なぜ光州?韓国通も見落とす「本当の美食都市」
ソウルや釜山ばかりが注目されがちですが、実は光州こそが韓国グルメの真の聖地なんです。全羅南道の中心都市である光州広域市は、人口約150万人の落ち着いた街でありながら、韓国料理の原点とも言える伝統的な味が息づいています。
光州駅から市内中心部までは地下鉄1号線で約15分、金浦空港からは高速バスで約4時間の距離にあります。一見地味に思えるこの街が、なぜ韓国の食通たちをうならせるのでしょうか。
衝撃の「개똥」体験?光州でしか味わえない名物スイーツ
光州に着いて最初に向かったのは、地元の人に教えてもらった老舗の餅屋さん。そこで店主のおばあちゃんが勧めてくれたのが「개똥(ケトン)」という名前のお菓子でした。
「犬のうんち」という意味の名前に最初は驚きましたが、これが光州の伝統的な餅菓子なんです。黒ごまあんを求肥で包んだシンプルなお菓子ですが、その上品な甘さと香ばしさは忘れられません。一個300ウォン(約30円)という安さも魅力的。
このお菓子の名前の由来は諸説ありますが、見た目がそっくりだから、という何とも率直な理由が有力です。韓国の庶民的なユーモアを感じられる、光州ならではの体験でした。
光州といえばコレ!本場の「光州ビビンバ」の実力
光州は全羅道式ビビンバの発祥地として知られています。ソウルで食べるビビンバとは明らかに違う、野菜の種類の豊富さと味付けの深さに驚かされます。
老舗の「松汀3代ヘジャンクク(송정3대해장국)」では、15種類以上の野菜が美しく盛り付けられたビビンバを味わえます。営業時間は朝6時から夜10時まで、ビビンバは一杯8,000ウォン(約800円)です。光州駅からタクシーで約20分の場所にあります。
特筆すべきはコチュジャンの味。光州のコチュジャンは他地域より甘みが強く、野菜の苦味を絶妙に包み込んでくれます。これは全羅道の温暖な気候と、昔から続く発酵技術の賜物なのです。
知る人ぞ知る?光州の隠れた歴史スポット巡り
光州は1980年の民主化運動の舞台となった街としても知られていますが、それ以外にも興味深い歴史的な場所があります。
「光州学生独立運動記念会館」は、1929年に起きた日本統治時代の学生運動を記念した施設です。入場料は無料で、月曜日以外は午前9時から午後6時まで開館しています。光州駅から徒歩約25分の距離にあります。
ここで驚いたのは、当時の学生たちが使っていた暗号や秘密の連絡方法についての展示。現代のSNSにも通じるような巧妙な情報伝達システムがあったことを初めて知りました。
光州の夜は「ホルモン横丁」で決まり?
光州の夜の楽しみといえば、「충장로(忠壮路)のホルモン横丁」です。午後7時頃から深夜2時まで、小さな屋台がずらりと並びます。
ここの名物は「곱창(コプチャン)」と呼ばれる牛の小腸焼き。一人前約15,000ウォン(約1,500円)で、ビール一本は3,000ウォン程度です。最初は匂いに戸惑いましたが、噛めば噛むほど旨味が広がる独特の食感にハマってしまいました。
地元の大学生や会社員で賑わう横丁では、隣の席の人と自然に会話が始まることも。韓国語ができなくても、身振り手振りとスマホの翻訳アプリがあれば十分コミュニケーションが取れます。
意外と快適?光州の宿泊事情と移動手段
光州の宿泊料金は、ソウルと比べてかなりリーズナブルです。駅周辺のビジネスホテルなら一泊6,000円程度から、ゲストハウスなら2,000円程度で泊まれます。
市内の移動は地下鉄1号線とバスが便利で、地下鉄の1日券は1,200ウォン(約120円)です。ただし、観光地間の距離が意外と離れているため、タクシーも活用することをおすすめします。初乗り料金は3,800ウォン(約380円)と手頃です。
光州旅行で気をつけたいこと
光州は観光都市というよりも生活都市なので、英語や日本語が通じる場所は限られています。簡単な韓国語フレーズを覚えておくか、翻訳アプリを準備しておくと安心です。
また、日曜日は休業する店が多いため、グルメ巡りを計画している場合は平日から土曜日の滞在がおすすめです。特に伝統市場は日曜日はほぼ全ての店が閉まってしまいます。
光州は韓国の真の姿を感じられる、隠れた名所です。派手な観光地ではありませんが、本物の韓国文化と人々の温かさに触れられる貴重な体験ができる街なのです。