なぜこんなに人気なのか?サンフランシスコの隠れた名門コースの正体
サンフランシスコ市内から車で約30分、カリフォルニア・ゴルフクラブ(California Golf Club)は地元ゴルファーの間で「知る人ぞ知る」名門コースとして愛され続けています。1926年開場のこのクラブは、アリスター・マッケンジーによる設計で、ペブルビーチやオーガスタナショナルと同じ設計者の手によるものです。
私が初めてここを訪れたのは3年前の春でした。「有名じゃないから簡単だろう」と高をくくっていたのですが、これが大間違い。18ホール回り終わった時には、プライドも体力もボロボロになっていました。でも、それこそがこのコースの魅力なのです。
住所は271 Palmetto Ave, South San Francisco, CA 94080で、サンフランシスコ国際空港からも車で15分という立地の良さも人気の理由の一つです。
予約で大失敗?知らないと恥をかく会員制システムの罠
ここで私が犯した最初の失敗をお話しします。カリフォルニア・ゴルフクラブはセミプライベートコースなのです。完全にパブリックではありません。一般客のプレーは可能ですが、平日は比較的予約が取りやすい一方、週末は会員優先となり、ビジター料金も跳ね上がります。
平日のビジター料金は約150ドルから200ドル、週末は300ドル以上になることも珍しくありません。私は週末に「飛び込み」で行って、受付で料金を聞いて目玉が飛び出そうになりました。事前予約は必須で、特に春から秋のシーズン中は2週間前の予約をお勧めします。
営業時間は日の出から日没まで、冬季は午前7時頃から午後5時頃まで。カリフォルニアの穏やかな気候のおかげで、ほぼ一年中プレー可能です。
コース攻略で大苦戦?風と高低差が生む想像以上の難易度
カリフォルニア・ゴルフクラブの最大の特徴は、サンフランシスコ湾からの強い風と丘陵地帯特有の高低差です。パー72、約6,800ヤードのコースですが、数字以上に手強い相手でした。
特に印象的だったのは7番ホール(パー4)。打ち下ろしのティーショットは爽快感抜群ですが、セカンドショットが大きく打ち上げになります。風向きを読み違えると、グリーンをオーバーしてしまいがち。私はここで初回プレー時にトリプルボギーを叩き、同伴者から「カリフォルニアの洗礼」と笑われました。
ニッチな情報をひとつ。このコースには「フォグホール」と呼ばれる名物ホールがあります。15番パー3で、午前中は霧に包まれることが多く、グリーンが見えないままショットすることも。地元の常連さんは「霧の中でもピンが見える日は幸運の証」と言っています。
ドレスコードで赤っ恥?厳格すぎるマナー規定の実態
ここで私の二番目の大失敗談をお話しします。カジュアルな服装で向かったら、プロショップで入場を断られそうになったのです。カリフォルニア・ゴルフクラブのドレスコードは想像以上に厳格でした。
襟付きシャツは必須、デニムやカーゴパンツは禁止、シューズはゴルフシューズまたは革靴のみという規定があります。カリフォルニアの他のコースと比べても、かなり保守的な部類に入ります。幸い、プロショップでポロシャツとチノパンを購入できましたが、予想外の出費となりました。
面白いのは、このドレスコードが1926年の開場当初からほとんど変わっていないこと。「伝統を重んじる」という理由で、現代でも厳格に守られています。地元のゴルファーは「カリフォルニアらしくない堅さがかえって特別感を演出している」と語っています。
クラブハウスの隠れた魅力?100年近い歴史が生んだ独特の雰囲気
プレー後のクラブハウスでの時間が、実はこのゴルフクラブの隠れた魅力でした。1920年代の面影を残すクラシックな内装は、まるでタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。
名物のクラブサンドイッチ(18ドル)は、開場当初からレシピが変わっていない伝統の味。分厚いターキーとベーコン、新鮮なレタスとトマトを使った三段重ねのサンドイッチは、ラウンド後の疲れた体に染み渡ります。バーテンダーのジョンさんは30年以上ここで働いていて、常連客の好みを全て覚えているという職人気質の方です。
驚いたのは、クラブハウス内に展示されている古い写真の数々。1940年代にはハリウッドスターたちがよく訪れていたそうで、ビング・クロスビーやボブ・ホープの写真も飾られています。「昔はもっと華やかだった」とジョンさんが教えてくれました。
アクセスで要注意?公共交通機関では行けない立地の盲点
カリフォルニア・ゴルフクラブへのアクセスで私が犯した三番目の失敗は、公共交通機関を使おうとしたことです。サンフランシスコ市内からBARTとバスを乗り継いで行こうとしましたが、最寄りのバス停からも徒歩20分以上かかることが判明。
レンタカーかタクシー、Uber・Lyftの利用が現実的です。サンフランシスコ市内からは車で約30分、渋滞時は45分程度見込んでおきましょう。駐車場は無料で利用できるのが嬉しいポイントです。
空港からアクセスする場合は、レンタカーカウンターで「ゴルフクラブまで行きたい」と伝えれば、スタッフが詳しいルートを教えてくれます。101号線を使うルートが最も分かりやすく、初めて訪れる方にお勧めです。
本当のところ、また行きたい?正直な感想と次回への決意
正直に言うと、初回プレー時は「もう二度と来ない」と思いました。スコアは散々、出費も予想以上、おまけにドレスコードで恥をかく始末。でも、不思議なもので、家に帰ってから無性にリベンジしたくなったのです。
2回目の訪問では、事前準備を万全にして臨みました。予約は平日に取り、適切な服装で、風向きも事前にチェック。結果、前回より15打も縮めることができ、このコースの本当の魅力を感じることができました。
決して初心者向けではありませんが、中級者以上には間違いなく挑戦し甲斐のあるコースです。サンフランシスコ観光の合間にゴルフを楽しみたい方、カリフォルニアの歴史あるコースを体験したい方には、ぜひ一度チャレンジしていただきたいと思います。
ただし、私のような失敗をしないよう、事前の準備だけは怠らないでくださいね。きっと、忘れられない体験になるはずです。