観光客が見落としがちな隠れスポットとは?

パンダ保護区内の隠れた観察エリア

多くの観光客は主要な展示エリアだけを回って満足してしまいますが、実は奥まった場所にあるパンダ科学探索館が穴場中の穴場です。ここではパンダの生態について詳しく学べるだけでなく、研究活動の様子も垣間見ることができます。

また、レッサーパンダエリアも見逃せません。ジャイアントパンダの陰に隠れがちですが、レッサーパンダの愛らしさは決して引けを取りません。木の上で器用に眠る姿や、ふわふわの尻尾をゆらゆらと振りながら歩く様子は、思わず写真を撮り続けてしまいます。

園内には無料の電動カートが運行しており、歩き疲れた時に利用できます。ただし、朝の時間帯は混雑するため、歩いて回ることをおすすめします。

パンダ保護区でしか買えないお土産

園内のギフトショップでは、ここでしか手に入らないオリジナルグッズが販売されています。特に人気なのがパンダの形をした竹炭石鹸パンダの糞から作られた再生紙のメモ帳です。後者は環境保護の取り組みの一環として作られており、意外に実用的で話題性もあります。

現地で気をつけるべきポイントは?

パンダ保護区での注意事項を示す看板

パンダ保護区を訪れる際の最大の注意点は、フラッシュ撮影の禁止です。パンダたちのストレスになるため、厳格に取り締まられています。カメラの設定を事前に確認しておきましょう。

また、土日や中国の祝日は非常に混雑するため、平日の訪問がおすすめです。特に春節(旧正月)期間中は地元の家族連れで溢れかえり、ゆっくりパンダを観察することが困難になります。

園内の気温は夏場で35度を超えることもあるため、日傘や帽子、十分な水分を持参してください。パンダたちが涼しい室内に避難してしまう前に、できるだけ多くのエリアを回ることが大切です。

意外な落とし穴として、園内のトイレが限られていることが挙げられます。特に子パンダエリア周辺は混雑するため、事前に場所を確認しておくと安心です。

成都市内からのアクセス方法

成都市内からは地下鉄3号線で熊猫大道駅まで行き、そこからバス(198路、87路)で約15分です。タクシーを利用する場合は、朝の渋滞を考慮して余裕を持った時間設定をおすすめします。運賃は約60-80元(約1,300-1,700円)程度です。

帰りのタクシーは園内で呼んでもらえますが、午前中の観光ラッシュ時は待ち時間が長くなることがあります。配車アプリ「滴滴出行(DiDi)」をスマートフォンにダウンロードしておくと便利です。

パンダ以外の意外な楽しみ方

実は、この保護区はバードウォッチングの聖地としても知られています。早朝の静かな時間帯には、園内の豊かな自然環境に様々な野鳥が訪れます。パンダ観察の合間に空を見上げると、色鮮やかな鳥たちの姿を楽しめます。

また、園内にはパンダキッチンという研究施設があり、パンダの食事を準備する様子をガラス越しに見学できます。1日に約12-38kgもの竹を消費するパンダたちのために、毎朝新鮮な竹を切り分ける作業は圧巻です。

研究員の方々が真剣に栄養バランスを考えながら食事を準備する姿を見ると、パンダ保護の現実と責任の重さを実感できます。単なる観光地ではなく、種の保存に取り組む研究機関であることを改めて感じられる瞬間です。

帰国後も続くパンダとのつながり

成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地では、パンダの養親制度も実施しています。一口1,000元(約22,000円)から参加でき、特定のパンダの成長を見守ることができます。養親になると年に数回、担当パンダの近況報告が送られてくるため、帰国後も特別なつながりを感じられます。

パンダとの出会いは一期一会。彼らののんびりとした時間の流れに身を委ね、現代社会の慌ただしさを忘れさせてくれる貴重な体験になるはずです。事前の準備を怠らず、パンダたちの生活リズムに合わせて訪問すれば、きっと心に残る素晴らしい思い出を作ることができるでしょう。