レンヌ観光で絶対に見落としてはいけない「普通じゃない」魅力とは?

レンヌって一体どんな街?思わず二度見してしまう理由

フランス北西部ブルターニュ地方の州都レンヌ。パリから高速鉄道TGVで約2時間、人口約22万人のこの街は、一見すると「普通の地方都市」に見えるかもしれません。でも実は、フランス人学生が「住みたい街ランキング」で常に上位にランクインする、知る人ぞ知る魅力的な都市なんです。

古い木組みの家々が立ち並ぶ旧市街と、モダンな地下鉄が走る新市街。この絶妙なコントラストこそが、レンヌ最大の魅力といえるでしょう。中世の面影を残しながらも、学生の街として活気に溢れている。そんな二面性が、訪れる人を虜にするのです。

旧市街散策?まずは「サン・ピエール大聖堂」から始めよう

レンヌ観光の出発点は、間違いなくサン・ピエール大聖堂です。この大聖堂、実は建設に300年以上かかったという驚きの歴史を持っています。1787年に完成したネオクラシック様式の建物は、入場無料で毎日9時から19時まで見学可能です。

大聖堂の内部で注目すべきは、16世紀のフランドル派による木彫りの装飾。特に祭壇の彫刻は、細部まで見事に彫り込まれていて、思わず息を呑みます。でも本当の見どころは実は外にあるんです。大聖堂の裏手に回ると、タボール庭園という小さな公園があります。ここから見上げる大聖堂の後ろ姿が、実は一番美しいアングルなのです。

木組みの家並み?まるで絵本の世界に迷い込んだみたい

サン・ピエール大聖堂から徒歩5分ほど歩くと、レンヌのハイライト木組みの家並みが広がります。特に旧市街のサン・ジョルジュ通りとド・ラ・モネ通りの交差点周辺は、15〜16世紀の建物がほぼ完璧な状態で保存されています。

ここで面白いのは、よく見ると家ごとに微妙に傾いていること。これは地盤沈下ではなく、当時の建築技法によるもの。木材の乾燥具合や組み方によって、年月とともに自然に「味のある」形になっているのです。

現地の人に教えてもらったコツですが、これらの建物は午前中の光が一番美しく映えます。特に10時頃の斜光が、木組みの陰影を際立たせて、まるで中世にタイムスリップしたような錯覚を起こします。多くの建物は現在もカフェやブティックとして営業しているので、外観を楽しみながらショッピングも楽しめますよ。

市場で地元グルメ?土曜日の「マルシェ・デ・リス」は見逃せない

レンヌの食文化を知るなら、毎週土曜日の朝8時から13時30分まで開催されるマルシェ・デ・リスは絶対に外せません。リス広場で開かれるこの市場は、ブルターニュ地方の特産品が一堂に会する食の宝庫です。

ここで必ず味わってほしいのがガレット。そば粉で作ったクレープのような料理ですが、パリで食べるものとは全く別物です。地元産のそば粉を使った本場のガレットは、香ばしさと食感が段違い。市場内の小さなスタンドで、チーズと卵、ハムを入れた「コンプレット」(約8ユーロ)を注文すれば、立ったまま本格的なブルターニュ料理を楽しめます。

もう一つの名物がクイニーアマン。バターと砂糖をたっぷり使った焼き菓子で、外はカリカリ、中はしっとり。でも観光地で売られているものとは全く違います。地元のパン屋で買うクイニーアマンは、作りたてでバターの香りが強烈。1個約3ユーロですが、これを食べずにレンヌを去るのは罪と言えるでしょう。

学生街の夜?地元っ子に混じってバー巡りしてみない?

レンヌは人口の3分の1が学生という、典型的な学生都市。そのため夜の街歩きが本当に楽しいんです。特に旧市街のサン・ミッシェル地区は、小さなバーがひしめき合っていて、地元の学生や若者で賑わっています。

おすすめはル・ルビス・シュル・ロングルというバー。名前は覚えにくいですが、地元産のシードルとクラフトビールが豊富で、19時から深夜2時まで営業しています。ここの名物は「シードル・テイスティング」(約12ユーロ)。ブルターニュ地方の異なる農園で作られた4種類のシードルを飲み比べできます。

実はこのシードル、アルコール度数が4〜8%と幅があり、辛口から甘口まで驚くほどバリエーション豊富。リンゴの品種や発酵方法によって味が全く変わるので、ワインに負けないほど奥が深いお酒なんです。地元の学生に混じって楽しめば、レンヌの夜がより特別な思い出になりますよ。

意外な穴場?「タボール公園」で見つけた隠れた絶景スポット

多くの観光ガイドには載っていない、地元の人だけが知る特別な場所があります。それがタボール公園の奥にある小さな展望台です。公園自体は有名ですが、その最奥部にある展望台は、観光客はほとんど知りません。

この展望台からの眺めが本当に素晴らしいんです。レンヌの街並みを一望でき、特に夕暮れ時には旧市街の木組みの家々が夕日に照らされて、まるで黄金色に輝いて見えます。公園は年中無休で入場無料、朝6時から夜9時まで開放されています。

地元の人に聞いたところ、この展望台は19世紀に作られた人工の丘で、当時の市長が「市民に美しい景色を提供したい」という想いで建設したそうです。現在でも夕方になると、地元のカップルや家族連れが静かに景色を楽しんでいます。

交通手段で困った?レンヌの地下鉄は実は凄いシステム

レンヌには、人口20万人程度の都市としては珍しく地下鉄が走っています。このVAL(Véhicule Automatique Léger)システムは、実は世界で2番目に導入された自動運転地下鉄なんです。1日券が4.6ユーロで、主要観光地はほぼ全てカバーしています。

驚くべきは運行頻度で、朝7時から夜11時まで、なんと90秒間隔で運行。パリの地下鉄より正確で清潔です。特に「サント・アンヌ駅」から「レピュブリック駅」までは、旧市街の主要観光地を結んでいるので観光客には非常に便利。

車両は完全無人運転で、最前列に座ると運転士気分を味わえます。地元の子供たちにも人気の「アトラクション」になっているので、時間があれば一周してみるのも面白いですよ。

お土産選びで迷う?地元でしか買えない特別なものとは

最後にお土産選び。レンヌでしか手に入らない特別なものがあります。それが「ブルターニュ産の塩キャラメル」「手作り石鹸」です。

塩キャラメルは、ゲランド産の塩を使った本場もの。旧市街のラ・メール・プラール(火曜定休、10時〜19時営業)という小さな菓子店で作られているものは、パリのデパートでは絶対に手に入りません。50グラム入りで約6ユーロですが、その濃厚さと塩味のバランスは絶品です。

手作り石鹸は、地元のアルチザンが海藻エキスを使って作ったもの。ブルターニュの海の恵みが詰まった石鹸は、保湿効果が高く肌に優しい仕上がり。サン・ジョルジュ通りの小さな雑貨店「ラ・メゾン・デュ・サヴォン」で1個約8ユーロで購入できます。

これらの品は重量も軽く、日本への持ち帰りにも便利。何より、「レンヌに行ってきた」という特別感を演出できる、まさに理想的なお土産といえるでしょう。

レンヌは大都市のような華やかさはありませんが、訪れる人の心に深く刻まれる、そんな魅力を持った街です。ブルターニュ地方の玄関口として、ぜひ一度足を運んでみてください。きっと「普通じゃない」魅力を発見できるはずです。